毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

6年ぶりのねぶた帰省(その8;ねぶた出陣)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005027.jpg日本通運ねぶた実行委員会の「火天水天」。

 2011年8月4日、6年ぶりに跳ねました。

 青森の素敵なイタリアンのお店「AL CENTRO」でランチをしたあとは、デパートなどでねぶた衣装関連グッズを買い求め(鈴とか草履とか足袋とか)、いったん帰宅してねぶた参戦へ備えます。

 8月2日から6日までは夜の運行があり、国道や新町通りを中心にしたロの字形の運行コースにあらかじめねぶたの山車を配置し、19:10の号砲とともに一斉に運行がスタートします。8月2日と3日は子どもねぶたが約15台出る関係で大型ねぶたも15台程度ですが、4日からは大型ねぶた約20台がそろって出陣します。

 ねぶたの山車の前にはお囃子が並び、その前、あるいは山車の後ろでハネトが跳ねます。青森ねぶたにこのハネトは欠かせません。お囃子のリズムに合わせてケンケンを跳ね続けるのです。僕が跳ねるのはもう以前から「あおもり市民ねぶた実行委員会」のねぶたと決めてます。毎日出発ポジションが変わるのですが、この日の「あおもり市民ねぶた実行委員会」は国道の県庁前からのスタートでした。

 8月4日はまだ中日なので、ハネトの数も沿道の観客も最高潮というほどにはなりませんが、それでも相当な数です。だんだんと空が暮れていき、やがて山車に明かりが入り、19:10、号砲が鳴って、一斉に出陣です!

 と、ここでアクシデント。新しく買ったばかりの草履なのに、跳ね始めてわずか10分で、右足の草履のワラの部分とゴム底の部分が剥がれてしまい、使い物にならなくなってしまいました。しかしここでやめるわけにはいかない! ダメになった草履を脱ぎ捨て、足袋のままで跳ね続けます。足が痛いのなんのって!でもがんばる!

 しかし、ハネトとして参加することの欠点は、他のねぶたの山車がゆっくり見られないこと。ねぶた祭り初参戦の友人もいることだし、跳ねるのは1時間ぐらいにしておいて、少し見物もしましょうか。

 オープンカーに乗ったミスねぶたと準ミスねぶたが通っていったあとには、(株)藤本建設が毎年出している「出世太鼓」が続きます。直径3.1m、全長3.7m、外周7.94m、重さ約2トンの巨大太鼓が奏でる音はまるで地鳴りのようです。(株)藤本先決の「出世太鼓」は昭和48年に初登場。以来毎年8月4日と5日に出陣しています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005031.jpg 暗いですがミスねぶた。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005037.jpg (株)藤本建設「出世太鼓」。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005018.jpg 奉納太鼓も行く。

 広い国道から駅前の狭い新町通りに入ってくると、沿道の観客もぎっしりという感じになってきて、熱気もさらに濃密になります。日立連合ねぶた委員会の山車は「激突!赤と黒 大坂夏の陣」、北村蓮明作で、今年はみごと市長賞と囃子賞を受賞しました。青森市PTA連合会の山車は内山龍星作の「文覚と不動明王」。これもなかなかの迫力ですが、入賞は逃しました。ちなみに今年のねぶた大賞はサンロード青森の「四神降臨「白虎と青龍」」、知事賞はヤマト運輸ねぶた実行委員会の「滝不動」でした。

 弘前ねぷた祭りを「静」とするなら、青森ねぶたは「動」の祭り。草履の底が剥がれ、足袋が擦り切れ、鈴が全部振り落ちるほど激しく跳ねることで、青森の夏はどんどんと熱くなっていきます。一度跳ねたら毎年跳ねたくなる青森ねぶた、6年ぶりにしてようやく跳ねに帰ってこられて、本当によかった!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005023.jpg 日立連合ねぶた委員会。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819005040.jpg青森市PTA連合会は「文覚と不動明王」。跳ねてるとこういう写真は撮れない。