毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

臼杵竹宵、秋の灯はほのかに(最終回;出水のツル)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113847.jpg ▲一斉に舞い上がった出水のツルたち。

 2005年11月8日(火)、出水のツル、そして帰京。

 実は、出水には全国有数のツルの飛来地があると聞き、そこを訪れてみようとやってきたのです。青森出身の僕にとっては、ツルと言えば釧路湿原周辺に飛来するタンチョウヅルのことなのですが、出水にやってくるのはタンチョウヅルではなく、ナベヅルとマナヅルだということで、見てみたいと思ったわけです。

 鹿児島本線時代の出水駅は知りませんが、新幹線開通に合わせて新しくできたと思われる今の出水駅はなかなか立派できれいです。さっそく駅構内に入っている観光案内所でツルを見られるところへの行き方を尋ねますが、公共交通機関はないとのこと。出水市を代表する観光地なのにそこへ行く足がないとはいかがなものかと思いますが、しかたがないのでまず出水駅前から路線バスに乗って肥薩おれんじ鉄道野田郷駅前まで行き、そこからタクシーを呼んで行くことにしました。

 野田郷駅からほぼ真北へ国道3号線を跨いで10分ほど行った田園の広がる中に、ツル観察センターがありました。毎年11月1日から3月第4日曜日までオープンするということなので、この年のオープンから間もない時期に行ったことになります。1階が売店やレストラン、2階が展望室と資料展示室、屋上が展望台になった施設があり、周囲は田んぼです。この田んぼにツルが渡来するので、ツルが渡来している間は柵を設けて、田んぼに人が入らないようにしています。干拓地であるこの出水市荒崎地方がツルのねぐらとなったのは1695年頃と言われ、主としてナベヅル、マナヅル、クロヅルがやってくるそうです。飛来するツルは毎年1万2千羽前後にものぼり、僕が行ったときも、まだシーズン最初ということであまり期待はしていなかったのですが、早くも約5千羽のツルが来ていました。
 それではここで、この時見ることができたツルの様子を少しごらんくださいませ(^-^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113834.jpg 黒い点々が全部ツル。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113842.jpg ▲展望台を下りて田んぼを囲む柵まで近づいてみると、いますいます、わー、よく見えます(^-^)。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113856.jpg ツルが舞う。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113851.jpg ▲ツルたちは田んぼから田んぼへと時折移動するのですが、なかなか飛ぶ姿をとらえるのは難しいですね。

 さて、時間です。またタクシーを呼んで野田郷駅へ戻り、今度は野田郷駅から初めての肥薩おれんじ鉄道に乗ります。今回の旅の最後の行程が始まります。


https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113904.jpg 駅前にある木はザボン

 全線電化区間を走る肥薩おれんじ鉄道の車両は全車ディーゼル車。一般車両はHSOR-100形という車両だそうです。出水方からやってきた13:16発の川内行き普通列車6119Dに乗り込みます。実は某鉄道雑誌で、肥薩おれんじ鉄道牛ノ浜駅が海に近い駅だというのを知り、牛ノ浜駅で途中下車してみようと思ったのが肥薩おれんじ鉄道を今回の旅に絡めた最初のきっかけだったのですが、その後出水がツルの飛来地だということを知ってそちらを訪ねることに変更したのです。その当初のきっかけを作った牛ノ浜駅も過ぎ、野田郷から約50分で終点川内に到着です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113908.jpg 川内駅に到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113914.jpg 車両はHSOR-100形。

 川内駅前からは空港リムジンバスで鹿児島空港へ向かいます。スカイマークに初めて乗ります。ちょっと時刻はうろおぼえですが、確か16:35発の東京羽田行きSKY306便、機材はB767です。離陸して間もなく、夕日のオレンジ色に染まった地上一面の霞からちょっとだけ桜島が顔を出し、噴煙を噴き上げているのが見えました。短い旅でしたが、「サンライズ瀬戸」で始まり、松山、臼杵竹宵、肥薩線日本三大車窓球磨川の紅葉、そして出水のツルとたくさんのものを楽しむことができました。どこもみんな、また来たいと思う場所でしたよヽ(^。^)丿。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113920.jpg 初めて搭乗、スカイマーク

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818113838.jpg ▲旅の最後のおまけでしょうか。離陸後間もなく、地表を覆う霞の上に噴煙を上げる桜島が見えました。