毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2008年夏、はやぶさ、薩摩三昧(その8;4号蒸気機関車)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120305.jpg ▲加世田駅(バスターミナル)に静態保存されている4号機関車。

 2008年7月10日、まだ加世田駅。

 しかし、加世田駅構内で目を惹くのはなんといっても構内中央にでんと置かれて静態保存されている蒸気機関車です。決して保存状態はよいとは言えず、塗装がはげたり錆びもかなり進んでいますが、しかしこれはれっきとした南薩鉄道で活躍していた蒸気機関車なのです。

 南薩鉄道に納車された1号~3号機関車は30トン級Cタンク蒸気機関車で、1913年に独ハノーバーのハノマーク社で製造されたとされています。1、2号機は1962年まで現役を務め、その後は静態保存されていたそうですが、現在はこれに替わって4号機関車が加世田駅構内中央で静かに余生を送っています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120320.jpg 腕木式信号機とともに。

 4号機関車を正面から見ると、小振りなカマに細長い煙突。カマのフタには朱色地に金色で大きく「4」と書かれたプレートが据えられています。錆の浮いてしまった足回りを眺めながら後方へまわると、運転台の中をのぞくこともできます。運転台の中の各種機器は塗装をし直したのか黒々と塗装が施されていて、いつでも使用可という感じがします。運転台の左側の下には木製のベンチが置いてあって、客待ちをするタクシーの運転手さんたちの格好の休憩場所になっているようでした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120316.jpg 運転台の中ものぞけます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120325.jpg 4号機関車の錆びた足回り。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120329.jpg 蒸気を出していたのはもう昔。

 4号機関車のわきには、南薩鉄道のどこかに設置されていたであろう腕木式信号機と、加世田駅のホームにあったであろう駅名標が、機関車に寄り添うように並べて保存されてあり、そのひとかたまりを眺めると、加世田駅にはまだ列車が通っているような錯覚に陥りました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818120309.jpg ▲保存状態はよいとは言えず塗装の剥げも目立つけれど、4号機を示すプレートはどっしりと。