毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の青森へ雪かき帰省(その18;日本酒なら「亀吉」を)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012858.jpg ▲超貴重!今しか飲めない濃醇生酒無調整、こんな文句につられて「亀吉」いってみよう。

 2012年2月1日、外は猛吹雪。

 よもや外が記録的な猛吹雪になっていようとはつゆ知らず、引き続き青森市内の「美食居酒屋 志絵扶(しえふ)」にて、まだ食べて飲んでます。

 他の二人は、なかなか手に入らない六ヶ所村の長芋焼酎「六趣」をボトルで旨そうに飲んでいて、うらやましい。焼酎が嫌いな僕は、日本酒で対抗する。何を飲もうかと壁に貼ってある銘柄を見ながら思案したところ、「亀吉」の文字が目にとまりました。

 「亀吉」は黒石市の酒蔵「株式会社中村亀吉」の銘柄。「株式会社中村亀吉」の創業は1913年(大正2年)。黒石の町屋の趣が残る「こみせ通り」にあるこの酒蔵は、木造2階建て切妻、妻入り、金属板葺きの大型町屋建築。軒先には新種ができた印として吊されるみごとな杉玉もあり、ぜひ一度は訪れてみたい酒蔵です。

 ここでは「亀吉」「玉垂」「津軽娘」といった銘柄を造っていますが、最近どうも「亀吉」の人気がすごい。それだけ旨いということなんですが、壁に貼られてある「亀吉」は、「超貴重」「今しか飲めない」「純米吟醸」「濃醇生酒無調整」の「亀吉」。この「亀吉」は飲んだことない。かなり期間限定らしいので、こちらを注文。

 そしたらまあなんと、きりりと冷やされたこの「亀吉」、ウマすぎ、飲みやすすぎ、香りもぴんと立って、しかも上品。これは「亀吉」銘柄の中でも逸品と言ってよい、まことにいい酒であります!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012853.jpg きりりと冷えた「亀吉」。

 あー、これならビールなんか飲まないで最初からこの「濃醇生酒無調整」の「亀吉」を飲めばよかったなー、もうおなかいっぱいだよ。

 しかし、酒が日本酒に変わったらやっぱり肴がほしくなる。注文したのは「マグロの炙りスジ肉」。これも今まで食べたことがない。マグロのスジ肉なんて食べたことないよ。

 マグロのどこの部位なのかよくわからないけど、皮付きで出てきたので、皮の内側にスジの大い部分があるのでしょう。マグロのスジは加熱するとゼラチン状になり、とても甘く、ねっとりとした味わいになるそうで、出てきた「炙りスジ肉」は皮はパリパリ、内側にへばりついたスジ部分は脂が溶け出してジューシーかつねっとり。これは酒の肴にあまりにも合いすぎです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012902.jpg マグロの炙りスジ肉。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012907.jpg 皮はパリッ、スジはねっとり。

 さて、そろそろ〆めの主食といきましょうか。まだ食べるのか!と思われそうだし、確かにおなかはもうだいぶいっぱいになってきてはいるのですが、ここはやはり炭水化物で〆めたいもの。

 このお店がまた主食にいろいろと面白いメニューを取りそろえているもんだから、目移りしちゃって、何を頼んだらよいものかなかなか決められない。胃袋が許すなら全部食べてみたいものばかり。

 で、結局超無難に「鉄板焼きそば」。え、無難すぎますか?中国で暮らしてると日本に帰ったときにラーメンも食べたくなるけど、焼きそばも食べたくなるんですよね、ソース焼きそば。中国には日本のソースがないから、ソース焼きそばが時々恋しくなる。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012921.jpg 主食は無難に焼きそば。

 しかし、一つおもしろいメニューに目がとまりました。このお店、居酒屋なのに、主食にはパスタ類もあるんです。しかも酒類がけっこう豊富。その中の「納豆ナポリタン」が食べたくなった!

 このお店は器にもちゃんと気配りがあり、パスタはパスタにふさわしい更に盛られて出てきます。たいしたものです。

 細いスパゲティで作ってこんもりと皿に盛ったナポリタンの上に大葉と納豆、そして刻み海苔が載せてあります。納豆の量はけっこう多い。これをひととおりかきまぜて、食べてみた。相方たちからは「納豆なくてもいいんじゃ」という声も聞かれたけれど、僕は気に入った!味は納豆の味が勝ってナポリタンぽさをちょっと消してしまっているけれど、ねばねば感がパスタにミゴトに絡んだこの食感はけっこうたまらない。なんだかんだ言いながら、3人で完食!いやー、食べた食べた飲んだ飲んだ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012912.jpg 納豆ナポリタン。

 時間は既に夜11時を回り、そろそろお愛想。最後に外でお店の写真を撮って……と外に出ようとしたところ、ガラス窓越しの外が真っ白で何も見えない。なんだこれは。

 おそろしい猛吹雪が青森市の中心部を襲っていました。この日は県内の野辺地町から下北半島へのびる国道279号線で吹雪と豪雪のために車数百台が動けなくなりそのまま夜を明かしたというたいへんなことが起きた夜ですが、このとき青森市内でも猛吹雪が荒れ狂っていたのでした。

 意を決して外に出ると、マジで一寸先も見えないような暴風暴雪。店の外観なんか写真に撮ってる場合じゃない。とにかくタクシーをつかまえて乗り込みました。フロントガラスの向こうは完全にホワイトアウトしていて、やむなく超のろのろ運転。そしてようやくたどり着いた自宅は、夕方出かけるときにはきれいに雪を片付けておいたのに、玄関先に吹きだまりができて、膝上以上に雪が積もってる!もう夜中だし吹雪は続いているので雪かきは朝にして、とにかく雪をかき分けて玄関の扉までたどり着き、なんとかドアを開けて中に入りました。なんという吹雪、なんという豪雪!お酒の酔いもすっかり吹っ飛びました(涙)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012916.jpg ▲納豆ナポリタンにズーム。ねばねばが強烈に絡んだ食感に、ワタシはまりました(^^)。