中国を走る現役SLを訪ねる旅(その2;「和諧号」だらけ)
▲ホームへ下りる階段の上から見渡す北京駅構内。「和諧号」がずらりと。
2011年6月11日、「和諧号」だらけ。
北京駅第7待合室の改札を抜けて跨線橋を進み、2番線/3番線ホームへ下ります。
ホームを下りる階段の上から構内を見渡すと、どのホームにも高速鉄道「和諧号」が停まっていて、一瞬東京駅の新幹線ホームかと思わせます。いつの間に「和諧号」がこんなに増殖してしまったんだろう?北京駅にはもちろん日本で言えば在来線に当たる客車列車も出入りしていますが、この朝の時間帯、ぱっと見渡して目に入るのは「和諧号」ばかりです。
北京駅2/3番線ホーム。
僕が乗るのは、2番線に入っているハルビン行きD25次列車。車両はCRH5型です。
CRHは「中国鉄路高速(China Railway High-speed)」のことで、CRH1がカナダ・ボンバルディア社との技術提携、CRH2が日本のE2系1000番台をベースにしたもの、CRH3がドイツ・ICE3をベースにしたもの、CRH5がフランス・アルストムとの技術提携したもので寒冷地仕様になっています。
ハルビン行きD25次列車は8両×8両の16両編成。最後尾16号車のボンネット部分には漢字で「和諧号」と書かれていますが、よーく見ると、塗装が剥げかけていて、ちょっとどうよって感じです。
ハルビン行D25次列車。
文字が消えかけてる……
各車両のドア脇には行き先表示LEDがあります。小さくて控えめなので、行き先だけ表示すればいいのに、どうしても「北京-哈爾濱」と入れたいために文字が収まりきらず、テロップのように右から左へ文字が流れていきます。しかもゴシック体と明朝体が入り交じっていて、決して目に美しくはないです。
行き先表示LED。
この二つの列車はどちらも8両編成といいうことで、きれいに肩を並べて停まっています。今、北京駅を出発する高速列車「D字列車・和諧号」は1日17本。北京を発つ列車は1日95本ほどありますから、そのうち六分の一弱が「和諧号」で占められるようになったということになります。今月末からは北京~上海間の高速鉄道も走り始めます。ダイナミックに変化しつつある中国鉄路ですが、「和諧号」ばかりのおもしろみのない鉄道にはなってほしくはないですね。