徳島線高徳線初乗車の旅～（その9；労饅の浪漫）

▲このブログに何度か登場している「労研饅頭」、アップの写真はこれが初めてかも。

　2010年2月23日、大街道で「労研饅頭」。

　松山市内に入って1泊し、2月23日の朝を迎えました。

　今回は宿を松山市一の繁華街「大街道」の近くにしたのですが、それにはわけがあります。松山を離れる前にぜひ「たけうち」に寄りたかったからです。

　松山の「たけうち」と聞いてぴんと来るアナタ、かなりの松山通とお見受けいたします。

　松山銘菓と言えば「一六タルト」とお思いでしょうけれど、僕は断然「たけうち」の「労研饅頭」を推します。松山銘菓「労研饅頭」、既にこのブログにも何度か登場しているところですが、今回もまた「労研饅頭」をご紹介。

　「たけうち」の本店は松山市勝山町（路面電車警察署前電停すぐ）にありますが、大街道にも店を出しています。路面電車の走る通りから大街道へ入ってまもなく、角に「労研饅頭」という大きな看板が見えてきます。

「たけうち」大街道店。

　店構えはなんとも昔懐かしい風情。ガラスケースもアイスクリームの冷凍庫も、みな昔の駄菓子屋にあったような古くも懐かしいものばかり。そんなお菓子屋さん「たけうち」の主力商品が「労研饅頭」。とうてい組み合いそうにない「労研」と「饅頭」という熟語をくっつけたのは、昭和初期に食料供給を補うべく、中国の「マントウ」にヒントを得て主食代用品を研究開発した「倉敷労働科学研究所」。そこで生まれた「労研饅頭」を、昭和10年に当時の「竹内商店」が引き継いで今に至っているというわけです。

なつかしい店構え。

　素朴な味わいとのどが詰まりそうになる食感、中国の「マントウ」をほのかに思い出させる香り、そして腹持ちの良さ。これが松山銘菓でなくしていったいなんであろうか。

　現在は餡なし7種類、餡入り7種類の計14種類ものラインナップでさまざまな味を楽しむことができます。お店によれば餡なしの一番人気は「うずら豆」だそうですが、元祖労研饅頭は「黒大豆」で、僕は「黒大豆」を推します。餡入りで僕の好物は「かぼちゃあん」と「いもあん」ですが、もちろん「つぶあん」「こしあん」もおいしいです。

　てなわけで、今回は14種類を1個ずつ全部買い求めました(^^)。

上段が餡なし、下段が餡入り。

　さて、お目当ての「労研饅頭」も手に入ったので、大街道電停から路面電車に乗って松山駅へ向かいます。路面電車には新型車両も投入されていますね。モハ2100形と呼ばれる新型車両は低床車両で、2002年から順次投入されてきています。現在、伊予鉄道の路面電車路線には、モハ50形、モハ2000形、モハ2100形という3種類の車両が計38両活躍しているそうです。

最新のモハ2100形。

　活躍している3種類のうち、いちばん古いのがモハ50形で、現役のいちばん古い車両は昭和26年製造のもので、いちばん新しいものでも77号機と78号機の昭和40年製造です。こんな古い車両が今も現役で活躍しているなんてうれしいですよね。

　JR松山駅行きを待っていたら、先にやってきたのはモハ50形70号機の松山市駅行き。そのあとにやってきたJR松山駅行きに僕は乗りましたが、それもモハ50形でした。車内は板張りの床、いかめしい機器が並ぶ運転台など、長い年月を経てきた車両ならではの重厚さが各所に窺えます。松山城のお堀に沿って走れば、JR松山駅はもうすぐです。

モハ50形の松山市駅行き。

▲こんな路面電車に乗って一日中松山の街を散策して歩けたらさぞや楽しかろう。