久しぶりの蘭州駅
▲1991年以来20年ぶりに正面に立ちました、蘭州駅。
2011年3月6日、蘭州駅。
CA1273便で蘭州中川空港に到着した僕は、市内と空港を結ぶ連絡バス(運賃30元)で蘭州市内へ向かいました。蘭州空港は市内から70kmも離れているので、市内まで高速を飛ばしてゆうに1時間はかかります。
市内中心部のホテルにチェックインしたら散策に出かけます。
目の前の天水北路の最寄りのバス停からバスに乗り、まっすぐ北へバス停二つ乗ると蘭州駅に行くことができます。蘭州駅、外から眺めるのはなんと1991年の夏以来です!当時の古い写真がもし出てきたら改めて紹介したいと思いますが、記憶をたどれば、当時も今も、駅舎はあまり変わっていないような気がします。
駅舎前には馬の彫像。
駅前には思ったほどの人がいませんでしたが、駅舎へ入る通路には人だかりができていました。駅舎正面には列車案内板があり、ウルムチやラサ、西寧など西北地区ならではの行き先が並んでいて、けっこう西に来ていることを感じさせます。ラサ行きが13:19発と13:49発と2本続いてあったり、ウルムチ行きが13:57発と14:25発と2本続いていたりするのはちょっと驚き。1時間ちょっとの間に上海行きが3本もあるのもびっくり。さすが西安と並ぶ西北地区の交通の要衝です。ちなみに蘭州からウルムチまでは約20時間、上海までは約24時間、ラサまでは30時間といったところです。
列車案内板。
駅舎出入口の向かって右隣は切符売場です。ここがいちばん混雑している。売場入口前に「ダフ屋行為は厳しく取り締まろう」と書かれた横断幕が掲げられていますが、うろうろ歩いているとしょっちゅう「ラサ~ラサ~」とか「ウルムチいらんかね~」などと声をかけられます。
切符売場正面。
切符売場入口の脇にはここにも電光掲示板があって、座席の残席数が表示されています。その日を含めて5日先までの空席情報です。例えば、この日3月6日の欄を見てみると、蘭州始発の列車にはやはり空席がけっこうあって、蘭州発武漢行きK862次列車には「硬座(普通座席)」694席、「硬臥(三段式B寝台)」384席、「軟臥(コンパートメント式A寝台)」20席とよりどりみどり。しかし蘭州が途中駅になる列車ではほとんど空席はなく、連雲港東発ウルムチ行きK1351次列車は、席はないが乗るだけなら乗ってもよいという切符「無座」だけ544枚切符があるし、西安発ウルムチ行きL629次列車に至ってはその「無座」さえゼロです。
残席案内掲示板。
蘭州始発以外の空席は少ない。
しかし、この残席案内掲示板でどれほど残席を確認しようとも、それがそのとおり空席なのかと言えばそれは誰にもわからない(昔ながらの中国的に売り方が恣意的だから(笑))。おまけに、切符売場の中に入ると人でいっっぱい!窓口は30近くあるのですが、そのどれもに長い列。ふた昔前までに比べれば列車の切符は旅行会社でも買えるようになりそうとう手に入りやすくなったけれど、そんな今でも切符売場はこの混雑。これじゃ窓口が自分の番になった頃には外の掲示板で残席があった列車も満席になっちゃってるよ。
混雑する切符売場。
窓口は30近くある。
駅舎前の広場の正面に屋根がかけられた広いスペースがありました。なんだろうと思って見て回ると、真ん中に「蘭州-ウルムチ L789次 6日 19時13分発」と書かれた大きな看板が出されていて、その両側に一定の間隔を置いて「9車廂」「10車廂」「11車廂」「12車廂」と番号を振った小さいプレートがかけられています。「車廂」とは日本で言えば「号車」のことです。
これはおそらく、19:13発のL789次列車に乗る人を誘導するために事前に駅前に乗車する号車ごとに列を作らせるためのものでしょう。しかし、L789次列車っていったいどれだけの人が乗るんだ!って感じです。1列車のためだけにこれだけのスペースを使い、まだ午後1時にもなっていないのに午後7時過ぎの列車の準備をするとは、伝説の大垣夜行だってそれほど前には並ぶまい。これは中国大陸の余裕なのかおおらかなのかなんなのか(ま、さすがに午後1時前に既に並んでいる人はいませんでしたけどね。)。
▲まだ1時ですが、19:13発ウルムチ行きL789次列車、もう並んでいいです。