毎日ヶ原新聞

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城端線初乗車、そして完乗。(Long Summer Vacation;その27)

イメージ 3▲城端線初乗車は高岡10:59発の城端行き9337Dで。

 

 2018年7月14日、べるもんた。

 

 前夜は富山市内で旧友たちと「富山湾鮨」などをつまみつつ富山の地酒を堪能して、富山駅前のホテルに引き続き投宿。明けてこの日の用事は午後3時からなので、ちょっとショートトリップということで、まだ乗ったことがないJR城端線に乗ってみることにしました。

 

 富山駅からは、あいの風とやま鉄道、10:12発の泊始発高岡行き普通列車542Mでスタートします。あいの風塗装の521系4両編成で、富山から高岡まで所要19分で、終点高岡には10:31に到着します。3番線に到着し、城端線の列車が発着する1/2番線ホームへ移動しますが、3~7番線ホームは普通に隣り合っているのに、1/2番線ホームはものすごく離れた場所にあり、跨線橋をかなり歩いていかなければなりません。

 

イメージ 7▲高岡駅3番線に到着したあいの風とやま鉄道の542M。

 

 城端線の1/2番線ホームがこんなに離れているのは、のちの北陸本線となる官設鉄道より先に、栃波地方の農産物を伏木港に輸送することを目的として地元資本により設立された中越鉄道が先に開通開業したかららしいです。中越鉄道は日本海側で最初の私設鉄道であるとともに富山県で最初に開業した鉄道でして、1897年(明治30年)5月4日に、今の新高岡駅のちょい南に設けられた黒田仮停車場と福野の間が開業します。今の城端線の一部ですね。この頃、北陸本線の方は、敦賀方から小松までしか開通していません。

 

 その後延伸を重ね、翌1898年(明治31年)1月2日に高岡駅~城端駅間が全通します。官設鉄道の方の金沢駅~高岡駅間が延伸開業して官設鉄道の高岡駅がオープンするのが同じ年の11月1日。1909年(明治42年)4月5日、官設高岡駅が共同使用されることになり、中越鉄道高岡駅の方は廃止されます。つまり、1898年から1909年までは、中越鉄道の高岡駅の駅舎が、たぶん今の1/2番線ホームの近くにあったんでしょうね。

 

イメージ 9▲高岡駅1/2番線ホームから、さっき降りたばかりの3番線の542Mを望む。

 

イメージ 8▲何本もの線路をはさんだ向こうの下り本線をコンテナ貨物列車が疾走してきました。

 

 そんな歴史を持つ城端線の列車が発着する1/2番線ホームに立って、3~7番線ホームの方を眺めると、何本もの側線が間にはさまって、その離れ具合がよくわかります。あいの風とやま鉄道や氷見線との乗換にはけっこう時間を要しそうです。

 

 1/2番線ホームにある駅名標には、隣の駅として新高岡しか書いてありません。反対側の隣の駅としては、JR氷見線の越中中川、あいの風とやま鉄道線の高岡やぶなみ、越中大門がありそうですが、それらは記されていません。1/2番線は完全に城端線の列車に特化しているということなのでしょう。

 

イメージ 1▲高岡駅1/2番線ホームの駅名標は完全に城端線に特化し、隣駅表示は新高岡駅のみ。

 

 さて、これから乗るのは、10:59発の城端行き9337D。列車番号は9000番台ですが、毎日走る定期列車です。2両編成で、前方城端方の車両は、前日に富山から乗った1328Dにも連結されていた「忍者ハットリくん」ラッピング車両の別バージョン車両です。車番はキハ40-2135です。後ろの車両はタラコ色のキハ40-2084です。運転席上部の中央にある巻き取り式表示幕は、「普通」などの列車種別ではなく、「城端」と行き先が表示されるんですね。

 

 車内は、ドア脇こそロングシートになっていますが、それでもボックスシートは通路の両側に6ボックスずつあり、褐色のモケットのボックスシートが並んでいる姿はまさに国鉄車両です。

 

イメージ 2▲先頭車両は「忍者ハットリくん」ラッピング車両。前日富山から乗ったのとは別バージョン。

 

イメージ 4▲車内にはボックスシートが並び、昔ながらの国鉄車両って感じ。

 

イメージ 5▲モケットは褐色、テーブルはなし。すいているので、足を投げ出して行けそう。

 

 8337Dは定刻10:59に高岡駅を発車し、発車後すぐに左へ大きくカーブし、針路を南に向け、1.8km、3分で、新幹線開業で新設された新高岡駅に到着。ちょうど11:10発の東京行き「はくたか560号」に乗り継げますね。

 

 新高岡駅の南側一帯の地名に「下黒田」、「上黒田」、「黒田新田」というのが残っているので、中越鉄道時代の「黒田仮停車場」はそのあたりにあったのでしょう。

 

 新高岡駅の次の駅は、二塚駅。新幹線の高架より南に出ると、田園風景が広がるようになりますが、二塚駅の周辺も青々とした田んぼが広々と広がっていて気持ちがいいです。二塚駅の次は林駅、その次は戸出駅です。

 

イメージ 6▲新高岡駅の次の二塚駅。田園風景が広がって、気持ちいいですね~。

 

イメージ 7▲戸出駅は相対式ホーム2面2線があって列車の交換が可能。

 

 戸出駅には11:13に到着し、3分停車。相対式ホーム2面2線があって列車の交換ができるので、対向列車待ちだなと思っていると、やってきたのは、2015年10月からの「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせて誕生した城端線と氷見線の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール(Belles montagnes et mer)」、略して「べるもんた」でした!

 

 「べるもんた」は、土曜日は城端線を、日曜日は氷見線を走るダイヤになっており、このときやってきたのは8372D快速「ベルモンターニュ・エ・メール52号」高岡行きです。車両はキハ40-2027。すし職人が乗務し、車窓の風景を楽しみながら、「ぷち富山湾鮨セット」や「ほろ酔いセット」などが楽しめるそうな。

 

 ちなみに、日曜日の氷見線コースの場合は、1~3号の運行区間は新高岡~氷見で、城端線と氷見線を跨ぐので、高岡駅のいちばん北側にある氷見線の7番ホームと、南側のはずれにある城端線の1/2番ホームを、高岡駅構内の入替え線を渡りながら移動します。名古屋発の特急「ひだ」と大阪発の「ひだ」の岐阜駅での併結や、上り寝台特急「富士・はやぶさ」の門司駅での併結を彷彿とさせますが、高岡駅の広い構内の端から端までなので、よりダイナミックな転線が楽しめそうな気がします。そのためだけにでも乗ってみたいなあ。 

 

イメージ 8▲交換待ちの戸出駅にやってきたのは「べるもんだ52号」。