厳冬の青森へ雪かき帰省(その8;蔦温泉旅館の朝)
▲ズンドウ丸ポストも深い雪の中(蔦温泉旅館玄関前)。
2012年1月29日、ポストも埋もれる蔦温泉。
蔦沼への雪中行軍から無事生還した我々は、かんじき、長靴などの装備を解いて、いったん部屋に戻って出発の支度を調えます。ほんの小一時間のショートトリップでしたが、深い雪道を歩くのはなかなか難儀で、みなさん汗ばんでしまったようです。
南八甲田に位置する一軒宿蔦温泉旅館も深い雪の中です。ここには1147年(久安3年)には既に湯治小屋があったと伝えられる蔦温泉。1909年(明治42年)に共同管理の湯治場から旅館へと形を変えて今に至ります。建物としていちばん古いのは今回も泊まった本館で1918年(大正7年)築。本館から約60段の階段を上った上にあるのが1960年(昭和35年)築。そして各部屋トイレ、洗面所付きの西館は1988年築です。
蔦温泉旅館に無事生還。
中央奥が「泉響の湯」。
この季節は、足を確保するための除雪がたいへんです。蔦温泉旅館の玄関先から国道へ出る道までをしっかり除雪しないと、しんしんと降る雪に降り込められてしまいます。旅館が自前のブルドーザーなどの重機を保有して、まだ明けぬうちから除雪をしなければなりません。我々が目が覚めた頃には、玄関先の雪はきれいに片付けられていますが、ふと脇に目をやると、降り積もった雪は自動車の屋根よりはるかに上まで積もっています。この季節にこの場所で旅館の通年営業をする苦労は並大抵のものではないでしょう。
すごい積雪。
玄関先。
なんとも趣ある看板。
西館脇には売店旨があり、その前がJR東北バスの蔦温泉バス停になっています。冬季ダイヤでは、前日の十和田湖発蔦温泉行き「みずうみ751号」が17:50に蔦温泉に到着してナイトステイします。運転手さんも蔦温泉で一泊です。そして翌朝09:20発の十和田湖行き「みずうみ750号」として出発していきます。我々が蔦沼から戻ってきたときには運転手さんが車両の整備を終えて出発準備が整っていました。東北新幹線全線開業時に投入された「はやぶさ」カラーの車両ですね。
「はやぶさ」カラーの新車。