毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

フィンエアー・ラウンジでまったり(二たびエストニア;その5)

イメージ 2 ▲シェンゲン協定エリアのフィンエアー・ラウンジ、フードもドリンクも充実しててたいへん満足。

 2018年1月5日、もう暗い。

 ヘルシンキ・ヴァンター空港は、14時台、15時台が最も混雑するとのことですが、自分でこの時間に実際に着いてみるとこれがよく実感できます。日本や中国などアジア発の便がこの時間帯に続々と到着するからでしょうか、僕が北京から乗ってきたAY086便もそうですが、飛行機を降りた乗客たちの大半は、ヘルシンキで降りるのではなく、さらに乗り継いでどこかへ向かうトランジット客で、したがって乗り継ぎ客専用のセキュリティチェックと入国審査のエリアは人であふれ、長蛇の列が何度も折り返しのつづら折りを繰り返して、ここを突破するのにはかなりの時間を要します。

 辛抱強くこらえてここを突破してしまえば、その向こうはシェンゲン協定エリア。フィンランドの国内線はもちろん、パスポートコントロールが不要なシェンゲン協定締約国への国際線フライトも発着します。僕が次に乗る16:25発のタリン行きAY1023便も、シェンゲン協定エリアの方にある19A番ゲートからの出発です。

イメージ 1 ▲フィンエアー・ラウンジでまったり過ごします。

 シェンゲン協定エリアの23番ゲート近くの階上にフィンエアー・ラウンジがあるので、ワンワールド・アライアンスのステイタスを活用して、出発までここで過ごします。緯度が高いだけに、午後3時になったかならないかの時間なのに、外はもうかなり暗くなってきました。

 前回も立ち寄りましたが、フィンエアー・ラウンジはおいしい食べ物が充実していてたいへんありがたい。今回は、まずワイングラスに赤ワインをどぼどぼと。それから前回は、こんなものがあるのかと驚いたデーツとカシューナッツのスムージーがあったので内心楽しみにしていましたが、今回はそれはなく、ピスタチオのスムージーでした。そしてシナモンパンケーキ、素焼きのハンバーグ、ポテトサラダ。さらにボルシチのような野菜スープに、黒パンのサンドイッチ。これはかなり腹いっぱいになりまして、満足であります。

イメージ 3 ▲ピスタチオのスムージーに、シナモンパンケーキ、ハンバーグ、ポテトサラダ。

イメージ 4 ▲ボルシチのような具だくさんスープに、黒パンのサンドイッチ。

 あまりまったりしていると乗り遅れるので、ほどよいタイミングで19A番ゲートへと前進。まだ午後4時だというのに、外はもうほぼ真っ暗です。

 19A番ゲートからはバスでの搭乗になります。バスは早々に来て、乗ったはいいが、なかなか発車しない。なぜ発車しないかの説明もない。ただぼーっと待たされて、そしたらようやくアジア人の団体グループみたいなのがどやどやとやってきてバスに乗り込み、ようやく発車。この人々を待っていたのか!なんて迷惑な人たち~~。

 そんなわけで出発時刻を過ぎた16:30にようやく搭乗。昨夏同様、機材はATR-72。この日のレジはOH-ATHをつけています。今回もまた、後ろの扉から搭乗します。日はとっくに暮れ、夕方4時半でこの暗さ。高緯度地方に来てるんだなあという気になってきました。

 僕は8番A席に着席しましたが、今回も機内はほぼ満席。冬でもエストニアに観光に行く人多いのかなあ?

イメージ 5 ▲とっぷりと暮れた夜空の中に浮かび上がる尾翼を見ながら後ろ扉から搭乗。

 ふと気がつくと、バックしてる。あれ、おかしいな。トーイングカーはついていなかったので、自力で前へ進んでぐるっと回って方向転換してタキシングを始めるもんだと思っていたのに、プッシュバックのときと同じようにまっすぐ後ろに下がっていってますね。なぜ?

 あとで知ったことには、飛行機というものは、エンジンを逆噴射させたりプロペラを逆回転させたりすることで自力でバックする「パワーバック」というワザができるんだそうな。ただ、それをやると、前に進むより燃料を食うし、飛行機のすぐ近くにコンテナや各種車両が置いてあったりグランドスタッフがいたりして、そんなところでエンジンをハイパワーで稼働するとたいへん危険なので、多くの場合、パワーバックは禁止されています。

 しかし、プロペラ機の場合はジェット機と比べて危険性が低いせいもあるのか、ヴァンター空港ではATR-72はパワーバックが認められているのですね。ただし、プロペラを逆回転させているのではなく、プロペラの羽根のピッチを変えることで後ろ向きの推力を生じさせる仕組み(リバースピッチ)なのだそうです。

 そんなわけで、このATR-72は自力でバックし、自力でタキシングを始め、16:42にRWY15から離陸。外はもうまっ暗いし、すぐに雲上飛行になったので、機窓の景色はほとんど望めません。フィンランド湾をわたって、17:04にタリン空港RWY08にランディング。飛行時間は22分でした。17:09にスポットインして、後ろのドアから降機し徒歩でターミナルビルへ移動。タリンでも小雨が降っていますが、予想していたほどは寒くないです。

イメージ 6 ▲小雨降るタリン空港に到着したAY1023便。後ろから降りるのは前方は荷物搭載室になってるから。