毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ちょっと函館行ってきた(その2)

イメージ 1 ▲湯ノ島や鴎島なども含めて浅虫温泉全体がこんなにくっきりと。海もきれいだなあ。

 

 2019年6月1日、行ったことない下北半島。

 

 羽田空港を出発した函館行きADO059便は、順調に飛行を続け、陸奥湾上空にさしかかってきました。

 

 しかしまあ青森県上空、陸奥湾上空、津軽海峡上空、すさまじく良い天気で、緑萌える陸地と紺碧の海のコントラストがあまりにも鮮やか。しかも、函館空港に向けて早くも高度が下がってきている機内からは、地上の景色がくっきりと見えて、目が離せません。

 

 青森市街地東部を右下に見ながら陸奥湾上空に抜けると、次に右側に見えてくるのは、青森市の奥座椎・浅虫温泉の一帯。温泉街の沖に浮かぶ「湯ノ島」もはっきり見えます。「湯ノ島」は周囲1.7km、弁財天宮があり、古くから島そのものが信仰の対象となってきました。浅虫のシンボル的な島ですね。確か海岸の方からは赤い鳥居も見えるはず。そしてそのあとは、ハクチョウの渡来地として知られる夏泊半島の全貌が見えてきます。

 

イメージ 2 ▲夏泊半島の全貌。右の方に浅虫温泉の市街地や湯ノ島が小さく見えてます。

 

 陸奥湾上空を更に北へ飛ぶと、次は下北半島が見えてきます。マサカリ形をした半島の西辺、マサカリの刃にあたる部分に沿って北へ飛ぶような形になります。

 

 マサカリの刃の下端、つまり下北半島の最西南部、最も津軽半島に近いところはむつ市脇野沢(旧・下北郡脇野沢村)。下北半島と津軽半島の間は平舘海峡といいまして、最も狭いところの幅は8kmしかありません。青森市内から脇野沢へ行くには、陸路だと、青森駅前から1日2本ある下北バスでむつバスターミナルまで2時間48分、それから1日4本ある田名部発脇野沢庁舎行きJR東北バスで約1時間25分。最速だと、青森駅を15:00発のバスで発ってうまく乗り継げれば、脇野沢庁舎前には19:17に到着でき、所要4時間17分です。しかし、青森駅近くの乗り場から「シィライン」の船で行くと、脇野沢までたったの1時間!陸路で行くのの四分の一以下の所要時間で行けてしまいます。「シィライン」は高速船で車両は積載できませんが、津軽半島の蟹田と脇野沢を結ぶ「むつ湾フェリー」なら乗用車20台まで積載可能で所要時間1時間なので、車両の場合も蟹田経由にした方が半分ぐらいの所要時間で行けます。

 

イメージ 3 ▲下北半島、マサカリの刃の部分の南辺の海岸線。手前が脇野沢、ずーっと奥が大湊線大湊駅のあるあたり。

 

イメージ 4 ▲脇野沢地区の中心集落。右上に見える舟影は脇野沢15:30発の「むつ湾フェリー」蟹田行き4便かも。

 

 マサカリの刃の中央部分には恐山山地がえんえんと広がり、ほとんど平地はありません。ほんの少しある平地で田んぼなどがあるのは、旧・川内町と旧・佐井村が接するあたりの、川内ダム建設にともなってできた「かわうち湖」のあたり。機上からも、「かわうち湖」の湖面とそこにかかる橋がとてもよく見えています。本州最北の人造湖らしいです。

 

 下北半島きっての景勝地と言えば、巨岩の断崖や奇岩の連なる「仏ヶ浦」が最も有名で、津軽海峡をゆくフェリーは夏場は「仏ヶ浦」寄りに航路を変えて目を楽しませてくれます。さっき機上から脇野沢一帯がよく見えたので、「仏ヶ浦」もよく見えるに違いない!と期待したのですが、真下過ぎて見えなくて残念。

 

 「仏ヶ浦」の少し北側からは海岸線が見えるようになり、佐井村の長後漁港のあたりから磯谷漁港あたりまでの海岸線は、漁港に小さな集落が寄り添っている以外は、国道338号線(海峡ライン)がぐねぐねと曲がりながらかろうじて海岸線に沿って通じているばかりで、海岸線ぎりぎりまで山々が折り重なって迫る、下北半島の自然の豊かさや厳しさが、上空から見るとますますよく感じられました。このあたりを少し北へ行くと、村役場もある佐井村の中心集落が見えてきます。漁港もさすがに大きいですね。

 

イメージ 5 ▲本州最北の人造湖「かわうち湖」。川内ダムは「かわうち湖」のいちばん奥にあります。

 

イメージ 6 ▲山々が折り重なって海岸線ぎりぎりまで迫る下北半島。海岸線の右端が佐井の長後漁港、左端が磯谷漁港。

 

イメージ 7 ▲村役場や大きな漁港もある佐井村の中心集落。「仏ヶ浦」の遊覧船もここを発着します。

 

 そして、下北半島の最西北部、本州最北端の岬である「大間崎」が見えてきました。「大間のマグロ」と言えばもはや知らない人はいないでしょう。今年1月に東京豊洲市場で豊洲移転後初めて行われた新春初競りで大間産の278kgの大物マグロが3億3,360万円という史上最高値で競り落とされたことは記憶に新しいでしょう。津軽海峡に面した大間に揚がる海産物は、マグロだけでなく、ウニやモズクも絶品です!

 

 ここ下北郡大間町は、本州最北端の自治体で、これまた青森市から陸路だけで来ようとするとまことに遠い。向かい合う北海道亀田半島最南端の岬・汐首岬と大間崎との距離は、津軽海峡をはさんでわずか17.5km。大間~函館間には「津軽海峡フェリー」が1日2便を運航しており、所要時間は1時間半。なので、大間の人たちは、東京あたりからだと飛行機で函館に飛んで函館からフェリーで大間に帰るというのが普通らしいです。視聴できるテレビも北海道のチャンネルの方が多いらしいし。

 

イメージ 8 ▲下北半島最先端、本州最北端の自治体・大間町が見えてきました。

 

イメージ 9 ▲大間崎とその沖合600mの弁天島。弁天島には大間崎灯台が設置されています。
 
 ADO059便は、津軽海峡を越え、最終の着陸態勢です。ぐんぐんと高度が下がってきましたが、右側の機窓からは、函館市の東部、亀田半島の海岸線が見えています。その奥の方に、まだ雪をかむった山が見えていますが、あれはなんでしょうか。大沼公園のところの駒ヶ岳とは明らかに形が違うけれど、じゃあ噴火湾越しですか。まさか羊蹄山?見えますかね?

 

 北海道らしい広い畑が続く大地が近づいてきて、定刻よりかなり早く15:45にRWY30にランディング。スポットへタキシングする機窓からは、15:50発の台北桃園行きBR137便、レジB-16206をつけたエバー航空のA321-200が見えました。こちらは15:47にスポットイン。空港からはバスで函館駅前へ向かいます。

 

イメージ 10 ▲亀田半島の海岸線を見ながら降下中。冠雪のあの山はどこの山か。まさか羊蹄山?

 

イメージ 11 ▲北海道らしい黒土の広い畑が続く大地がぐんぐん近づくうちに函館空港に着陸。

 

イメージ 12 ▲ターミナルビルには台北桃園行きBR137便が入っていて、まもなく出発するもよう。

 

イメージ 13 ▲久しぶりにやってきました函館空港。定刻よりだいぶ早い到着です。