毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

雪の蔦沼

イメージ 1 ▲初めて訪れた真冬の蔦沼は雪が降りしきり、荘厳で幻想的。

 昨日(5日)の夜、10日間の一時帰国から北京へ戻ってきました。

 今回は帰国中のほとんどを青森で過ごしたのですが、ちょうど猛烈な寒波と大雪の時機に当たり、実家にいる間じゅう、雪かき雪下ろし雪運びで多くの時間を費やし、体も腰痛やら筋肉痛やらでボロボロです(笑)。特に、普段誰も住んでいない僕の実家は、しばらく前に業者に頼んで雪下ろしや雪片付けをしてもらったのにもう再びすっぽりと雪に埋まり、屋根の雪の重みで家の中の襖がまた開かなくなっていたり、元栓を閉めておいたにも拘わらずすべての水道管が凍結していて、台所や洗面台の蛇口やトイレから水が出るようになるまで2時間ぐらい要してしまうほどでした。

 そんな中、ちょっと気晴らしにと思い、1月28、29日と、南八甲田の蔦温泉へ行ってきました。十和田湖温泉郷から奥入瀬川を渡って十和田湖へ向かう国道102号線と分かれ、国道103号線を少し北上したところにある蔦温泉。宿は蔦温泉旅館一軒だけで、深い雪に埋もれながらも通年営業。

 周囲は十和田樹海と呼ばれるブナの原生林で、新緑、深緑や紅葉の季節なら、蔦沼など「蔦の七沼」をめぐる小一時間の散策路を歩くと最高に気持ちよいです。蔦沼は吉永小百合さんを起用したJR東日本「大人の休日」のポスターでもたびたび紹介され、このブログでもこの散策路は時々登場しています。

 今回訪れたときのことはいずれ詳しくレポートしますが、今回初めて知ったのは、「蔦の七沼」めぐりはこんなに雪深い冬でもできるということ。さすがに全行程を歩く人は少ないらしいですが、宿からいちばん近い蔦沼までは普通に行けるとのこと。宿で長靴と長靴カバー(ゲーターっていうんですか?)、かんじき、ストックを無料で貸してくれるので、これらを装着すれば細い雪道も問題ナシ。蔦沼までならかんじきを装着せず長靴だけでも十分行けます。

 そうして初めて見た真冬の蔦沼。水面のほとんどは凍結して雪が降り込め、沼を囲むブナも枯れ木に雪を抱いて、なんとも荘厳で幻想的。雪中行軍して歩いて見に行ったかいありです。雪が降りしきるのも忘れて、しばし立ち尽くすようにこの風景に見入ってしまいました。

イメージ 2 ▲雪深い真冬でも温泉に浸かれる蔦温泉旅館。正面は1918年(大正7年)築の本館がそのまま現役。