毎日ヶ原新聞

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ダンブッラの石窟寺院(第2窟~第4窟)(念願かなってセイロンティーの旅;その13)

イメージ 1 ▲第2窟に安置されている臥仏像。

 2017年4月22日、聖なる水。

 ダンブッラの石窟寺院の第2窟は「マハー・ラージャ・ヴィハーラ(偉大なる王の寺院)」と呼ばれ、「偉大な王」とはもちろんこの寺院を開いたワッタガーマニー・アバヤ王のこと。

 5つの石窟寺院の中ではこの第2窟が最大で、幅52m、奥行は25m、天井は高いところで6mあり、ヒンドゥーの神であるサーマン、ヴィシュヌの像のほか、16体の釈迦の立像と40の釈迦の座像が安置され、壁面や天井にはいっぱいに壁画が描かれています。壁画の色使いはあざやかで、最も美しい窟です。

イメージ 3 ▲第2窟にある寝釈迦の枕元にいるのはサーマン神かヴィシュヌ神か。

イメージ 4 ▲第2窟の中には釈迦の座像が40体並ぶ。

イメージ 6 ▲立像は16体あるとのこと。

 第2窟は本当に広く、四面の壁に沿ってだけではなく、窟の中央部には、パゴダのようなものを座像が取り囲んでいるところもあります。面積2,100平方メートルもある天井画も素晴らしいです。魔神マーラへの釈迦の説法やスリランカの歴史に関係のある内容が描かれているらしい。

 また、天井から水が染み出しているところがあり、この水が天井を伝っているところを小川に見立て、魚を描いた壁画が天井に見られます。そしてこの水がしたたり落ちているところには壺が置かれ、ここに一滴また一滴とその水がたまっています。この窟ができたときからこの水滴は落ちているのでしょうか。壺にたまった水は「聖なる水」として使われるそうです。

イメージ 2 ▲天井から染み出す水の伝う流れには泳ぐ魚の壁画が描かれています。

イメージ 5 ▲その水は、一滴また一滴とこの壺に落ち、「聖なる水」として使われるとか。

イメージ 7 ▲広い窟の中にはパゴダのようなものもあります。

イメージ 8 ▲天井画の面積は1,200㎡もあり、鮮やかな色彩で釈迦にまつわる故事などが描かれているとのこと。

 第3窟は「マハー・アルトゥ・ヴィハーラ(偉大なる新しい寺院)」。18世紀、キャンディ国Kirti Sri Rajasinha王の命で造られた比較的新しい寺院。だいぶ天井が低くなってきましたが、この窟にも全長9mもある臥仏像があります。足の指先揃っているので、お眠りになっている寝釈迦ですね。

 第3窟には、仏像が50体と、キャンディ王朝最後の王スリ・ヴィクラマ・ラージャシンハ(Sri Vikrama Rajasinha)の立像が安置されています。

イメージ 10 ▲第3窟にいらっしゃる全長9mの臥仏像。

イメージ 9 ▲第3窟には、キャンディ王朝最後の王スリー・ヴィクラマ・ラージャシンハの像も。

 第4窟は「Pacchima Vihara(パッチマ・ヴィハーラ;3人の王の寺院)」と呼ばれ、キャンディ王朝末期に造られたもの。第5窟は「Devana Alut Vihara(デワナ・アルトゥ・ヴィハーラ;二番目に新しい寺院)」と呼ばれ、1915年に造られたもの。

 第4窟に安置されている仏像は10体ほどでしょうか。中央にパゴダのようなものがありますが、ここには、ダンブッラの石窟寺院を最初に建てたワッタガーマニー・アバヤ王の妃サマワシー(Somawathie)の宝石が納められていたが盗掘に遭ったので今はその宝石はないと信じられているそうです。

イメージ 11 ▲第4窟の内部。中央にはパゴダというかストゥーパが。