毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

大雨で鉄道動かず。(Long Summer Vacation;その5)

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▲人けがないのは朝早いせいかと思ったらJRが動いていなかった。

 

 2018年7月8日、急遽空路に変更。

 

 さいわい、松山市内ではそんなに雨はひどくならず、我が師匠の案内の下、いよてつ横河原線久米駅近くにある日帰り温泉「東道後のそらともり」で汗と脂を流し、「国際ホテル松山」の和食レストラン「吉長」でごちそうになり、一番町の「WHISKY BAR れんが亭」で締めました。「れんが亭」はこの日はママさんが不在でしたが、前回おじゃましたときに英国スコットランド・アイラ島のモルト・ウイスキーがすごくよく揃っていたので、アイラ島に124年ぶりに新設された蒸留所「キルホーマン(Kilchoman)」もあるといいですねとマスターに言ったのですが、そしたらちゃんと「キルホーマン」が揃っていて感激。もちろんそれをいただきました。

 

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▲JR松山駅前の子規句碑「春や昔十五万石の城下哉」。明治28年作。

 

 翌朝は早起きをしてJR松山駅に参上。雨は上がり、薄く青空が顔を覗かせているところもあるぐらい。駅舎に向かって右側にある築山のような場所には、正岡子規が生まれ、俳句の聖地を標榜する松山らしく、子規の句碑がたっています。「春や昔十五万石の城下哉」。1895年(明治28年)、日清戦争の従軍記者として中国へ赴く直前に帰省した松山で、江戸幕府の親藩であることを誇っていた十五万石の城下町も今は昔となってしまったなあと詠んだ句。彫ってあるのは子規の俳句稿「寒山落木」にある子規自筆の文字だそうな。

 

 さて、これから向かうのは八幡浜。06:04発の宇和島行き普通列車913Dで八幡浜まで行って、八幡浜からは久しぶりにフェリーで大分県の臼杵へ渡り、宮崎を目指します。と思って改札口へ行ってみると、なんと、大雨の影響で、予讃線は上りは特急「しおかぜ」を含め全列車が運休、下りは普通列車が伊予市まで運転し、ほかは全列車運休になっているではないかっ!これは想定外。だって松山、天気がよいではないか。いや、前夜「れんが亭」で飲んでいたとき、大洲に住んでる人から写メが送られてきて、大洲一帯が冠水しててたいへんなことになっとるらしいという話題が出ていたではないか。それが愛媛全域的に深刻な被害になっていたとは……

 

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▲松山駅改札口の列車案内。上りは全滅、下りは伊予市までのみ運転。これは困った。

 

 調べてみると、航空便には影響は出ていないらしいので、急遽松山を飛行機で脱出することに決定。09:00発の福岡行きJAL3592便があるので、これに乗るには空港へ行かねば。

 

 時間は朝5時半。松山空港行きのリムジンバスの初便は06:25発なので、1時間弱待たねばなりません。スマホから飛行機を予約し、あとはバス停前のベンチに座ってバスを待ちます。早朝だということと日曜日だということとJRの列車が走っていないということで駅前は人影少なく閑散としていて、妙に静かです。

 

 ようやくバスが来て、松山空港へ移動。空港に着いてもまだ7時前です。売店やレストランもまだほとんど閉まっていて、「うどん処 マドンナ亭」でじゃこ天うどんが食べたくても、もちろんまだ開いていない。ラウンジで時間をつぶすしかないけれど、とにかく松山を脱出できるんだから不平を言ってはいけません。

 

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▲こちらは08:35発の大阪伊丹行きJAL2302便ですね。

 

 松山空港周辺、雨は降ってはいませんが、空の高いところにも低いところにも雲が立ちこめていて、周囲の山々もところどころ稜線が見える程度です。ゲートには、レジJA-224JをつけたJ-AIRのエンブラエル170が入っていて、これが宮崎行きかなと思ったのですが、これは08:35発の大阪伊丹行きJAL2302便のようです。

 

 08:41、同じJ-AIRのエンブラエル170がランディング。福岡からのJAL3591便で、これが折り返しで福岡行きJAL3592便になるんですね。レジはJA-223Jをつけています。雲の低い天候のせいでしょうか、出発便は全体に少しずつ遅れているようで、JAL3591便も、08:52になって、出発が5分遅れの09:05に変更になったとのアナウンスが流れました。

 

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▲福岡からのJAL3591便が08:41に着陸し、タキシングしてきました。

 

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▲このJAL3591便が折り返しで福岡行きJAL3592便になるみたい。

 

 09:03に搭乗して7番K席に着席しますと、09:07にドアクローズ。09:14にプッシュバックが始まると、ここでついに雨が降り始めました。ただ、青空が覗いているところもあるので、降ったり止んだりを繰り返しそうです。

 

 09:18にタキシングを始め、09:22にRWY14から離陸。離陸直後に眼下に重信川を越えますが、水は茶色に濁り、水量もだいぶ増しているように見えます。高度が上がって広く見渡せるようになると、水面が目立ち、もしかすると冠水しているのかもしれません。針路が少し変わって重信川の河口が見えるようになると、注ぎ込む濁流で河口近くの海面は真っ茶色に濁っています。予讃線がほぼ前線で止まっているということは、西の大洲方面や東の今治方面はそうとうな被害が出ているということでしょうか。心配です。

 

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▲離陸直後に越えた重信川の水流は真っ茶色。

 

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▲田んぼなどかなりあちこち冠水しているようにも見えるが気のせいか。

 

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▲重信川の河口付近、濁流が流れ込んで海水も真っ茶色に。

 

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▲いよてつ郡中線古泉(こいずみ)駅、左はショッピングセンター「エミフルMASAKI」。

 

 JAL3592便は、あっという間に福岡に到達し、高度を下げてギアダウンするも、その段階でも周囲は真っ白で下は見えないままです。福岡方面も天気は悪そうです。

 

 ようやく下が見えるようになり、箱崎埠頭あたりを右に見ながら高度を下げ、09:58にRWY16にランディング。松山からの飛行時間は36分でした。10:03に5番ゲートにスポットインし、定刻から13分遅れの到着。福岡空港が着陸機で混雑していたため遅れたとのお詫びアナウンスがありました。とにかく松山を脱出できたのはよかったけれど、このあと宮崎までどう行くか考えなければ。

 

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▲箱崎埠頭を見下ろしながら福岡空港へ。こちらも海が濁っているみたい。

 

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▲真ん中に柱があってすんまそん。後ろに10:00発のヘルシンキ行きAY076便が見えてますね。