毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

蘭州を流れる黄河はしょぼい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212650.jpg ▲どうしてこういうのを飾っちゃうのか、中国。黄河のほとりになんだよこの龍は。

 2011年3月6日、徒歩で黄河へ。

 蘭州の市内には黄河が流れています。

 延長5,464kmに及ぶ黄河省都を通るのは甘粛省だけではなく、寧夏回族自治区の銀川、河南省鄭州山東省の済南も近くを黄河が流れます。しかし、駅から歩いて行けるような街のど真ん中を黄河が流れている省都は中国広しと雖も蘭州だけでしょう。

 そこで、蘭州駅を見たあとは平涼路を東方紅広場経由でのんびり歩いて、黄河まで出てみました。平涼路から東方紅広場前を通って金昌北路に抜けて北へまっすぐ進むと黄河に突き当たります。そこに架かっているのは城関大橋。黄河の南北をつなぐ幹線道路になっている橋です。

 しかし。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212706.jpg 黄河に架かる城関大橋。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212639.jpg これがあの黄河か。

 水、ないじゃん。

 冬は水流の短い時期ではありますが、それにしても思っていたより水が少ない。南岸側はほとんど水流がなく、川底の砂利がかなり広がっています。

 北岸側三分の二ぐらいはそれでも川らしく水が流れています。しかし、「黄河文明を築いたあの黄河」という日本人の一般的なイメージからはやっぱりちょっと遠いだろうなあ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212643.jpg このあたりは水量多いほう。

 しかし、それにしてもこの龍の飾りはどうよ。

 いくら中華世界では龍の立場が強いと言ったって、天下の黄河の川岸にこんなに長々と派手な色の龍を飾るかね普通。もしかしたら日が暮れたらぴかぴか電飾が光っちゃったりするのかしら。蘭州ではあの黄河が見られると思ってやってきた外国人観光客がはるばるここまでやってきて、それでこの龍が目に入ったら、黄河に感動する前に笑っちゃうよきっと。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212656.jpg なんで龍飾るかなー。

 龍の飾りでがっくりきちゃう上に、両岸にビルが建ち並んだことも、このあたりではまだ川幅も狭い黄河を貧弱に見せているのかもしれません。しかし、見回して目に入るビル群のすぐ向こう側には土が剥き出しの山々が連なり、少し市内から離れると、不毛の大地を流れる川という姿に変わります。

 近年、黄河の水流が減っていることはとみに指摘されています。一年を通じて、流れが途切れる「断水」も生じています。流域での無秩序な取水や、上流域の降水量の減少、黄土による川底の上昇などが原因に挙げられるでしょう。それでもこの蘭州あたりでは、黄土高原にさしかかる手前なので水流に削られる黄土が少なく、黄河なのに水が黄色ではなく、青みがかった水が滔々と流れる姿がかつては見られたものです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818212701.jpg ▲橋の上から、ちょっと大河っぽく見えるように写してみたつもり。