毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ニッポンの秋を探して(その8;ヘッドマークたち)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151406.jpg大分駅で思いもかけず目にすることができたなつかしのヘッドマーク

 2011年11月5日、大分駅開業100周年記念イベント。

 小倉から乗ってきた特急「ソニック23号」は、14:37に終点大分に到着しました。高架化工事進む大分駅、いつ全ホームが高架化されてしまうのかは知らないけれど、「ソニック23号」が到着した1番線はまだ地上ホームのまま。カーブを描いたホームに着くとなんだかなつかしい気持ちになります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151341.jpgソニック23号」の横顔。

 改札を出ようとしたら、その横に巨大な竹籠が展示してありました。説明書きには「別府竹細工」「直径2,200~2,400mm、高さ1,300~1,500mm、重さ30kg」などとあります。こりゃでかい。大分県マダケは面積、生産量とも全国一で、別府市周辺の竹細工や日田市の竹箸などの竹工芸が歴史的に盛んなのだそうです。大分駅改札脇のこの巨大竹籠は、2008年に開催された「チャレンジ!おおいた国体、チャレンジ!おおいた大会」のイメージを岩風呂温泉に重ねて製作されたもののようです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151346.jpg 別府竹細工の巨大な籠。

 改札を出ると、構内が妙に混雑している、というか妙ににぎわっています。構内で何かイベントが行われているようですね。

 いろいろのぞいてみると、この日は大分駅開業100周年記念イベントと大分車両センター主催のトレインフェスタ大分が行われているということがわかりました。全然知らずにやってきた大分駅でこんなイベントが開かれているなんてうれしいじゃないですか。駅舎コンコースでも駅前広場でも、交通規制までして大々的にイベントが開かれています。

 そんな中で格別目を引いたのが、駅舎内で行われていた大分駅の歴史を振り返る写真展と九州内を走った列車のヘッドマークの展示です。特にこのヘッドマークの展示は感涙モノ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151350.jpg ヘッドマークがずらり。

 どのヘッドマークも、今となってはすべて過去のもの。かつてはED72、ED76、DF50、DD51などに牽かれて九州内を縦横無尽に走っていた特急列車たちのトレインマークの展示は、100年の歴史を歩んできた大分駅のその100周年を記念するにふさわしくもあり、また日本の鉄道、とりわけ客車列車の栄枯盛衰の「枯」と「衰」の部分を強く感じさせるという点で寂しくもあります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151355.jpg なつかしいなあ……

 思えば子どもの頃、青森で暮らしていると、九州ブルートレインなんて外国と言ってもいいぐらい遠くを走るあこがれの列車で、大人になったら絶対乗りたい!と心に決めていたものですが、大人になる頃には既に多くの列車が廃止になっていて、むしろ乗れなかった列車のほうが多かったという結果になってしまいました。

 こうしてずらりと並んだ中では、やはり乗ったことのある列車のトレインマークのほうが親しみを感じます。「あさかぜ」「彗星」「あかつき」「なは・あかつき」といったところでしょうか。「かもめ」や「明星」なんて乗ったことがないばかりか、こんな機関車用のトレインマークなんて見たことさえない。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151401.jpg 「あさかぜ」一度乗った。

 数ある列車の中でもとりわけ乗りたかった列車がいくつかあって、僕にとってはそれは「出羽」「つるぎ」「いなば」といったあたりなのですが、「みずほ」もそのうちの一つ。今や九州・山陽新幹線直通速達列車の愛称になってしまったけれど、ずっと寝台特急「みずほ」に乗って熊本・長崎へ行ってみたいと思っていました。この日こうして「みずほ」のヘッドマークを前にして、なんだか妙にしんみりとした気持ちになるのを禁じ得ませんでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818151413.jpg ▲一度はどうしても乗ってみたかった寝台特急「みずほ」。今でも乗りたいという気持ちがあります。