毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の青森へ雪かき帰省(その17;長芋焼酎「六趣」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012831.jpg ▲「幻の焼酎」とも称される長芋焼酎「六趣」。隣のプレモが入ったグラスは関係ありません(笑)。

 2012年2月1日、酒が進む。

 青森市内「美食居酒屋 志絵扶(しえふ)」での飲み会、続いております。

 ビールはひととおり飲んだので、そろそろ酒を変えます。僕は焼酎はだめなのですが、他の二人は焼酎好きということで、焼酎を1本注文。壁に貼られていた焼酎の銘柄で目を引いたのが「六趣」。

 青森県は日本一の長芋生産地です。長芋には、でんぷん・タンパク質・ミネラル・ビタミンCなどが多く含まれていて、漢方では古来より乾燥して粉にしたものを「山薬」と呼んで滋養強壮薬として用いられていました。中国でも最近長芋を食べるようになっていて、中国語では長芋のことをずばり「山薬」と言います。

 そんな青森県の代表的農作物である長芋を使って作った焼酎が「六趣」です。製造するのは「六趣醸造工房」、六ヶ所地域振興開発株式会社の運営です。「日本一の長芋だからきっとうまい焼酎ができる」との想いから宮崎県の伝統ある焼酎造りの技術を導入して研究を重ね、自然豊かな六ヶ所産の長芋を原料に、本格長芋焼酎「六趣」が生まれたのだとか。当初は県外で生産していましたが、六ヶ所村内にこの施設を建て、2006年から六ヶ所村内で醸造を開始しました。

 僕は焼酎をやらないのでわからないのですが、関連のHPなどでは「さわやかな呑み口の中にどっしりとした強者のうまさを持つ」「すっきりとしたライトな口当たりの中にも、原料である長芋の特徴を充分に堪能できる一品」と高い評価です。年間生産本数は8万本程度と少ないことと、六ヶ所村の隠れた逸品として個人のHPや雑誌等で紹介されたことで、一時は「幻の焼酎」と称されるほど品薄状態となり、現在でも数を制限しながら販売しているそうです。

 そんな「六趣」が、ここではボトルで飲むことができるんです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012835.jpg 「六趣」のラベルに接近。

 さっそく二人はボトルを開けて、ロックで飲み始めました。「うまい!」「なんてすっきり!」「飲みやすい!」と次々に絶賛の声が。君たち、よかったね!

 青森の酒の中で、全国的に名が知れ渡り、かつ手に入りにくいものの筆頭は清酒の「田酒」ですが、お店の人に聞いてみたら、今や「六趣」のほうが「田酒」より手に入りにくくなっているとのこと。「六趣」は2ヶ月に1回入荷すればいいほうだとのことでした。「六趣」は生産開始当初から手に入りにくく、六ヶ所村へ行っても手に入るかどうかと言われていました。

 「六趣」にはアルコール度数20度の「六趣レギュラー」と、3年熟成を経た35度の「六趣スペシャル」の2種類があり、レギュラーは生産開始当初の2万本から平成22年には約8万本に、スペシャルは平成21年から製造を始めて1,200本から平成22年には約5千本に年間生産量は増えていますが、人気の高まりもあって、ますます手に入らなくなっているんですね。

 というわけで、パプアニューギニアから参戦の彼は「六趣」の肴にカキフライをオーダーです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012840.jpg 箸休め的にカキフライ。

 ここ「志絵扶(しえふ)」は、創作料理みたいなのも果敢に編み出していて、他では見かけないメニューがたくさんあるのですが、そのどれもがちゃんとおいしいんだからスゴイ。

 次に我々がオーダーしたのは、正確な名称は忘れてしまったけど(笑)、タラのベーコン巻です。輪切りにしたタラのへりをベーコンで巻いてソテーし、真ん中の骨の部分にはソテーしたホタテの貝柱を添え、山菜のてんぷらみたいなのを更に上に載せて、タルタルソースとオリーブオイルを敷いた皿の上に盛りつけてあります。

 これはもう居酒屋メニューをはるかに超越してます。立派なフレンチの一品と言ってもよいでしょう。タラをベーコンで巻く、この発想はなかったね。タルタルソースにもオリーブオイルにも合って、なんとも上品で美味な一品。ワインがほしくなるなあ(^^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012845.jpg タラのベーコン巻。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819012849.jpg ▲これは居酒屋メニューを超えてもはやフレンチ。