毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

シベリアを越えて(Long Summer Vacation;その60)

f:id:mainichigaharu:20191206001601j:plain▲夏の緑潤うシベリアの大地の上空を絶賛飛行中。

 2018年7月26日、時差6時間。

 時間をかけてゆっくりランチを楽しみ、デザートを食べ終える頃には、JL413便はシベリアの大地の上空を絶賛飛行中です。眼下に雲はほとんどなく、緑に覆われたシベリアの果てしない大地が広がっています。たまに羊みたいな雲がぽっかり浮いていると、その雲の影が地上にくっきりとできて、夏!って感じです。

 シベリアの大地には、緑の絨毯のところどころを川が蛇行しながら流れ、川の近くには小さな集落が見えたりします。冬は酷寒の厳しい生活を強いられるのでしょうけれど、夏の緑に覆われた季節は爽やかで気持ち良さそうです。

 

f:id:mainichigaharu:20191206001555j:plain▲離陸後2時間半ほど経った頃。蛇行する川の近くに小さな集落も見えました。 

 

f:id:mainichigaharu:20191206001608j:plain▲雲の影がくっきりと地上に落ちて、シベリアの大地が続きます。

 ランチが終わると機内の照明が落ち、お休みタイムになります。日本時間はまだ午後3時くらいですが、ヘルシンキに到着するのは日本時間の午後9時とかそこらなのに現地時間ではまだ午後3時頃で寝る時間まではまだまだあるので、今のうちに昼寝をしておくことは時差ぼけ回避には必要かもしれません。しかし、日本時間が昼間では、そう簡単には眠くならない人もいるわけで、僕も含めてそういう人は読書をしたり映画を観たりしながらまったりと暗い機内で時間を過ごします。それはそれで楽しいものです。

 

 さて、日本時間の19時20分頃、離陸から8時間ちょっとが経つと、到着前の軽食タイムです。ヘルシンキ到着まであと1時間と少しというところです。機内が再び明るくなり、ブラインドを上げる乗客も多く(B787の窓は窓から入る光量を押しボタンで5段階で調節できる電子カーテンなので、上げ下げするシェードはないんですが。)、朝を迎えた気分で到着に備えます。日本時間の20時、フィンランド時間の14時を過ぎると、眼下にはフィンランドの湖水地方の水の豊かな大地が広がってきました。

 

f:id:mainichigaharu:20191206001615j:plain▲フィンランド南東部の湖水地方、南サヴォ県の入り江。ヘルシンキの北東約300km地点。

f:id:mainichigaharu:20191206001621j:plain▲ウーシマー県(Uusimaa)Mäntsäläの小さな集落。田園風景がなんとものどか。

f:id:mainichigaharu:20191206001629j:plain▲同じくMäntsäläの森と森にはさまれた田園地帯。ますますのどか~~。

f:id:mainichigaharu:20191206001633j:plain▲ウーシマー県ハルキア村(Halkia)あたりに広がる森と畑。

f:id:mainichigaharu:20191206001639j:plain▲ヘルシンキ空港の北東、ケラヴァ(Kerava)の町。右下にケラヴァの駅が。

f:id:mainichigaharu:20191206001644j:plain▲奥に見えているのはトゥースラ湖(Tuusulanjärvi)。 

 

 ヘルシンキ・ヴァンター国際空港には、現地時間14:28にRWY22Lに着陸。日本とフィンランドの時差は7時間ですが、夏はフィンランドで夏時間が採用されているため、時差は6時間になります。ということは、この日のJL413便の飛行時間は9時間18分。ジェット気流の弱い夏とは言え、向かい風の中を飛び続けて9時間台前半で到達できるのだから、ヘルシンキは日本にとってほんとにヨーロッパの入口、ゲートウエイだなと感じます。

 着陸直後に、沖停めになってバスでターミナルビルへ移動するとのアナウンスがありましたが、駐機スポットまでのタキシング中にゲートが空いたらしく、14:39にいちばん端っこのゲートにスポットインしました。たぶんS55番ゲートだと思われます。

 

f:id:mainichigaharu:20191206001648j:plain▲いちばん端っこのゲートに到着したJL413便。

 快適だったJALのビジネスクラス「JAL SKY SUITE Ⅲ」を降りなければならないのはまことに惜しいが、やむを得まい。

 降機した乗客たちにくっついてぞろぞろと歩いていくと、乗継客用保安検査場があり、ここはかなりの長蛇の列。この時間帯はアジア各地からのフライトが続々到着する上、乗継客が非常に多いので、ここの保安検査場はいつも大混雑している印象です。それだけヘルシンキが東方から来る人にとってのヨーロッパへのゲートウエイだということなのでしょうね。

 保安検査を受けて更に前進すると、入国審査場。日本と韓国のパスポートを持っている人は、顔認証ゲートの方を通れるので待たされることなく通過できます。日本の顔認証システムと違って、ゲートを抜けたあと必ずその先のカウンターで立ち止まり、パスポートにスタンプを押してもらう必要があります。

 こうして抜けた先のエリアは、シェンゲン・エリア。国境検査なしで国境を越えることを許可する協定「シェンゲン協定」に加盟している国(2019年4月現在、26ヶ国)へ行くフライトが発着するエリアで、5番ゲートから31番ゲートまでがあります。なので、フィンランドの国内線フライトだけでなく、ヨーロッパ各国へ行く国際線フライトが多数出ていて、出国審査なしで搭乗することができるのです。行き先がヨーロッパ各地なのでほとんどが短距離路線ということで、シェンゲン・エリアのゲートに入っている飛行機はA320などの小型機が圧倒的に多いですね。

f:id:mainichigaharu:20191206001653j:plain▲シェンゲン・エリアで見かける飛行機は小さい機材のものが圧倒的に多いです。