毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ダンブッラの石窟寺院(念願かなってセイロンティーの旅;その12)

イメージ 1 ▲ダンブッラの石窟寺院第1窟に横たわる涅槃仏の足の裏。

 2017年4月22日、ハダシで参拝。

 スリランカは敬虔な仏教徒が多いので、仏教関連の寺院などを見学するときは、裸足にならなければなりません。ダンブッラの石窟寺院でも、入口の前に有料の靴預かり所があり、ここで靴と靴下を脱ぎます。そうすると、地面は岩や石なので、熱いです。日陰を探して歩かないと足の裏をやけどしそうです。真夏でなくてよかった。というか、真夏だったらとても歩けないと思う。

イメージ 7 ▲第1窟の入口。

 天から覆い被さるような巨岩の庇のようになったくぼみに石窟寺院が並んでおり、主な寺院は5つ。手前から第1窟、第2窟というふうに並んでいます。

 紀元前3世紀には既にここに僧院があったそうですが、紀元前1世紀になって、南インドのタミル人による攻撃で都アヌラーダプラから追放されたたシンハラ王朝第19代国王ワッタガーマニー・アバヤは、ここダンブッラで保護されて身を潜め、15年後にアヌラーダプラの奪還に成功。王は仏教僧たちに助けられたことを感謝し、この洞窟を仏教寺院として整備したのだとか。以来、20世紀に至るまで石窟は作り続けられましたが、その中心をなすのは5つの石窟で、その大部分はアヌラーダプラ時代(紀元前1世紀~993年)とポロンナルワ時代(1073年~1250年)に建設されたそうです。

イメージ 6 ▲第1窟には、窟の中いっぱいに全長14mの涅槃仏が横たわっていました。

イメージ 5 ▲入滅直後なのか、まだ目を開いておられます。

 第1窟は「デーヴァ・ラージャ・ヴィハーラ(神々の王の寺院)」と呼ばれ、中に入ると、窟の端から端までいっぱいに、全長14mに及ぶ涅槃仏が横たわっていて、圧巻。横たわった仏様の左右の足指がそろっていれば眠っているのであって、そろっていないのが涅槃仏なのだそうですが、確かにこの巨大な仏像の足指は少しずれています。

 足の裏を赤く塗るのはスリランカならではの特徴だそうで、シンハラ王朝の開祖ヴィジャヤ王がインドからスリランカに渡って来た時、踏みしめたスリランカの大地が余りに熱くて足の裏が赤くなったとも、スリランカの赤土を踏みしめたからとも。壁一面には壁画が描かれ、涅槃仏の足元には弟子アナンダの像、枕元にはヴィシュヌ像があります。

イメージ 2 ▲壁一面には壁画が描かれ、右に建っているのはヴィシュヌ像か。

イメージ 3 ▲足下にはこのような座像も一体。

イメージ 4 ▲涅槃物がいかに大きいかがわかります。