毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ひさびさ中国鉄路(丹東→瀋陽北)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201403.jpg ▲朝の丹東駅前。

 日本ではNHKの「関口知宏の中国鉄道大紀行」が人気を博しているそうなので、僕も負けずに中国の鉄道を紹介していきたいところですが、最近なかなか乗る機会に恵まれません。

 ようやく9月22日、中朝国境の町・丹東へ行った帰りに列車に乗ることができたので、今日はそのレポートです。

 朝7時半、丹東はからりと晴れ上がり、抜けるような青空です。丹東駅前に屹立する毛沢東さんも、朝日を浴びてご機嫌よろしゅう。それにしてもいつも思うのですが、この毛沢東さんはどっちを向いて手を挙げているのかしら?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201445.jpg いったいどこ向く、毛沢東さん。

 待合室の中はまだそれほど人は多くありませんでした。朝日が窓から差し込んでちょっと明るい感じです。07:30発の山海関行き4302次列車が出たばかりで、この時間帯は08:14発北京北行きN116次列車と08:36発大連行きN140次列車があるだけです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201455.jpg 朝日差し込む待合室。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201449.jpg N116次列車の待合い場所。

 待合室には売店がずらりと並んでいます。その品揃えたるや、日本のキヨスクも顔負けでしょう。パン、カップラーメン、飲料、タバコ、スナック菓子、おつまみ、真空パックのおかず類、タオル、バッグ、シャンプー、石けん、トランプ、お茶用の保温ビン……中国では列車に乗ると言えば長旅のことなのだと思わせるラインナップです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201500.jpg 待合室に並ぶ売店

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201505.jpg ▲その品揃えは圧巻。中国で鉄道に乗るのはやっぱり長旅のイメージ。

 さあ、改札です。ぞろぞろと押し合いへし合いしながら狭い改札口を抜けてホームに上がります。ホームの駅名標にはハングル文字も書かれていてここが北朝鮮に近い場所だということを思い出させます。
 乗る列車は08:14発の瀋陽北行き116次列車。11両編成の客車列車です。前のほうから1号車、2号車の順にいちばん後ろが11号車。1号車から10号車までが「硬座」と呼ばれる普通座席車で、最後尾の11号車だけが「軟座」と呼ばれる、まあ日本で言えばグリーン車になるでしょうか、一等座席車です。
 客車の基本はYZ22型というもっともポピュラーな車両。色ももっともオーソドックスな濃緑色です。しかしよく見ると、YZ22B型、YZ22C形、YZ25B型と形式が混在しています。一両だけライトグレーにオレンジ色の帯の車両も混じっていてバラエティーに富んでいます。最後尾11号車の軟座車はRZ24型。この車両は数が少なく、なかなかお目にかかれないらしいです。車両の所属は「瀋局瀋段」、つまり瀋陽鉄路局の瀋陽分局の所属。最後尾は連結部がむき出しで無骨な印象を受けます。この日のN116次列車の牽引を担当するのは中国で最大勢力を誇る主力ディーゼル機関車「東風4D」型の「DF4D-0096」。クリーム色とエンジ色のツートンカラー。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201509.jpg ハングル表記もある駅名標

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201524.jpg サボは115次と116次の共通運用。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201519.jpg 基本の車両はYZ22型。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201515.jpg ▲この日の牽引担当は「東風4D」型のDF4D-0096。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201407.jpg 最後尾は無骨な感じ。

 ところで、「硬座」と「軟座」の違いですが、「硬座」は6人掛けと4人掛けのボックスシートが並び、シートは硬めの直角座席。一方「軟座」は4人掛けのシートだけで、シートはちょっとソファーっぽくて柔らかめ。カバーもちゃんとかかっていて、窓にはレースのカーテンなんかもあったりして、ボックスごとに備え付けのお湯のポットもあります。硬座は丹東から瀋陽北まで24元、軟座は38元です。でも座り心地はそんなに違わないので、丹東~瀋陽ぐらいの距離ならあえて軟座にするまでもないというのが僕の総務課です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201432.jpg これが軟座車のシート。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201439.jpg 軟座車の車内。

 向かい側のホームに「丹東-新義州」のサボを掲げた国際列車とおぼしき列車が入っていたことは前回レポートしました。その列車がいつ発車するのかわからないまま、こちらの発車時間になりました。
 08:14、N116次列車は定刻に丹東を出発です。瀋陽北までは280km、所要3時間32分の予定です。途中の停車駅は鳳凰城、本溪そして瀋陽の三駅のみ。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201422.jpg このへんはトンネルも多い。

 丹東を出発すると山間部の路線が続きます。瀋陽周辺と違ってこのあたりは山がちが地形が多く、トンネルも頻繁にあります。軌道は非常にしっかり作られているので、走りはいたって快適。10:40に本溪を出発すると、瀋陽まではあと87kmです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201428.jpg しっかりした軌道を快走。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818201416.jpg ▲本溪に到着。瀋陽まであと約一時間。