毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2010春・新疆に行きたい心境(その13;ヤカン交代)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205226.jpg ▲7558次列車を牽くDF4D-0418号機はアクスで乗務交代。ヤカンも交代。

 2010年3月10日、アクスで小休止。

 金銀川駅から65km、約1時間で、次の駅アクスに到着です。

 アクスは、アクス市、オンスー県(温宿県)、クチャ県(庫車県)、シャヤール県(沙雅県)、トクス県(新和県)、バイ県(拝城県)、ウシュトゥルファン県(鳥什県)、アーバード県(阿瓦提県)、カルピン県から成るアクス地区の中心地。地区全体の人口の約四分の一弱がアクス市に集まっています。

 そんなわけで、列車もアクス駅では長時間停車し、運転士も交代します。我が7558次列車も12分の停車です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205222.jpg アクス到着。

 日本の列車と違って、中国の列車はどんなに長距離を走る列車でも乗務員の途中交代はありません。何十時間でも同じメンバーで乗務し、始発から終点まで行き、折り返しで始発へ戻ってくるまでが乗務の基本単位になっています。車掌長、車掌、広播員(車内放送のアナウンサー)、コック、車販員、技術員(車両点検等を行う)、鉄道警察等々が一つの「乗務組」のようなものを組んで同じ顔合わせで乗務し続けるので、まるで一つ屋根の下に暮らす家族のような雰囲気があります。

 一方、運転士のほうはさすがにそんなに長く乗務し続けるわけにはいかないのか、時々交代しているようです。アクス駅は運転士の交代駅の一つ。DF4D-0418号の機関車がひと息ついている間に運転士が代わりますが、新しく乗り込む運転士の荷物の中にはなぜかヤカンが二つ。たぶん二人乗務なので一人ひとつずつだと思うのですが、なぜにヤカンが?交代があるとは言え乗務時間は長いので、のどのかわきを潤すためなんでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205231.jpg 常務交代、完了したか。

 アクスではやはり多くの乗降客があり、乗客がある程度入れ替わったようです。アクスの駅舎は白いタイル張りのまだ新しい建物ですが、それほど大きくはありません。乗り降りが終わったあとは、発車時間が来るまで、ホームに降りて一服入れる人などでホームにはのんびりムードが漂います。

 アクスを発着する列車は一日上下4本ずつ。2本ずつがウルムチカシュガルの列車であることに加えて、アクスを始発終着とする列車が2本ずつあります。ウルムチ~アクスが1往復と、蘭州~アクスが1往復です。蘭州~アクスの列車なんてぜひ完乗してみたいですね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205235.jpg 白いタイルのアクス駅。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205246.jpg 総二階建て車両がずらり。

 中国の列車は車両一両に一人ずつ車掌がついているので、到着駅が近づくとその車掌さんが自分の受け持ちの車両のドアの前に立ち、停車すると鍵をあけてドアを開きます。そして、停車時間の間はホームに降りてドアの下に立ち、乗ろうとする人の切符をチェックします。その編成の所属鉄路局によってばらつきはありますが、概して車掌さんには女性が多いように思います。往復数十時間の乗務は女性にはなかなか厳しいのではないかと思うのですが、みんな元気です。切符を持たずに乗ろうとする良からぬ客をデッキの上から蹴落とすなんてお手のものです(^^)。そんな車掌さんたちと仲良くやりながらのんびり進むのが中国鉄路の楽しいところですよね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818205240.jpg ▲各車両のドア下に立って発車を待つ車掌さんたち。「発車まだかしら?」