2007・年納め全国どさまわり行(その28;沈下橋)
【2009年11月27日の追記】
2007年暮れのどさまわり旅日記を、「青森を帰ろう」書庫から別書庫へ移設するに伴って、リバイバル掲載しています。
いよいよ初予土線に出発しました。キハ32のオールロングシートはいただけませんでしたが、予土線の車窓の景色は確かにすばらしい。特に、車窓からも沈下橋がはっきり見えて感激。地方独特の風土というものを垣間見ました。江川崎駅でののどかな停車時間も忘れられません。ぜひまた行きたい予土線です。
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▲江川崎でひといき入れる宇和島行き4839D。
2007年12月2日、予土線完乗。
土佐大正、土佐昭和と駅が続き、土佐明治と土佐平成はないんかいなと一人で突っ込んでみても誰も答えてくれる人はいません。すると車窓にふっと見えたのが、沈下橋。増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことで、四万十川らしい風景としてつとに有名。でもどこに架かっているのか知らないし、偶然でも見られたらいいなあとは思っていましたが、土佐大正~土佐昭和間で一つ目にすることができました。
沈下橋、確かにかなりユニーク。なるほど、欄干という抵抗物がないから水位が橋より高くなっても押し流されないというわけですか。これは四万十地方ならではの橋なのでしょうか。少なくとも今まで我が東北も含めてどこにも見た経験はありませんが……
引続き四万十川沿いを行く。
大正と昭和の間に沈下橋発見!
列車は半家に到着。これまた全国的に有名な駅。有名だけれど、留萌本線増毛駅の入場券が売れてもこの駅の入場券は誰も買わないことでしょう。漢字で見るぶんにはどうということはないですが、ひらがな表記を見ているとどうにもいや~な感じが……(^_^ゞ。
崖べりの狭く短いホームがあるだけの半家駅を出ると、また見かけました、沈下橋。今度の沈下橋はなんだか幅もけっこう広くて幹線道路になっているように見えました。しかしなんか欄干がないというのは落ち着かないですね。増水のときにはいいのかもしれないけれど、なんでもないときに見ると、なんだか却って危ない感じ。うっかりして川に落ちちゃったりしないのでしょうか。
半家です、半家!
さて、半家の次は江川崎。窪川行き4838Dとの交換も兼ねて、7分停車の休憩です。川があり、田んぼがあり、柿の木があり、山があり、まるで画に描いたような「日本の駅」江川崎。僕もホームにおりて、冷たくて新鮮な空気をいっぱい吸い込み、日本の山里を満喫します。空は快晴。気持ちの良いことこの上ありません。
くっきりとした青空の江川崎。
四万十川はこのまま南へ流れていきますが、予土線は江川崎で進路を北西に変え、四万十川に注ぎ込む広見川に沿って進むことになります。江川崎の次の次の駅・真土で愛媛県に入った列車は、坦々と残りの約30kmを走っていきます。僕も少しうとうとしまったでしょうか。そしてふと気づくと、列車はなにやら崖っぷちの急勾配を走っています。予土線完乗直前のおまけはこの急勾配です。予土線が予讃線と合流する北宇和島とその一つ手前の駅・務田との間に、びっくりするほどの長く急な勾配がありました。標準勾配26.1パーミル、20パーミル超の急坂の連続です。僕は務田からの下りでしたが、これが宇和島発の列車だったら、この急勾配を登っていくのはかなり難儀なのではないでしょうか。
▲半家駅を出てから見かけた沈下橋。りっぱな車道に見えますが、うっかり踏み外したりしないのかな。