毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

久々中国鉄路、湖南省をゆく(その2;焦柳線吉首駅)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215640.jpg ▲吉首市矮寨鎮で見かけた少数民族のおばさん。たぶんトゥチャ族。目力あります(^^)。

 2012年6月14日、奇峰に囲まれて。

 せっかく世界自然遺産のある湖南省張家界に来たのに、僕はそれとは逆方向へ車で走ること数時間、吉首市矮寨鎮という山深い村へとやってまいりました。

 ここは湘西トゥチャ(土家)族ミャオ(苗)族自治州に属する、少数民族が多い村。少数民族の衣装を着たおばさんなんかの姿も見られます。ここ矮寨鎮はトゥチャ族がいちばん多いとのことなので、冒頭の写真のおばさんもたぶんトゥチャ族だと思うのですが、定かではありません。このおばさん、かなり「目力」がありますね。たじたじです(^^ゞ。

 奇峰連なる世界自然遺産のエリアではありませんが、それでも見回すと周囲は険しい山々がそそり立っています。樹木は青々と茂り、その隙間を埋めるように、この地方特有の黒い瓦屋根の石積みの家屋が点点と見えます。流れる川もすがすがしい印象です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215645.jpg世界自然遺産エリアではないけれど周囲は険しい奇峰が連なります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215649.jpg ▲緑と水の豊かさは北京では見られないもの。眺めているだけで潤うような気がします。

 矮寨鎮で用事を済ませた僕は、いったん吉首市の中心部へ戻り、それから吉首駅へと向かいました。やはり田舎の町だけに駅舎も駅前もこぢんまりとしています。

 吉首駅は、南省焦作と広西壮族自治区柳州を結ぶ焦柳線の駅。吉首を始発・終着とする列車は一日に上下3本ずつしかないものの、北京、上海、広州、昆明など東西南北へ一日上下合わせて32本の列車が発着しています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215654.jpg ▲これと言った特徴はない吉首駅。田舎の駅と言った風情。

 大きな荷物をX線検査に通して駅舎の中に入ると、待合室もそれほど広くはなく、列車を待つ人々でごった返しています。中国の駅の待合室ならばどこででも見られるおなじみの光景。みんな、いつから来て列車を待っているのでしょう。この時間帯、16:29に上海南からの懐化行きK1373/K1376次列車が行ってしまうと2時間半ほど列車が途絶えるのですが、その間にぞろぞろと集まってきた人々が、今か今かと改札が始まるのを待っています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215705.jpg ▲吉首駅の待合室。みんないつから来てるんだろう?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215711.jpg夏至前の日の長い時期とは言え、夕方6時を過ぎて、差し込む光には少し赤みが差したかな。

 待合室で待つ大勢の人々とともに僕がこれから乗るのは、吉首が始発の広東省肇慶行きK9067/K9070次列車。吉首発車は18:56です。

 吉首にはこの列車のあと、19:22着、19:28発で張家界からの広西壮族自治区の区都・南寧行きの2011次列車がやってきます。しかし、中国では始発駅ではない(つまり途中駅)からの乗車は切符の割り当ては極めて少ないため非常に乗りにくく、吉首から2011次列車に乗る人はそう多くはいないはずです。とすると、この待合室にたむろっているあふれんばかりのこの人々のほとんどは、僕がこれから乗る肇慶行きの列車に乗るということです。こりゃあ最初から混雑しそうですなあ……

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818215659.jpg ▲改札口上の案内表示。みんな改札が開くのを首を長くして待っています。