毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

同じ機材でヘルシンキへ。(Long Summer Vacation;その75)

f:id:mainichigaharu:20200209231026j:plain▲人は後ろから、荷物は前からの、タリン発ヘルシンキ行きAY1020便。

 

2018年7月29日、機内蒸し風呂状態。

 

 思いのほか暑かったタリン旅行ももう終盤。旧市街の散策からいったんホテルに戻って、荷物をピックアップして、空港へ向かいます。

 

 空港へは路面電車で行きます。空港まで行くのは4番系統、ホテル最寄りの「Paberi」電停から乗ればよろしい。

 

 今回のタリン旅行では、カドリオルグ宮殿へ行くのに1番系統に乗りましたが、そのときの車両はチェコの「タトラ」社製のいかにも東欧チックなデザインの車両でした。

 

 今回やってきた4番系統空港行きの車両は、「エア・バルティック」の広告をまとった車番517をつけた「ウルボスAXL」。スペインのメーカー「CAF」製造の超低床路面電車ブランド「ウルボス(Urbos)」シリーズの車両で、2015年から投入されている最新型です。3車体連接車で座席も多く、快適です。空港アクセスを担う4番系統は全車「ウルボスAXL」で運行されているとのことなので、あっ、てことは、タリンに到着した日、ひと駅ぶんだけ乗った車両も「ウルボスAXL」だったのね、そう言えば。

 

f:id:mainichigaharu:20200209231006j:plain▲ホテル最寄りの「Paberi」電停。ちゃんと屋根もベンチもあります。

 

f:id:mainichigaharu:20200209231012j:plain▲やってきたのは最新車両「ウルボスAXL」の517号機。スマートでかっちょええ。

 

 「Paberi」電停から終点の空港までは電停9つ、ダイヤ上の所要時間は19分です。路面電車でのんびり快適に空港へ行けるというのもいいものですね。

 

 これから乗るのは、14:50発のヘルシンキ行きAY1020便。ヘルシンキからJAL便に乗り継ぐので、チケットはコードシェアのJL6868便で発券してあります。

 

 いつ来ても、タリン空港のターミナルの中は人が少なめで、チェックインもほとんど並ばずに済ませられます。もちろん東京成田までスルーチェックインができ、ほとんど手ぶらでゲートまで進めるのが楽でいいです。タリンからヘルシンキまではシェンゲン条約加盟国間移動なのでパスポートコントロールもなく、保安検査だけというのも楽です。

 

f:id:mainichigaharu:20200209231016j:plain▲ノルウェーの言語学者オーセンの肖像画描かれたノルウェー・エアシャトルのB737-800。

 

 タリン空港を発着するフライトはほとんどがヨーロッパ圏内を結ぶ短距離路線で、飛来するのはB737やA320などのナロウボディ機ばかりですが、当然のことながら中には日本では見られない航空会社の飛行機もやってきます。そのうちの一つが上の写真、タリン空港に駐機中の「ノルウェー・エアシャトル」。ノルウェーのLCCで、尾翼に北欧が排出した著名人の肖像が描かれているのが特徴です。

 

 これは、「ノルウェー・エアシャトル」が2002年に初めてB737を就航させたときに始めたもので、今では北欧諸国だけでなく、スペイン、フランス、イギリス、アイルランド、スコットランド、アルゼンチン、アメリカの著名人も描かれるようになり、名付けて「Tail Fin Heroes(尾翼のヒーローたち)」。「ノルウェー・エアシャトル」のHPには現在、72人の肖像が掲載されています。ほとんど知らない人ばっかりですけどね……(笑)ざっと見た感じ、僕が知ってるのは、イプセン(ノルウェーの劇作家)、グレタ・ガルボ(スウェーデン生まれのハリウッド女優)、アンデルセン(デンマークの童話作家)、あと探検家コロンブスぐらいでしょうか。

 

 窓から見えているのは、レジLN-NGPをつけたB737-800。尾翼に描かれている肖像は、イーヴァル・アンドレアス・オーセン(Ivar Andreas Aasen)という19世紀のノルウェーの言語学者だそうです。このデザイン、例えばJAL機の尾翼に森鴎外とか徳川家康とか紫式部とかの肖像が描かれてたら楽しいと思うんですが、どうでしょう?

 

f:id:mainichigaharu:20200209231021j:plain▲ヘルシンキから到着したAY1019便。折り返しヘルシンキ行きAY1020便になります。

 

 ヘルシンキからタリンに所定14:25に到着するAY1019便が、折り返しで14:50発のヘルシンキ行きAY1020便になります。しかし、折り返しのために25分しか時間がとられていないのでは、定時出発はどだいムリ。だって、いつも70人がぎっしり乗って、手荷物もたっぷり持って、更に託送荷物も積載してるので、乗降に時間がかかっちゃって、25分で折り返せたことなんで今まで見たことないんだから。

 

 さて、この日のAY1020便の搭乗ゲートは2番ゲート。と言っても、ゲートから地上に下りて歩いて搭乗するんですけどね。搭乗が始まるまでは、各航空会社が共同使用しているラウンジ(Tallinn Airport Business Lounge)で「SAKU」ビールを飲みながら軽くランチをいただきます。タリン空港のラウンジ、いつ来ても利用者が少なく、静かで落ち着いていて、居心地がいいです。

 

f:id:mainichigaharu:20200209231031j:plain▲来たときと同じ機材に、来たときと同じように後ろから搭乗します。

 

 予想どおり搭乗開始は遅れ、当初の出発時刻である14:50に搭乗開始。この日の機材は、偶然にも、7月26日にヘルシンキからタリンに来たときに乗ったAY1023便と同じ機材のレジOH-ATGをつけた68席仕様のATR72-500ではないですか。行きも帰りも同じ飛行機でタリンを行き来することになるとは。

 

 いつものように後方扉から搭乗し、7番D席に着席。今回も機内は外国人観光客を中心にぎっしり満席です。しかし、荷物積載に時間がかかっていて、客室のドアは閉まったが、なかなかエンジンが起動しない。するとどういうことが起こるかというと、機内のエアコンが作動せず、蒸し風呂状態の暑さ!これはたまらん。めちゃくちゃ蒸し暑い。

 

 そんな機内に25分も放置されて乗客・乗務員が汗みどろになって発狂しそうになった15:15、ついにエンジンがかかり、プロペラが回り始めました。それまで、機内は平穏そのもの。みんな我慢強いなあ……

 

f:id:mainichigaharu:20200209231035j:plain▲フィンランド湾上空を絶賛飛行中。

 

 両方のプロペラが回転するや、15:17にすぐにタキシングを始め、15:28にRWY08から離陸。いったん離陸してしまえば、ヘルシンキはフィンランド湾を越えてすぐなので、効き始めたエアコンの冷気が機内に行き渡る間もなく、ヘルシンキ・ヴァンター空港にファイナルアプローチ。はやっ。

 

 そしてAY1020便は、15:45、RWY04Lに着陸し、15:52にスポットイン。この日の飛行時間は27分、到着は27分の遅れでした。飛行した分が丸々遅れになったのね……

 

 半時間ばかり乗継時間が減ってしまいましたが、1時間半あるのでまあなんとかなるでしょう。次は17:25発のJAL414便へ乗り継ぎます!

 

f:id:mainichigaharu:20200209231040j:plain▲ヘルシンキ・ヴァンター空港の西に広がる街並みを見ながらファイナルアプローチ。