毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ハノイ市内、水没。(Long Summer Vacation;その47)

f:id:mainichigaharu:20190825232642j:plain▲ベトナム人のお宅におじゃまして手料理をいただくことに。おいしそ~~♪

 

 2018年7月21日、ごちそう。

 

 ヴァンフックのシルク村、機織り工房が見られてなかなか楽しかったです。シルク製品は一つも買わなかったけど(笑)。

 

 さて、このあとは、我らがベトナムの友人ハンさんが、我々を自宅に招いてごちそうしてくれるそうです。シルク村の入り口でタクシーをつかまえ、ハンさんちへ行こうとしますが、どうもタクシーの運転手が行きたがっていない様子。ベトナム語でのやりとりなのでさっぱりわからないのだが、ハンさんに聞くと、どうも大雨でハノイ市内の道路がいたるところで水没しているらしい。えーーっ、マジっすか!!このあたりは全然なんともないのに……

 

 とにかく行けるところまでということで、タクシーで前進することに。どこをどう走ったのか全然わからないのだけれど、水没のせいか激しい渋滞の中をどうにか走って、やがて本当に水没している大通りとの交差点までやってきて、ここでジ・エンド。運転手がもうここまでということで、タクシーを降ろされました。

 

f:id:mainichigaharu:20190825233022j:plain▲ベトナムは雨はよく降るでしょうに、意外に水はけが悪かった。

 

f:id:mainichigaharu:20190825233026j:plain▲車道はこのとおり。歩道はぎりぎり水没を免れていたのでまだ助かった。

 

 けっこう広い幹線道路がすっかり水没してますが、車もバイクも走れないというほどではなく、ざぶざぶと白波を立てて走ってます。しかし、こんな水の中を歩きたくはない。さいわい、水没しているのは車道部分だけで、歩道は一段高くなっているせいかぎりぎり水没を免れています。タクシーを降りた我々は、縁石を伝ってそろそろと前進し、まずは道路が水没しても元気に営業中の小さなローストチキン屋に立ち寄り、店頭に炭火を出して一羽丸ごとのチキンを網ではさんで焼いてます。見るからに香ばしそう。ここで焼きたてのローストチキンを一羽調達し、更にそろそろと進むことしばし、ようやく水没していないところまで出てきて更に行くと、ついにハンさんの住む団地に到達できました!いやー、一時はどうなることかと思った!

 

 ハンさん一家が住んでいるのは、1階に雑貨店や食堂などが入った住居棟が敷地の中にいくつか並んでいる団地の中の1棟。特に印象的だったのは、建物周りの道々や、ハンさん一家の家があるフロアの廊下などを、ちっちゃい子どもたちがたくさん元気に走り回って遊んでいること。おじゃましたのは夕刻でしたが、どの家も玄関ドアを開けっ放しにしていて、隣近所の2、3歳の子どもが勝手に走り込んで遊びに来ることも。どっちを向いても元気な声が響きわたり、活気にあふれています。こんな光景、日本(特に東京とかの都会)では今はもう失われてしまったよね……なんだかちょっとベトナムがうらやましく感じました。

 

f:id:mainichigaharu:20190825233031j:plain▲ネムザン(nem rán;揚げ春巻き)を作ります。

 

f:id:mainichigaharu:20190825233035j:plain▲巻き上がったものをフライパンで揚げ焼きします。

 

f:id:mainichigaharu:20190825233040j:plain▲お~、できあがったネムザンは見るからにパリパリでおいしそ~。

 

 ハンさんの旦那さんとそのご両親、去年生まれたばかりの娘さん、そして旦那さんのお姉さんだったかな?が迎えてくれて、ハンさん一家のお宅に到着。ベトナム人のごく普通の生活の中に入り込めて、とてもうれしいぞ!

 

 ハンさん一家は、今まさに我々のために晩ごはんの支度中。ハンさんの旦那さんと我々は、ビールを飲みながらまったりと料理ができあがるのを待つだけで、申し訳ないような至福のような。

 

 しかし、ネムザン(nem rán)を作る段になると旦那さんも出番です。日本人もよく知ってるベトナム料理と言えば「生春巻き」がありますが、ネムザンはそれを揚げたもの。ただし生春巻きはシーフードを巻きますが、ネムザンはお肉や野菜を刻んだものを巻きます。乾いたままのライスペーパーで具をくるくると巻いて棒状にし、これをフライパンで揚げ焼きにしてできあがり。見るからにパリパリとした感じでおいしそうです。 

 

f:id:mainichigaharu:20190825233046j:plain▲僕の大好きなタケノコ(măng)の炒め料理。

 

f:id:mainichigaharu:20190825232627j:plain▲エビやキュウリやレタス、ハーブ野菜のサラダ。

 

 ハンさん夫婦がネムザンを作っている間に、おかあさんなどが続々とそのほかの料理を作っていきます。タケノコのことをベトナム語で「măng」といいますが、僕はタケノコを使ったベトナム料理が大好きでして、タケノコ料理がてんこもりでうれしいです。エビやキュウリやレタスやハーブ野菜を使ったサラダも完成。東南アジア的な酸味のドレッシングとハーブ野菜があいまって、独特な香りと味が楽しめるさっぱりサラダです。

 2016年の夏にハンさんの案内で訪れたタムダオの高原避暑地でよく出てきた豚肉炒めがここでも登場。おいしいんですよねー。そしてさっき水没した大通りに面した小さなお店で焼き上がりを買ってきた炭火焼きのローストチキンもざく切りにしてお皿に盛られています。

 ハンさんがネムザンのつけだれをささっと手作りしてお碗に入れて出して、お料理完成。ものすごいごちそうです。

 あっ、一つだけ、ビミョーな一品がありました。それはスープ。いちばん上の冒頭の写真に見えてますが、アサリとグレープフルーツのスープなんです。これに青ネギやキュウリのスライスをたっぷり散らして、スープは白濁した塩味。ハンさんは「いや、これおいしいんですよ」と言うけれど、アサリとグレープフルーツを塩味スープで食べるというのは初めての組み合わせ。悪くはないです。きっと慣れればおいしいに違いない。

 ああ、ハンさんファミリーと食卓を囲んでベトナムの家庭料理をつつきながらわいわいがやがや、とーっても楽しい夕食でした!
 

f:id:mainichigaharu:20190825232632j:plain▲ハノイの北西にあるタムダオ高原に行った時もでもよく出てきた豚肉炒め。

 

f:id:mainichigaharu:20190825232637j:plain▲水没した大通りの道ばたで買ってきた炭火焼きのローストチキン。香ばしい。