毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

平成最後の十和田の桜(その3)

イメージ 1 ▲三沢発東京羽田行きJAL156便は新型機のエンブラエルERJ-190での運航。

 2019年4月29日、米軍訓練中。

 最後に青森県立三本木農業高校ですばらしい桜を見て、大満足の十和田市トリップを終え、三沢空港へやってきました。

 これから乗るのは15:35発の東京羽田行きJAL156便。15:05に東京羽田から到着するJAL157便が折り返すスケジュールとなっていますが、羽田の出発が少々遅れたらしく、三沢には15:18に着陸し15:21にスポットインしました。そのため、折り返しのJAL156便も出発が20分遅れの15:55に変更になりました。

イメージ 2 ▲到着したJAL157便。後ろに米軍施設・区域と国交省管轄民航エリアを分ける可動柵が見えますね。

 この日の機材は、レジJA-249Jをつけた新型機エンブラエルERJ-190、95人乗りです。前5列が1×2列のクラスJ席になっていて、僕は15:48に最後から2人めに搭乗し、2番A席に着席。一人がけシートなので隣席を気にかける必要がなく、リラックスして行けます。

 結局、当初予定ほど遅れずに済み、15:50にドアクローズとなり、15:56にプッシュバック。GWだからなのか、小さなターミナルビルの屋上展望デッキには見送りの手を振る人たちもけっこう見えている中を、16:01にタキシングを始め、開いた可動柵のところから米軍施設・区域エリアに出て、滑走路へと向かいます。

イメージ 3 ▲グランドハンドリングさんに見送られてタキシング開始。展望デッキにもお見送りがたくさんいますね。

イメージ 4 ▲可動柵部分を越えて米軍施設・区域エリアに出ました。

 三沢空港は、可動策で仕切られた国交省管轄エリア以外は、米軍が日米地位協定第3条に基づいて管理する米軍施設・区域で、日本の航空自衛隊が三沢基地として共同使用しており、管制は航空自衛隊航空支援集団航空保安管制群三沢管制隊が行っています。三沢空港は長い間、米軍、自衛隊、国交省(民航)の三者が共同使用している日本で唯一の空港だったんですが、岩国飛行場の滑走路の沖合施設工事が完成したのを機に民航機が就航したことで、岩国空港も三者共用の空港となりました。

 左の機窓からは、米軍の建物や掩体、関連施設などがたくさんあり、その前に駐機している米軍機もよく見えます。B737型機の形によく似た「NAVY」の文字が入った航空機は、確かにB737からの改造機で、対潜哨戒機「P-8A ポセイドン」です。

イメージ 5 ▲米海軍の対潜哨戒機「P-8A ポセイドン」が2機並んで駐機中。

 RWY10エンドまで来ましたが、ここで離発着機待ち。この日は、日本は「昭和の日」で休日ですが、米軍にとってはただの月曜日なのか、飛行訓練が普通に行われているようで、米軍第35戦闘航空団第35運用群所属の戦闘機F-16CJ/DJがガンガン離発着してます。機内にいてもかなりの騒音です。ゴーアラウンドをかけているようです。これが一段落しないと、こちらは滑走路に入れないってわけですね。

イメージ 7 ▲RWY10エンドの南側に駐機中のF-16CJ/DJが2機。

イメージ 8 ▲北側には4機。

イメージ 6 ▲ゴーアラウンド訓練中のが爆音とともに下りてきました。

 訓練中のF-16CJ/DJが一段落して、ようやくこちらが離陸する番。16:09にRWY10から東へ向けて離陸しました。

 東へ向けて離陸すると、眼下にはすぐに太平洋が広がります。下北半島東岸を形成する海岸線はすらりと延びる美しい直線です。

 そのあとJAL156便は右にカーブし、左に海岸線と太平洋を見ながら南下を始めると、左前方には八戸市の市街地の広がりが見えてきます。いやあ、さすが八戸市と言うべきか、青森市なんかよりはるかに立派な港湾都市です。八戸市は、同じ南部藩だった三戸町・五戸町・田子町・南部町・階上町・新郷村・おいらせ町と合わせた8市町村で形成する総人口約33万人の「八戸圏域」の中心都市で、昨年は青森市とともに「中枢中核都市」に選ばれ、今年1月には「中枢中核都市」への移行式を行ったばかり。こうして上空から見ると、この新しい圏域の広がりがわかるような気がします。

イメージ 9 ▲離陸してすぐ、下北半島へつづく海岸線を跨いで太平洋上に出ます。

イメージ 10 ▲太平洋上で右へターンし南下を始めると、左前方に八戸市が見えてきます。

イメージ 11 ▲県南東部8市町村で形成する「八戸圏域」の中心都市・八戸市は「中枢中核都市」にも選ばれました。

 八戸市街地が後方に去ると太平洋も見えなくなり、内陸上空の飛行になります。岩手県、ほんとに山がちです。特に、三陸海岸と、一戸、二戸、盛岡など内陸の旧東北本線、東北新幹線沿いとの間は、ひたすら山山山という感じです。山間部にぽつんぽつんと集落が見えるという感じでしょうか。
 
 雪谷川が町内を蛇行して流れる軽米町や葛巻町など、自分にはなじみのある場所を見下ろしながら飛んでいくと、ダム湖のような水面も見えました。これは「岩洞湖(がんどうこ)」。盛岡市の北東のはずれあたりになりますか。昭和30年代に農業振興を目的とする国と発電を目的とする岩手県企業局とが共同で造成した人造湖だそうで、「岩洞ダム」の管制は昭和35年のこと。岩洞第一・第二発電所があって発電を行うほか、4月から9月までは発電に使用した水を岩手山麓地区約1,600haの水田に送って農業用水としても使用しているとか。冬はワカサギの氷上釣りのメッカだそうですよ。

イメージ 12 ▲軽米町の中心部でしょうか。蛇行して流れているのは雪谷川。

イメージ 13 ▲葛巻町の南に広がる、稼働が始まったばかりの「くずまき第二風力発電所」でしょうか。

イメージ 14 ▲盛岡市の中心部から北東へ約40kmの「岩洞湖」。

 すばらしく晴れ渡っていた東北地方の空ですが、離陸後25分ほど経つと、前方から雲が迫ってきました。眼下には蛇行しながら太平洋に注ぎ込んでいる阿武隈川の河口が見えていて、阿武隈川の北(左)は岩沼市、南(右)は亘理町ですが、このあたりを越えると、眼下はすっぽり雲に覆われてしまいました。

 そのまま雲上飛行が続き、やがて着陸態勢になって高度が下がり始め、雲の下に出てみれば東京はどんより曇り。17:17にRWY23に着陸し、10分近くタキシングして、33番スポットに沖停めとなりました。スポットインは17:26で、定刻より30分弱の遅れ。予定していた北千住駅行き17:10発のバスには間に合わなかったので、その次の17:50発のバスで帰路につきました。

イメージ 15 ▲阿武隈川の河口付近。前方には雲が近づいていて、このあとは雲上飛行に。

イメージ 16 ▲どんより曇りの羽田空港に到着。沖停めになってしまいました。