毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

重慶へ重慶麻辣火鍋を食べに行くの巻(その3)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220818.jpg ▲12年ぶりに訪れた重慶駅。駅舎は以前と変わらず、でも駅前の様子には変化が。

 2013年3月23日、重慶駅と重慶北駅。

 隠れ家的な食堂「巴香苑」でワイルドな重慶四川料理を食べておなかの中が大量のトウガラシと山椒でホットになったならば、午後は腹ごなしに重慶市内をぶらぶらします。

 まず訪れたのは、鉄道の重慶駅。

 この駅にやってくるのは、2001年に貴州省省都貴陽から列車に乗って到着して以来12年ぶり。

 重慶駅は、長江・嘉稜江に突き出る半島部分の、さっきお昼を食べたお店とは反対側の南側にあり、青森駅のような門司港駅のような長崎駅のような梅田駅のような、櫛形のホームが並ぶ行き止まり構造になった駅です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220822.jpg ▲12年前に来たときと全然変わってない感じがする。

 重慶駅の開業は1952年ですが、今の駅舎が建てられたのがいつかはわかりません。けっこう古いです。しかし駅前はかなり閑散としていて、中国の大きな駅に必ずと言っていいほど見られる超混雑した人だかりがありません。

 切符売り場の建物に入ってみると、ここも、人が長蛇の列を何本も作ってひしめき合っているおなじみの光景は見られません。なぜでしょう。壁にかかった時刻表を見てみると、この重慶駅を発車する列車は1日14本しかなく、しかもそのほとんどが重慶、四川、雲南止まりの短中距離列車。これでは駅前や切符売り場に人が少ないのも当然です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220827.jpg ▲切符売り場。開いている窓口は少なく、人も少なくて閑散。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220831.jpg ▲この駅を発車する列車は1日14本しかないのです。

 これはなぜかと言いますと、2006年に市北部に重慶北駅が開業し、そちらのほうが重慶のメイン駅になってしまったからなんです。

 そこで僕も重慶駅から路線バスに乗って重慶北駅まで行ってみました。

 重慶北駅前の広場はとんでもなく広く、そこに在来線の駅舎と高速鉄道の駅舎と切符売り場の建物が並んで建っていて、建物の一つ一つがやたら大きいので、切符売り場から在来線駅舎までは山手線のひと駅ぶんぐらいありそうです(笑)。そして、写真ではこの広さはなかなか伝えられないのですが、このむちゃくちゃ広大な駅前広場は大勢の人で混雑しています。列車待ちでたむろっている人々、到着列車から吐き出されて次の目的地へ向かう人々が入り交じっています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220835.jpg ▲2006年開業の重慶北駅。これは在来線駅舎。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220847.jpg ▲その隣は高速鉄道専用駅舎。

 在来線駅舎の正面には出発列車の案内が出ていますが、行き先も長沙、上海、広州、ウルムチと長距離、超長距離列車が目白押しです。重慶北駅を発着する列車は1日上下合わせて115本、重慶駅とは桁違いです。

 ちなみに重慶北から広州までだと1,697kmで所要約22時間、ウルムチまでだと3,345kmで所要約44時間です。重慶北発の列車で走行距離がいちばん長い列車はチベットのラサ行きT222/223次列車で、ラサまでの3,641kmを44時間58分かけて走ります。でも途中の停車駅は9駅だけです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220840.jpg重慶北駅からは長距離列車も続々出ているようです。

 しかしいつの間に重慶にも高速鉄道が通っていたのでしょうか。中国の高速鉄道網の建設は驚くべきスピードで進んでいるようです。高速鉄道なら、315km離れた成都までわずか2時間です。

 「出站口」と書かれたゲートは降車客の出口。近づいてみると、だだっ広い構内の奥、いちばん手前のホームに高速鉄道「和諧号」が停車しているのが見えます。ドア付近には乗務員(JR九州で言えば「つばめレディー」みたいなトレインアテンダント)が立ち、乗客の案内をしているのかただたむろっているだけなのか、それはよくわかりません(^_^ゝ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220852.jpg ▲「出站口」とは出口のこと。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220857.jpg ▲鉄柵がものものしいですが、その奥には高速鉄道「和諧号」が停車中。

 ドア脇の行き先表示LEDには「重慶北-南充」と出ているように見えるので、これは15:05発の南充行きD5191/5194次列車ではないかと思われます。四川省中部の南充まで重慶北から234km、これを途中停車駅3駅で、2時間09分かけて走る列車です。今のところ高速鉄道重慶北~成都/成都東/南充間にしか開通していないようですが、これが更に伸びるのももうまもなくのことなのでしょう。

 高速鉄道には乗りたいとは思いませんが、高速鉄道(動車組)の大量投入でどんどんレアになっていく昔ながらの客車列車で、広州とか深センからのんびりと重慶を再訪してみたいものです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818220903.jpg ▲南充行きD5191/5194列車でしょうか、アテンダントさんが乗車案内中。