毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

香港トラム「ビクトリア・パーク行き」

イメージ 2 ▲何も起きなければまず表示されることはない「Victoria Park 維多利亞公園」の行き先表示。

 9月28日から始まった、香港の学生を中心とする路上座り込みによる抗議運動「セントラル占拠」、もう42日目を迎えています。気温もだいぶ下がり、雨も続き、路上占拠者はテントを張って立てこもっているとは言え、この運動の是非はともかく、病人とか出ないかと心配です。

イメージ 1 ▲MTR太古駅前、イオン・スーパーの前の乗り場です。

 運動開始直後は、香港島内を中心に、公共交通機関が乱れに乱れました。特に、路面電車であるトラムは全線不通の状況がしばらく続きました。

 やがて少しずつ回復し、路上が占拠されている真ん中部分を除いて東側と西側に分けて区間運転を再開し、現在も不通区間を最小限にして、そのような状態が続いています。今日は10月26日に見かけたトラムの様子をご紹介します。

イメージ 4 ▲太古駅前を出発していくトラム。奥の巨大建物が映画「トランスフォーマー」最新作のロケ地。

 このうち、西側運行区間はケネディタウン~ハッピーバレー間で、これは通常でも走っている区間なので、特に変わったところはありません。

 しかし、東側運行区間は、東のはずれの終点がシャウケイワン(筲箕灣)であることに変わりませんが、そこから西へ向かって走ってきて、通常だといちばん近い区間終点はハッピーバレーですが、その手前のコーズウェイベイ(銅鑼灣)のそごうデパート前が占拠で封鎖されているので、ハッピーバレーまで行けません。

イメージ 3 ▲通常だと色分けされている行き先表示も、特別の場合は白地に黒字か黒地に白字の幕。

 そこで、東側運行区間は臨時にビクトリア・パーク(Victoria Park;維多利亞公園)までの運転を行っています。そのため、行き先表示幕には、ふだんは掲示されることのない「Victoria Park 維多利亞公園」という幕を掲出しています。交通事故などで前へ進めなくなったときのために、いくつか折り返しポイントの行き先を準備しているようですが、事故はほとんど起きないので、そのような臨時表示を目にすることはまずありません。

イメージ 5 ▲MTR太古駅から西灣河駅へ向かって下り坂を下りていきます。対向電車の行き先も臨時掲示。

 通常の行き先は西から「堅尼地城(Kennedy Town)」、「屈地街電車廠(Whitty Street Depot)」、「石塘咀(Shek Tong Tsui)」、「上環(西港城)(Western Market)」、「跑馬地(Happy Valley)」、「銅鑼灣(Causeway Bay)」、「北角(North Point)」、「西灣河電車廠(Sai Wan Ho Depot)」、そして「筲箕灣(Shau Kei Wan)」が設定されていて、それぞれを結ぶ路線ごとに行き先表示幕の地色が決まっています。例えば「北角」行きと「石塘咀」行きは赤地に黄色字、「堅尼地城」行きと「跑馬地」行きは緑地に黄色字です。しかし、臨時の行き先の幕は、車両前後は白字に黒字、乗車扉脇は黒地に白字と、地味な色合いです。

イメージ 6 ▲もうすぐMTR西灣河駅。両側がにぎやかになってきました。

 東へ向かうトラムへ乗ると、すれちがう対向電車の行き先は全部「Victoria Park 維多利亞公園」です。しかも、本数が通常より少なくなっているので、どの電車も混んでいるように見受けられます。

 香港のトラムの車両は、日本の路面電車のように終点が行き止まりになっていて、そこで進行方向を変えて次は逆向きに走るということはしませんで、終点電停付近は全部ループ線になっていてぐるりと回ることができるので、基本的に同じ方向にしか走りません。ビクトリア・パーク電停付近にはそのようなループ線がないはずなので、どうやって方向を転換しているかが気になります。

 それにしてもこの「セントラル占拠」、いつまで続くのか。「最悪の事態」が起きて終幕、ということになりませんように……

イメージ 7 ▲ビクトリア・パークより先へ行けるようになるのはいつのことやら。