毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

中国を走る現役SLを訪ねる旅(その1;北京駅)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213323.jpg ▲北京生活間もなく丸2年だけど、北京駅から列車に乗るのは今回が初めて。

 かつて蒸気機関車がたくさん走っていた中国鉄路も、今や主流は高速鉄道。最後まで旅客列車を牽いて国鉄路線を蒸気機関車が走っていた内蒙古自治区の集通線(集寧~通遼)から蒸気機関車が撤退してもう何年が経つでしょうか。

 遼寧省の調兵山というところには、引退した蒸気機関車を集め、参観できるだけでなく、蒸気機関車の運転体験もできる観光施設があり、特に日本人のSLマニアの人気を集めています。ほかにも、瀋陽市や大連には、かつて「あじあ号」を牽いたパシナ型など数々の蒸気機関車を静態保存した博物館があります。

 では、今現在、現役で動いている蒸気機関車は中国にはもうないのか?

 この問いに対する答えを調べてみたところ、答えは「まだある。しかし今年6月いっぱいで姿を消しそうだ」というものでした。

 そうと聞いたら即行動。6月11・12日の週末は、風前の灯火となった中国最後の現役SLを訪ねる旅に行ってきました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213327.jpg 自然光だけの1階ホール。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213331.jpg 1階ロビーを俯瞰する。

 まずは朝6時に自宅を出て、北京駅へやってきました。

 北京駅は、1959年9月10日に竣工した、中華人民共和国建国10周年を祝賀するために建設された「北京十大建築」の一つ。今もその建物がそのまま駅として使われています。鉄道網の発達とともに、北京には西駅、南駅、北駅と次々に巨大で現代的な駅ができ、この北京駅を発着する列車も他の駅に分散されましたが、北京で駅と言えば、やはりこの重厚な建築の北京駅が今も変わらぬセントラル・ステーションではないかと僕は思っております。

 正面入口を入ると、天井がめちゃくちゃ高い吹き抜けのホール。その正面には列車の発車案内LEDがあり、その両脇に2階へ上がるエスカレーターが並んでいます。待合室の多くは2階にあるのです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213336.jpg 第7待合室入り口。

 これから乗るのは07:11発のハルビン行き高速鉄道D25次列車。列車ごとに待合室が決められていて、D25次列車の待合室は第7待合室。

 第7待合室の入口には、第7待合室が指定されている列車の発車案内LEDがあります。ざっと見ると、D25 07:11発ハルビン行きD25次列車を筆頭に、07:20発長春行きD21次、10:03発満洲里発1301次、11:51発蘭州行きK43次、12:51発ジャムス行きK339次、14:43発通化行きK429次、15:39発杭州行きT31次、16:23発南京西行きK161次など中国各地へ行く列車がずらりと並び、中国の広さを感じさせます。

 待合室も天井が高く、広々としています。普通ならここには人がひしめき合っていて上を下への大混乱が発生するエリアですが、たまたま高速鉄道だけの改札しかない時間帯で、しかもかなり早く改札が始まったので、混雑はほとんどなく、むしろがらんとした印象です。

 巨大な待合室のいちばん奥の突き当たりが改札口。ここはさすがに群衆が押し合いへし合いしながら狭い改札口に並び、切符に鋏を入れてもらってホームへと向かっています。「入鋏」という行為自体が日本ではほとんど見られなくなってきたので、なんか新鮮だなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818213342.jpg ▲第7待合室の中。50年代的内装ですな。いちばん奥が改札口。