毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ロシア正教のクリスマス・イブをタリンにて。(二たびエストニア;その6)

イメージ 1 ▲タリンで偶然にもロシア正教のクリスマスを過ごすことができてラッキー。ラエコヤ広場にぎわってます。

 2018年1月6日、意外に暖かい。

 1月5日にタリン入りして、翌6日は土曜日。出張で来ているので土日も仕事はいたしますが、そうは言っても来たばかりの土曜日なのでそれほど根を詰めてするほどの仕事はなく、聞けばタリンの旧市街の中心にあるラエコヤ広場でクリスマス・マーケットが立っているというので、もう午後3時過ぎから暗いけれども夕方になるまで待って、みんなで繰り出してみることに。

 え、でも、どうして1月なのに「クリスマス・マーケット」?

イメージ 2 ▲旧市庁舎の尖塔が立つラエコヤ広場は小雨模様にも拘わらず絶賛クリスマス・マーケット中。

 長く帝政ロシアやソ連の占領下に置かれていたという歴史を有するエストニアでは、今も国民の25%はロシア系で、タリン市に限定して言えば市民の四割近くがロシア系です。

 そして、今回初めて知ったのですが、ロシア正教ではユリウス暦を採用していることから、クリスマスは1月7日なんだそうです!なので、この日1月6日はクリスマス・イブなんですね!この日に合わせて、ロシア系の多いタリンでは、観光の中心と言える旧市街の真ん中のラエコヤ広場にクリスマス・マーケットが立ち、そこへロシアからも大勢の観光客がやってくるというわけです。

イメージ 3 ▲エストニア特産木工製品や織布製品などの店がクリスマスツリーを中心に軒を並べています。

 クリスマス・マーケットはクリスマス期間中は数日間にわたって開かれるのでしょうが、特にイブの晩は、広場に設けられたステージでさまざまなイベントが開かれています。歌やダンスのステージものが多い感じだったかな。MCとか全部ロシア語なので中身はまったくわかりませんが、とにかくにぎやかです。

 ステージの前、広場の中心には、大きなクリスマスツリーが飾られてイルミネーションが輝いています。ロシアではクリスマスツリーのことを「ヨールカ(ёлка)」といい、クリスマスが過ぎたあとも片付けず、新年を迎えるまで飾られるものなのだそうです。

 残念ながら小雨そぼ降るあいにくのお天気でしたが、我々も、マーケットに出ているショップでシナモン、カルダモン、生姜、レーズンなどを加えて作る「グロッギ」というホットワインやソーセージなどを買い求め、美味しく暖まりながら、ステージで繰り広げられるイベントで盛り上がるロシア正教のクリスマスのにぎわいを楽しむことができました。「グロッギ」、とても温まりました。

イメージ 4 ▲ソーセージやポテトやザワークラウトを肴に「グロッギ」でイブの夜は更けたのだ。

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                ▲「ヨールカ(ёлка)」。このまま年越しまで飾っておくのかしら?

 さて、去年の夏に来たときは、新市街の「Radisson Blu Sky Hotel Tallinn」に泊まりましたが、今回は最初の数日間は、旧市街の中にある「My City Hotel」に泊まりました。

 このホテルは、旧市街の古い街並みの中に位置しているだけあって、白壁のとても良い雰囲気の5階建ての建物。ソ連統治時代の1950年代に建てられ、ソ連海軍の司令部として使われたため、建物のファサード部分には今も赤い星が飾られたままになっています。軍事施設であったので長く市民がこの建物に入ることはできませんでしたが、大規模な改修を行い、2001年に全67室のホテルとして生まれ変わりました。

 僕がこのホテルをすごく気に入ったのは、これはたまたまなんですが、最上階の5階の部屋を割り振られたところ、5階の部屋は「屋根裏部屋(attic room)」仕様になっていて、部屋の天井が斜めになっていていちばん高いところは吹き抜けのように2階ぶんぐらいあり、しかも斜めになっている天井の途中に小窓もついていて、まさに屋根裏の隠し部屋に住んでいるような気分になれるんです。こんな屋根裏部屋に泊まれたことで、今回のタリン訪問はますます楽しくなりました!

イメージ 6 ▲今回泊まった「My City Hotel」の5階の部屋は屋根裏部屋仕様。

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                ▲斜めになった屋根部分に小窓がついているのもいい感じ。