毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

青森空港上空で着陸待ち(Long Summer Vacation;その55)

f:id:mainichigaharu:20191206001830j:plain▲青森行きの一番便JAL141便で関東平野上空を高度を上げながら飛行中。

 2018年7月23日、交直切替。

 朝06:53に羽田空港国際線ターミナルにスポットインしたホーチミンシティからのJL070便を降り、入国審査などを済ませて到着ロビーに出たところで、国内線チェックインカウンターへ直行します。

 JALでは、羽田空港でのJALグループ国際線からJALグループ国内線への最低乗継時間を70分と定めています。乗継時間がこれより短いと、国内線・国際線の通しチケットは発券してもらえません。JAL070便の所定到着時刻が06:55で、次に乗る青森行きJAL141便の出発時刻は08:00なので、乗継時間は65分。通しチケットだと発券してもらえないケースですが、僕は国際線と国内線をバラバラに購入してあるので、自己責任で乗継にトライするというわけです。
 

f:id:mainichigaharu:20191206001835j:plain▲朝の関東平野の向こうに壁のように連なる丹沢山地と富士山のシルエットが。

 羽田空港には、ターミナル間を移動する手段として、東京モノレールと京急のほか、ターミナル間連絡無料バスも走っているのはよく知られています。が、もう一つの移動手段として、JALとANAがそれぞれ、国際線から国内線への乗継限定で専用バスを運行しています。1日のうち運行しない時間帯があったり、運行しても20分に1本だったりで、知名度は今ひとつのように感じますが、うまく乗れればこれはかなり便利でラク。なぜなら、この専用バスは空港の制限エリア内を走るので、国内線ターミナルでバスを降りると直接搭乗口へ行けるからです。そのため、国際線ターミナルでバスに乗るときにセキュリティチェックを受けなければなりませんが、利用者がものすごく少ないので並ぶことはまずなく、ストレスフリーで国内線の搭乗口まで前進することができます。国内線ターミナルのあの混雑したセキュリティチェックの列に並ばなくてもいいだけでも、この専用バスの利用価値はあります。

 僕は07:20発の専用バスに乗れたので、混雑知らずで実に快適にかつスムースに国内線第1ターミナルの34番ゲートまで移動することができました。

f:id:mainichigaharu:20191206001841j:plain▲中央は千葉県立柏の葉公園、右端の建物群は東京大学柏キャンパス。

 これから乗る08:00発の青森行きJAL141便は、34番ゲートからの出発。バスで沖停めの飛行機まで移動して搭乗するバスゲートです。今日は満席ですとの機内アナウンスが流れる中、07:45に搭乗し、15番A席に着席。スーツ姿も多いですが、家族連れや和服姿の女性グループなども見られ、夏休みシーズンに入ったのかしらと思わせます。

 この日の機材は、レジJA-345JをつけたB737-800。07:59にドアが閉まり、08:02にプッシュバックし、08:07にタキシングが始まりました。タキシング中に機内アナウンスで、青森空港は霧が出ているので羽田へ引き返す可能性ありとのこと。えっ、青森方面、そんなに天気悪いの??

▲奥のレース場みたいなのは栃木県河内郡上三川町にある日産栃木自動車大学校。

 JAL141便は、08:18にRWY34Rから離陸。関東地方はカラリと晴天というほどではないまでも、離陸後しばらくは地上の景色がよく見え、特に西の方は、関東平野を遮る壁のように横たわる丹沢山地と、その向こうに富士山もシルエットになって見えています。眼下に目を移せば、東関東、北関東の地上の景色が目に入ってきます。

 離陸後10分ちょっとで、左奥に競馬場を巨大化したような楕円形のトラックが見えたので、「ツインリンクもてぎ」かしらと思ったら、それは「日産栃木自動車大学校」の全長6.5kmの高速耐久テストコースらしい。栃木県内にはこういう自動車関連施設が多いような気がします。

 更に数分飛ぶと、眼下にどこかの駅が見えてきました。調べてみると、これはJR東北本線の黒磯駅ですね。東北新幹線も重なるように走っているはずですが、新幹線高架までは見えません。

 

  黒磯駅と言えば、東北本線を走る夜行列車時代を知る者には忘れられない駅ですよね。黒磯駅は昔から交流と直流の切り替え駅で、上野方面と東北方面を直通する客車列車は、客扱いの有無を問わず黒磯駅で停車し、機関車の付け替えを行ったものです。僕が乗ったことがある限りでも、急行「八甲田」、急行「津軽」、寝台特急「あけぼの」などで深夜の黒磯停車を経験しました。上野方面からEF65かEF58に牽かれてやってきて、ED75かED71にバトンタッチするというパターンだったと思います。うーん、なつかしい。最近だと、2018年1月から、黒磯駅の盛岡方に新たにデッドセクションが設けられたことで構内が完全直流化され、交直の地上切替が廃止されたことがニュースになりましたよね。とっくに客車列車はなくなっているし、黒磯駅を跨いで運行する定期列車もないので、特段の感慨はありませんが。

f:id:mainichigaharu:20191206001853j:plain▲ほぼ中央にJR東北本線の黒磯駅。下側でS字を描いているのは国道4号線。

f:id:mainichigaharu:20191206001858j:plain▲緑色に広がる一帯は会津盆地。会津若松市の市街地が見えますね。

f:id:mainichigaharu:20191206001904j:plain▲猪苗代湖、湖面がなかなかいい碧色を見せています。

 さらに数分飛ぶと、眼下には紺碧の湖面を見せる猪苗代湖、その奥には会津平野が広がり、会津若松市の市街地も見えています。

 このあたりでキャプテンの機内アナウンスがあり、青森空港周辺の霧は徐々に晴れてきているとのこと。これでほっとひと安心。引き返すことはまずないでしょう。

 一方、羽田離陸後、ほとんど雲のない中を飛んできましたが、このあたりから少しずつ雲が散らばりはじめ、08:45頃からは眼下は完全な雲海となってしまいました。


f:id:mainichigaharu:20191206001911j:plain▲米沢市街地が眼下に広がっていますが、だんだん雲が増えてきて……

f:id:mainichigaharu:20191206001916j:plain▲やがて地上の景色は厚い雲ですっかり覆われてしまいました。

 雲上飛行のまま最終の着陸態勢になり、高度が下がってきましたが、少し前まで着陸できないほどの濃い霧がかかっていたのは本当で、この時間帯に青森空港に着陸する便は上空で待たされていたようで、着陸の順番待ちのため、我らがJAL141便も上空で旋回待機となりました。08:55着の名古屋小牧からのFDA361便、09:00着の大阪伊丹からのJAL2151便、そして09:15着の我らがJAL141便が青森空港上空の雲の上をぐるぐる回ってるわけね。

 やがて着陸許可が出たと見え、いつの間に陸奥湾上空に出てぐるりと回ったのかもわからないままようやく雲が切れて地上が見えたかと思うと、青森は雨模様。霧だけかと思ってたら、けっこうな雨降りだったんですね。

 あとでFlightradar24で調べてみたら、この日のFDA361便、JAL2151便、JAL141便はそれほど遅れずに到着したわけですが、このあと青森空港周辺の天候は悪化したようで、大阪伊丹を08:46に出発したANA1851便は行き先を函館に変更し、その機材を使って札幌新千歳行きになるはずだったANA1897便は欠航、札幌新千歳を10:00に出発したJAL2803便は札幌新千歳に引き返しになり、その折り返しで札幌新千歳行きになるはずだったJAL2804便が欠航するという状況になってました。ああ、無事に着けてよかった。

f:id:mainichigaharu:20191206001922j:plain▲上空待機ののち着陸許可が出てここまで下りてきても雲が低い!

f:id:mainichigaharu:20191206001927j:plain▲霧が出てるだけかとおもったら、しっかり雨降りなんですね……

 雨の中を09:24にRWY24にランディング。タキシングしてターミナルビルが近づいてくると、いちばん奥の方のゲートには、名古屋小牧からのFDA361便が入っているのが見えます。おっと、これは今まで見たことのないカラー。レジJA-08FJをつけたFDAの8号機、カラーはティーグリーンのようです。いちばん静岡らしいカラーかもね。

 こちらがスポットインしてその左に入っているのは、大阪伊丹からのJAL2151便。この日の機材はレジJA-252JをつけたJ-AIRのエンブラエル190です。

 スポットインしたJAL141便から降機して降りてきた飛行機を撮影しようと窓の外を見ると、ティーグリーンのFDA機はプッシュバックされてこれからタキシングを始めようというところ。09:25発のFDA362便として名古屋小牧へ折り返していくようです。

 それにしても、霧で引き返さずに済んだだけでなく、上空待機になってもそれほど遅れずに済んでよかったです。


f:id:mainichigaharu:20191206001931j:plain▲折り返し大阪伊丹行きJAL2152便になるJ-AIRのエンブラエル190。

f:id:mainichigaharu:20191206001939j:plain▲それほど遅れずに到着できたJAL141便。向こうでFDA機がプッシュバック完了。