夏の津軽は「あけぼの」で⑨(「つがる」と「日本海」)
2005年7月18日(月)、海の日、青森最終日。
蔦温泉のもう一つの楽しみは、ブナの原生林の中の沼めぐりです。
蔦温泉の周囲には蔦沼、鏡沼、月沼、長沼、菅沼、瓢箪沼という沼が点在していて、これらを結んで遊歩道が整備されており、このあたりの森をめぐるためのビジターセンターも旅館のすぐそばに設けられています。すべての沼を見られる一周コースでも一時間ちょっとで歩けるので、朝の散歩にもうってつけです。
翌朝も晴れ。暑くなる前に、早起きをして沼めぐりをしてしまいましょう。
旅館から左回りに遊歩道をスタートすると、15分ぐらいで蔦沼に到着します。このあたりではいちばん大きな沼です。とても、静かです。濃く茂った木々があたりを厚く覆い、沼のところだけぽっかりと水面を輝かせています。
▲蔦沼がしずかにしずかにたたずむ朝。
緑はどこまでも濃く。
ブナの原生林が覆い被さるように。
朝露を集めて小さな渓流が。
蔦沼のほとりでひと息ついたあと歩を進めます。階段状の坂道をしばらく上り、少し高みに出てから小さな鏡沼や月沼を眺めながら30分ばかり進むと、長沼です。沼めぐりの遊歩道のちょうど真ん中あたりに来たことになります。正確な名前の由来はわからないけれど、とても奥行きが深く長いので長沼というのでしょう。まさに原生林と呼ぶにふさわしい樹木が周囲にかぶさるように茂り、水はどこまでも透き通っています。
沼の底がどこまでも見通せる。
▲奥行きの深い長沼。
最後に菅沼、瓢箪沼の脇を抜けてぐるりと沼めぐりを終えると、旅館の西館と売店の間に出ます。ああ、ほんっとに気持ちのいい散歩だった。空気がきれいでおいしいということが身にしみてわかる一時間ちょっとでした。
西館一階にあるお食事処で朝食。大きくて立派なスジコが付くのが青森らしいですが、僕はスジコが苦手なもので、もったいないとは思いつつスジコは手つかずのままに。それ以外のおかずで、朝からがんがんいっちゃいます、おかわりおかわりおかわり~。
朝食のあとはひとっ風呂。誰もいない泉響の湯をまたも独り占めして朝風呂をとっくりと楽しみました。入れば入るほど、お湯が体になじんできます。ああほんとうにいいお湯だ。
青森へカエル。
青森駅前に戻ってきて、いったん実家に荷物を取りに帰り、いよいよ休暇も終わりに近づき、東京への帰路へ付かねばなりません。
午後4時半、青森駅の4番線ホームへ下りてみると、4002レ寝台特急「日本海2号」がちょうど入線したろころ。この時期、午後4時半と言えばまだまだ昼間と同じ明るさ。こんなに明るい時間から寝台特急に乗って旅に出たらなんだか楽しいだろうなと思いながら眺めていると、この日の大阪への牽引を受け持つEF81-101機が単独で近づいてきて、静かに先頭に連結されました。昔ながらのサーモンピンク(ローズピンクって言うんですか?)が嬉しいです。こちらの発車は16:45です。
▲青森16:45発大阪行き「日本海2号」。
牽引担当はEF81-101。
ローズピンクにHMが映えます。
「日本海」を眺めてばかりいるわけにはいきません。
16:43、2番線に弘前からの26M特急「つがる26号」が到着しました。16:50発の八戸行きです。これに乗って、東京へ向けて出発です。八戸で「はやて」に乗り継いで、青森よりもはるかに蒸し暑いであろう東京に着くのは夜9時過ぎです。
16:43、2番線に弘前からの26M特急「つがる26号」が到着しました。16:50発の八戸行きです。これに乗って、東京へ向けて出発です。八戸で「はやて」に乗り継いで、青森よりもはるかに蒸し暑いであろう東京に着くのは夜9時過ぎです。
この日の「つがる26号」は国鉄色485系。これまた嬉しいじゃないですか。ヘッドマークもLED表示なんかじゃないばっちり絵柄です。夕食は、八戸で大好きな「小唄寿司」を買う予定。まずは「つがる26号」で名残のむつ湾を眺めていくことにします。