毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

2007・年納め全国どさまわり行(その7;青海川駅)

【2009年9月29日の追記】

 2007年暮れのどさまわり記事を、書庫移設に伴いリバイバル掲載しています。

 さて長岡から普通列車でやってきたのが、新潟中越沖地震で甚大な被害を受けた青海川駅でした。僕はそれまで青海川駅を訪れたことがなく、いつか行こういつか行こうと思いつつのびのびになっていたら、その青海川駅が甚大な被害を受けてしまいました。そのようなところへ一介の旅行者がふらりと出かけることには躊躇がありましたが、復興が進んでいるということでちょっとおじゃまさせていただきました。

 今はもう青海川駅はすっかり復興を遂げて、新しい駅舎とホームが、日本海の海べりを走ってくる列車を迎えているのでしょう。また立ち寄ってみたいな、青海川駅

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135236.jpg青海川駅のお立ち台から見渡した日本海

 2007年11月28日、青海川駅

 長岡から乗った1342Mが、青海川駅に到着しました。
 
 海にとても近い駅としてつとに有名な青海川駅には今まで一度も来たことがありませんでした。みなさんのブログで青海川駅の様子を見るにつけますます行ってみたくなりました。そこに新潟中越沖地震が発生し、にわかに青海川駅がTVに登場するようになります。駅近くの崖が崩れて線路を押し流し、信越本線が長期間不通になってしまいました。繰り返しTVで放映される青海川駅付近の様子は目を覆うばかりに痛ましく、一日も早い復旧を願うばかりでした。

 そして今回、青海川を通る日程が組めそうだとわかったとき、訪れるべきか否か迷いました。信越本線は9月に復旧・運転再開してはいましたが、崖崩れ部分の復旧工事はまだ継続中とのことであったので、そのような震災の爪痕の残る場所に一旅行客が気安く立ち寄ってもよいのかという思いがありました。しかし、地震発生から半年近くが経ち交通網や生活面での復旧は概ねなされたであろうとの考えから、今回思い切って途中下車してみることにしました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135221.jpg 青海川を発つ1342M。

 途中下車したときの様子は11月29日付けの【社説】にすでに掲載させていただきましたので、ここでは多くは書きませんが、ホームに降りたとたん目に飛び込んできた土が剥きだしの崖の様子にはやはり動揺せざるを得ませんでした。復旧工事の過程の整地などの関係で土が露出したのかもしれず、土砂崩れ発生時の様子がそのまま残っているわけではなく、すでに土砂崩れ防止の真新しいコンクリートに覆われた部分も多くありましたが、それでも線路を広い範囲にまで覆ってしまった土砂崩れの生々しいすごさが伝わるには十分でした。駅から続く集落を歩いてみると、墓石が倒れたままだったり、瓦屋根が落ちるなどしたであろう屋根に青いビニールシートがまだ掛けられたままのところがあったり、住民の生活に強く結びついたところにも震災の後遺症はまだ残っていました。ここだけでなく、被害の大きかった柏崎など被災地のみなさんは、どんな新年を迎えられたのでしょう。まだ仮設住宅で暮らしている人も多いと聞きます。被災地のみなさんにとって2008年が災害のない良い年になるよう願わずにはいられません。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135231.jpg青海川駅のすぐ山手で進む崖崩れの復旧工事。鉄道は45km/hの徐行制限が続く。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135226.jpg 上りホームから見える波打ち際。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135241.jpg北越5号」が通過。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135245.jpg 続いて「くびき野2号」。

 それにしても、噂どおり、青海川駅は海に近く、すばらしい日本海の景色を楽しむことができますね。次の直江津行きまでの約一時間、集落の中を通って坂の上のいわゆる「お立ち台」へ行ってみたり、上り線のホームから日本海をぼんやり眺めたりして過ごしました。駅舎は小さくて狭い仮設の待合所があるだけでしたが、それでも中にはちゃんと駅ノートが据え付けられ、震災以降ここを訪れた人たちの励ましの言葉が多く綴られていました。崖の工事が終わって工事車両の出入りがなくなれば駅舎ももっとしっかりしたものに建て替えられることでしょう。今年の夏の海水浴シーズンには、新しくなった駅舎がたくさんの行楽客や旅行者を迎えてくれると思います。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135256.jpg 駅ノートは今も健在。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818135251.jpg ▲お立ち台から見渡す日本海にも夕暮れが近づいてきた。