毎日ヶ原新聞

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日本海上空からでも見える富士山(2017年月イチ日本・10月編;その12)

イメージ 1 ▲日本海上空を飛ぶ青森発伊丹行きの機内からも富士山が見えるんです。手前は立山連峰。

 2017年10月5日、TODOFUKEN SEAL。

 ところで、JAL国内線では客室乗務員さんが出身やゆかりの都道府県バッジをつけて、都道府県名の千社札をくれるというサービスを展開していましたが、このサービスが今回の搭乗日の2日前、2017年10月3日から、その都道府県の風景がデザインされた「JAL TODOFUKEN SEAL」に変わったというのです。

 今回乗ったJAL2154便の前方を担当していた客室乗務員さんが珍しく青森県のバッジをつけていたので(僕が出会った青森県バッジの乗務員さんは2人目。)、「あっ、青森ですか!かなりめずらしいですね!」と声をかけたところ、本当に青森の出身だということで、そこから話が始まって、乗務員さんの方から、千社札が都道府県シールに変わったという紹介があり、さっそく青森県シールをいただきました。青森県シールには、下北半島で放牧されている寒立馬と尻屋崎灯台がデザインされているのですが、この客室乗務員さんの説明がおもしろかった。「よりにもよって寒立馬ですよ!他にも青森を代表するものがあるでしょうに、よりにもよって寒立馬!これ作った人、よくもまあこんなマイナーなものを知ってたなって。だって寒立馬ですよ!」(笑)。まあ確かに、青森と聞いてまず最初に寒立馬を思い浮かべる人はまずいない。そういう意味ではかなりレアなデザインのシールと言えますが。ちなみにこの寒立馬の客室乗務員さんは音楽ユニット「moumoon」のYUKAさんに似ていたことを申し添えます。

イメージ 13 ▲千社札から「都道府県シール」に変わって、石川の千里浜はいいとして、青森はなぜに寒立馬?

 さて、JAL2154便の方は巡航高度2万フィートで順調に飛行中。富山県沖を飛行中のようですが、驚いたことに、日本海上空を飛んでいるのに、富士山が見えるんですね!

 JAL2154便は、ちょうど糸魚川市の沖を飛行中。いつもはなかなかその全貌を見せない立山連峰、後立山連峰が頂上の両線までくっきりと見えているのが素晴らしいですが、その向こうのいちばん奥に目を凝らしてみると、日本人ならば見慣れた形をした山の頂上部分がちょこんと顔を出しているのが見えるではないか。もしやあれは富士山か。いやいや、ここは富山県沖の日本海の上、いくらなんでも太平洋側にある富士山が見えるわけがなかろう。しかし、見れば見るほど、形は富士山。

 富士山が見える最も遠い場所は、和歌山県那智勝浦町にある標高約900mの色川富士見峠だそうで、富士山との距離は約323km。富山県沖から富士山までは直線距離で200kmちょっとというところでしょうか、しかも高度は20,000フィート(約6,100m)。であれば、やっぱり見えるんですね、富士山が。日本海に立山連峰に富士山。スゴイ風景じゃん。

イメージ 2 ▲真ん中あたりの山と山の切れ目みたいなとこの海岸近くには能生駅。そのずーーーっと奥に富士山が。

イメージ 3 ▲手前には立山連峰のくっきりとした稜線。左奥に富士山。あれはやっぱり富士山だ。

 それにしても、富山県上空もmごとに晴れ渡っていて、眼下にはパノラマ模型のようにくっきりと富山市内の様子が見て取れます。

 鉄道で言えばあいの風とやま鉄道の越中宮崎~泊間で山地が途切れ、そこから西にはなんともみごとな黒部川扇状地が広がります。扇状地は必ずしも扇を開いた形をしているとは限りませんが、この黒部川扇状地は実にきれいな扇形をしていて、等高線も一定間隔でほぼ円形に描けるのが特徴です。この扇状地の中には、黒部市、入善町、朝日町が含まれます。 

 黒部川扇状地から続くのは、富山湾の最も奥まったところに広がる富山平野。東の常願寺川と西の神通川にはさまれたエリアに富山市の中心地が広がっています。そのあたりをズームすると、富山駅の新幹線ホームの長い屋根やその周辺の建物群がよく見えます。神通川の河畔にある富山空港の滑走路もしっかり見えています。富山県を東西に分ける呉羽丘陵もその形がよくわかり、呉羽丘陵の西側の呉西平野、射水市の太閤山ランドなども見えてきました。

イメージ 4 ▲きれいな扇形を見せる黒部川扇状地。

イメージ 5 ▲中央に富山市の中心部。川は神通川。

イメージ 6 ▲富山駅周辺にズーム!新幹線ホームの長い屋根もよーく見えます。

イメージ 7 ▲神通川の土手にある富山空港。滑走路はRWY02/20。

イメージ 8 ▲中央の緑地帯みたいなのが呉羽丘陵。ここを境に富山県は東西に分かれているらしい(言葉とか文化とか。)。

 その後は、能登半島の根元を横切り、福井県の海岸線に沿うように飛び、若狭湾上空へとやってきました。若狭湾の東端の入り江である敦賀湾のいちばん奥まったとこには敦賀市の市街地が広がっています。その南の深坂越えの山々の向こうには、琵琶湖が広がっているのも見えます。

 それにしても若狭地方もくっきりと晴れ、敦賀市中心部も手に取るようによく見えます。野坂岳、岩籠山とともに敦賀三山を構成する標高764mの西方ヶ岳を主峰とする敦賀半島をはさんで西側の湾に面しているのは、福井県三方郡美浜町の東部、太田地区。いい海水浴場がありそうですねー。

 美浜町の西には、若狭湾国定公園の一部に指定されている「三方五湖」の5つの湖が点在しているのもよく見えます。「三方五湖」はラムサール条約指定湿地にもなっているそうです。南から順に「三方湖」、「菅湖(すがこ)」、「水月湖」「久々子湖(くぐしこ)」、「日向湖(ひるがこ)」で、「三方湖」は淡水湖、「日向湖」は海水湖、それ以外は汽水湖です。

イメージ 9 ▲敦賀湾の奥に敦賀市の中心地が広がり、その向こうには琵琶湖も見えてます。

イメージ 10 ▲敦賀市の街の広がり。

イメージ 11 ▲美浜町東部太田地区。中央奥にはJR小浜線東美浜駅があります。

イメージ 12 ▲若狭湾国定公園に指定されている「三方五湖」。