毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

またもどさまわり⑧(笹川流れ)

【2009年8月16日の追記】

 2年前のどさまわり記事のリバイバル掲載継続中です。

 みなさん、お盆はいかがお過ごしですか。台風や地震など天災が続く日本の今年の夏、思いどおりに帰省や旅ができなくなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。心からお見舞い申し上げます。

 さて、2年前の8月26日、初めて「笹川流れ」を訪ねました。雲の多い夕暮れでしたが、ぼんやりとながら日本海に沈む夕日を眺めることができました。海岸に並ぶ奇岩、思いの外透き通ってきれいだった水、「笹川流れ」ののどかな夕暮れを楽しむことができて、途中下車してよかったと思いました。すっかり夕闇に閉ざされた桑川駅のホームを走り抜けていく「いなほ14号」もかっこよかったです。そんなこんなを思い出しながら、リバイバル掲載、いってみましょー。

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https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133259.jpg ▲「笹川流れ」の日本海に沈む夕日。

 2007年8月26日、笹川流れ

 笹川流れ日本海に沈む夕日が見たくて、最寄り駅の桑川で「きらきらうえつ」を降りました。

 日本海の海岸に点在する数々の奇岩の間を盛り上がるように流れる潮流を、笹川集落の名にちなんで名づけられたという「笹川流れ」。奇岩の数々、日本海の海、日本海に沈む夕日、見どころたくさんの「笹川流れ」を訪れるのは初めてです。

 桑川駅は、なんの特徴もない、鉄筋コンクリートの建物の一角にある肩身が狭そうな存在。「道の駅 笹川流れ」夕日会館の片隅を拝借しているようです。一方「道の駅」のほうは物産販売コーナー、サンセットテラス、夕日レストランなど充実しています。その日の夕日情報も掲示されていて、この日は「夕雲」でした。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133303.jpg ちょっと殺伐とした桑川駅

 駅前は、狭い国道345号線を挟んですぐ日本海が広がっています。この国道345号線に沿って、北へ向かって笹川流れを歩いてみましょう。

 このあたりで有名な天然岩がきなどを扱う海鮮物店がいくつか並ぶ一角を抜けると笹川流れの遊覧船乗り場があり、そこから先は左手にずっと岩場の海岸が続くようになります。確かにこの日は夕日は雲の中に隠れていて、残念ながら水平線を沈んでいく夕日は拝めそうにありません。

 最初のトンネルをくぐり抜けると、巨岩とその足下に短い砂浜が広がります。日はまさに暮れなんとしており、砂浜に遊びに来ていた何組かの人たちもそろそろ引き上げようかという様子。この砂浜のあたりまで、夕日が夕日色の姿をわずかばかり雲の間から見せてくれていましたが、次のトンネルを越えると、その色合いも見えなくなってしまいました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133308.jpg 奇岩・巨岩の笹川流れ

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133312.jpg ▲夕焼け色の中を、そろそろ引き上げようか。

 次のトンネルを抜けると、今度は岩場の続く海岸線でした。国道から海岸線に下りてみると、水は思いの外きれいに澄んでいて、泳いでいる小魚も容易に見つけられます。だいぶ海に突き出た先の方の岩場の上に腰掛けて、のんびり暮れゆく日本海を楽しむことにしました。すぐ目の前には、大きな岩に自然が穴を穿った「眼鏡岩」。水深は浅く透き通っていて、ここを泳いで穴を通って行き来したらすごく気持ちいいだろうなと思いました。岩場でごつごつしているけれど、短いながら砂浜もあるし、泳ぎに来たらきっと楽しいところだと思いました。なにより海に入って海の中から陸を眺めると、短いトンネルをつなぎながら疾走する羽越本線の列車が見られそうな気がして、ますますここへもっとのんびり水遊びに来たくなりました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133317.jpg 水は透き通ってとてもきれい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133321.jpg 眼鏡岩。泳いで通り抜けたい。

 本当は桑川駅の一つ北の今川駅まで歩いて、今川駅から列車に乗ろうと思っていたのですが、あとどれぐらい距離があるかわからないし、ここでこうして岩場の上でまったりしてしまったし、このまま桑川駅へ戻ろうと思います。来るとき30分ちょっとかかったので、帰りも約30分のウオーキングです。

 だいぶ桑川駅に近づいてきた頃、走り去っていくディーゼルカーの列車が見えました。桑川駅発18:54の村上発酒田行き普通列車835Dのようです。この頃にはすっかりあたりは暗くなり、夜の風情です。
 僕が乗るのは桑川19:13発の新津行き普通列車832D。特急は停まらないのに意外に広々とした構内を持つ桑川駅のホームで待っていると、まず「いなほ14号」が駆け抜けていき、それから832Dが到着しました。キハ110形の二両編成。真っ暗闇の中を軽快に走ります。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133325.jpg ▲午後7時をまわった桑川駅。新潟方を望む。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133329.jpg 新津行きキハ110形普通列車

 新発田到着20:15。向かい側のホームに停車している20:17発の新潟行き普通列車668Mに乗り換えます。115系電車です。交換する列車が遅れたためこちらも数分遅れて発車。新発田を出てすぐに、「ムーンライトえちご」にやがて変身する3947M快速「らくらくトレイン村上」とも交換して、終点新潟にも数分遅れて到着しました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818133333.jpg 新発田発新潟行き668M。

 これで「土・日きっぷ」を使った「きらきらうえつ」の象潟・笹川流れの旅は概ね終わりました。あとは上越新幹線の東京行き最終「MAXとき352号」の乗って東京へ帰るだけです。

 ところがこの「MAXとき352号」、おそろしいほどの大混雑!どうも新潟でJリーグの試合があったらしく、そのサポーターたちで指定席車も自由席車も埋まりに埋まっています。驚きでした。
 そのせいもあって、また時間がもう夜9時過ぎということもあって、駅構内の売店には駅弁など夕食になるものはほとんどなく、食料の調達に苦労しました。結局、「MAXとき352号」の車内の売店に駅弁はあったのですが、乗る前に買えないと不安です。

 さて、新潟発車です。まずは「エチゴビール」と鮭の漬け焼きで乾杯といきましょう。