「日本海」でいったりきたり（その５；野辺地にて）

　　　　　　　　　　　　　▲下北交通バス「有戸」バス停。

　2006年11月23日、野辺地から八戸へ。

　陸奥湾から這うように下北半島の付け根を吹きすぎる暴風にあおられ、海岸線に出ていられたのも束の間、ほうほうの体で国道へ戻り、野辺地方面行きのバス停を探します。さいわいバス停には小屋のような待合室があったので、その中へ避難して強風から逃れます。待合室があってよかった～～。待合室の中でさえかなり寒く、じっとしているのがつらいのに、これがもし外に立っていなければならなかったとしたら、僕は間違いなく行き倒れたことでしょう。バスよ早く来い。と言っても次のバスは09:11。まだ30分以上あるやんけ(T_T)。

JR野辺地駅。

　熱い缶コーヒーを飲みながら文庫本を読みつつ時間をつぶし、ようやくやってきた下北交通バスの青森行き（代行バスではなく定期路線バス）に乗って揺られること約25分、野辺地駅に到着しました。あーー寒かった。それにしても野辺地駅を外から見るのはなんだか久しぶり。というか、高校生のとき以来のような気がする。てことはほんの数年前ってことか（自爆）。

　野辺地からは10:14発の12M特急「つがる12号」で八戸へ出ます。その前にまずは下り線のホームへ行ってみましょう。
　野辺地駅構内南側に広がるのは、1893年(明治26年)に 日本鉄道株式会社によって植林された日本で最初の鉄道防雪林です。1960年の第88回鉄道記念日に際し、鉄道林発祥の地として鉄道記念物にも指定されました。その鉄道林のすぐ前には、かつては南部縦貫鉄道の線路とホームがありました。今、南部縦貫鉄道はなくなってしまいましたが、鉄道林のその堂々とした姿は変わらず、野辺地駅を激しい風雪から守ってくれています。

▲野辺地駅5番線に到着する569M。右手に広がるのは日本で初めての鉄道防雪林。

　下り列車に使われる4・5番ホームのうち、5番線に入ってきたのは09:54着の青森行き普通列車569M。もしかしてこれって僕が青森から野辺地まで乗った566Mの折り返しじゃないかしら。5番線に入ってきて11分も停車するということは、きっと4番線に特急が来てそれに抜かれるということなんだな。

569Mは野辺地で11分停車。

発車を待つ569M。

　予想どおり、やがて4番線にも列車が入ってきました。09:59発の8091M臨時特急「つがる71号」です。なるほど、この日は11月23日勤労感謝の日、休日ですから臨時列車が走っているのですね。「つがる71号」は、東京を06:00に発ってくる臨時の「はやて71号」を受けての運行です。「つがる71号」のほうは臨時列車なので485系3000番台が充当されています。
　「つがる71号」と同時刻に、青森方からは3526D快速「しもきた」大湊行きが到着します。こちらは10:06の発車です。この時間帯、野辺地駅は意外な活況を見せてくれるのですね。

臨時特急「つがる71号」。

　さて、僕はと言えば、10:14発の「つがる14号」に乗ります。こちらは弘前からやってきたE751系です。休日ですが自由席も空いていて、車販のコーヒーで暖まりながら、八戸までの束の間の特急の旅を楽しみます。八戸まではわずか約30分。10:45の到着で、多くの乗客は10:56発の「はやて12号」へ乗り換えますが、この日の僕はここからはちょっと別の行程です。

車販のコーヒーの温かさに涙。

▲終点八戸に到着したE751系「つがる12号」。