毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

夏の津軽は「あけぼの」で①(いきなり乗り遅れ)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111251.jpg寝台特急「あけぼの」(青森駅にて)。


 2005年7月14日(木)夜9時半過ぎ、都内某所の職場。

 2005年7月18日(月)は「海の日」で土日月と三連休なので、15日(金)に休みをとって、木曜日の夜行で東京を出発し帰省することにしました。

 乗りたい列車は上野発21:45の寝台特急「あけぼの」。
 しかーし。
 職場を出る間際になって仕事が立て込み、とても「あけぼの」には間に合いそうになくなってしまいました。こりゃイカン!
 職場からは上野駅よりは東京駅のほうが近いので、とにかく仕事をやっつけて、周りの同僚たちに「ごめんね、ごめんね、あとはよろしくねーん」と押しつけてダッシュ!これを逃すともはやこれまでという東京駅22:04発の「あさま533号」に転がり込みます。こんな形で下りの「あさま」に初乗車とは情けない。なんとか空席を見つけて座りましたが、「あさま533号」は長野新幹線の最終なので自由席はほぼ満席。

 大宮を出ると次の停車駅は高崎。たった50分で高崎までやってきました。ここで「あけぼの」を迎え撃つつもり。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111256.jpg なぜか高崎。こんなはずでは。

 この日の仕事は非常に忙しく、夕食をとる時間もありませんでした。まだ何も食べていません。しかし時間が時間だけに高崎駅改札内売店もすでに店じまい。「あけぼの」の高崎発は23:18でまだ20分ちょっと時間があるので、本来は途中下車はできない「青森往復きっぷ」を使っていたのですが、改札口の駅員さんに頼んで外のコンビニに行かせてもらおうとしました。ところが、駅員さんは切符をじっと睨み、「23時までだったらいいですよ。23時までに必ず戻ってきてください」と言いました。23時までって、あと5、6分しかないやん。コンビニがどこにあるかもわからないのに5分で戻ってくる自信はなかったので、どうして23時まででなければならないのか訝しくは思ったものの、もともとこの切符で高崎駅をうろうろしていてはいけないのですから、ぐっとこらえて外へ出るのはあきらめました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111305.jpg ああ、なぜか高崎駅

 高崎駅に停車中の電車は23:10発桐生行き普通列車495M、その向こうは185系間合い運用で走る23:12発横川行き167M。高崎の帰宅輸送で行き交う列車を眺めながら、ホームの自動販売機で買った野菜ジュースをちびちび飲みます。ああ、おなかすいた。昼から何も食べてない……(T_T)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111259.jpg 桐生行きと横川行き。

 やがて23:13、青森行き2021レ寝台特急「あけぼの」がやってきました。牽引するのはEF81-138。高崎では5分停車です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111309.jpg EF81-138に牽かれて入線。

 夕食にありつけないまま高崎を出るなりふて寝し、「あけぼの」で一夜を過ごします。どこで目を覚ましたか今となっては忘れてしまったけれど、夜行列車特有の朝のけだるさの中を秋田から青森へと揺られて行きました。秋田では5分停車の間に駅弁を買いに降りられるし、車販も乗ってきますが、すでに空腹が限界を超えていて何も食べたくなくなっていたので、モーニングコーヒーだけにしました。

 そしてともかく翌朝09:55、定刻に青森に到着です。

 さすがにもう7月、青森もかなりの暑さです。すばらしい快晴で青空が広がり、日陰になっているホームにもじりじりとした暑さがただよっていました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111315.jpg さすがに夏になった青森に到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111319.jpg 牽引機はEF81-138。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111323.jpg EF81-138は青森所属。

 この時間帯は、09:57発の2042M特「かもしか2号」が「あけぼの」と入れ違いに出ていき、10:00発の4095M特「白鳥95号」が函館へ向けて出発してしまえばしばらく列車の出入りがないので、「あけぼの」が長い編成を5番線に横たえている以外はなんだかとてものんびりとした静けさがただよっています。僕も急ぎの用事があるわけではないので、ゆっくりホームを歩いてみます。

 上野から青森まで牽引してきたEF81-138の横顔を見てみると、「青」の札が入っています。この機関車は青森所属の機関車なのですね。上京してまた故郷へ戻ってきたというわけです。
 寝台車のほうの行き先表示幕を見てみると、何両かの表示幕には「青森」の下に「奥羽線経由」という文字もあり、「あけぼの」の往年の活躍を思い出させてくれます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111327.jpg ▲「奥羽線経由」の文字が懐かしい。

 夏になったばかりの青森駅。今回はここから津軽への旅が始まります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818111331.jpg ▲青森の空も夏色です。