毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

黒豚とんかつ御膳(Long Summer Vacation;その17)

イメージ 7▲鹿児島県産黒豚使用「黒豚とんかつ御膳」は新幹線「さくら」の車内で。
 
 2018年7月9日、おやつに黒豚。
 
 乗継時間は20分ぐらいしかなかったけれど、鹿児島名物「豚軟骨うどん」が食べられて、ほっと人心地がついて、新幹線への乗り継ぎができました。
 
 これから乗るのは、13番線から12:48に出発する新大阪行き「さくら556号」。この時間帯、11番線から13番線までずらりと青白色に輝く「青磁」のような8両編成のN700系車両が並んでいます。11番線は12:36に到着した新下関始発の「さくら407号」、12番線は12:41に到着した新大阪からの「みずほ605号」ですね。
 
今や九州内だけを走る「さくら」も設定されるようになり、九州新幹線開通時に登場した800系「つばめ」タイプが今や少数派となってしまっているのは少々残念。せめて九州内だけを走る列車には800系をあててもらえないものかしら。開業時にデビューした愛称の列車があとから出てきた愛称の列車に駆逐されるという姿を東北新幹線で実感しているだけに(八戸以北開業時に登場した「はやて」は「はやぶさ」の駆逐され、今や定期列車で新青森まで乗り入れる「はやて」はなくなった。)、800系「つばめ」をもう少しだいじにしてあげてほしい。
 
イメージ 1▲新幹線開業前の駅名が「西鹿児島」だったことを知る人はもはや少なくなってきているのでは?
 
イメージ 3▲13:04発の「さくら404号」は800系。「さくら」でも800系のことがあるのね。
 
イメージ 2▲奥の11番線からずらりと3編成が肩を並べた「青磁」色のN700系。
 
 とはいえ、ホーム上の列車案内を見ると、1本あとの13:04発博多行き「さくら404号」は、「6両」と表示されています。九州内しか走らない新幹線は「つばめ」だと思っていましたが、「さくら」もあるんだなというのが一つ。そして、「6両」と表示されているからには、この「さくら」は800系での運行のはず。なるほど、時刻表の上では「つばめ」は激減してしまったけれど、800系で走る列車は「つばめ」ほどには減っていないのかも。
 
 さて今回の「さくら556号」、新鳥栖までしか乗らないので、乗ってる時間は1時間11分ほど、しかも平日の昼下がり、自由席車は3両もあるし、自由席乗車でだいじょうぶかなとも思いましたが、万が一座れないのもいやだし、今回は全行程を宮崎空港駅のみどりの窓口で全部指定席でということで一括発券してもらったこともあり、やっぱり指定席に乗りました。8両編成の「さくら」は1~3号車が自由席車で、僕は4号車の指定席車に乗車しました。九州新幹線の指定席車はグリーン車じゃなくても2×2列なのでゆとりがあってよろしいです。
 
イメージ 4▲「さくら556」の文字を囲むサクラ色がなかなかキレイ。
 
イメージ 5▲九州新幹線の指定席は普通席でも2列×2列でゆとりがあります。
 
 さっき鹿児島名物「豚軟骨うどん」を食べましたが、やはり少々足りない感が残ったので、うどん屋さんの並びにあった「駅弁当」というのれんをさげた駅弁コーナーでおやつ代わりの駅弁を購入してしまいました。鹿児島県産黒豚使用「黒豚とんかつ御膳」。おやつと思いつつ、発車と同時に食べちゃいますよ。
 
 駅弁「黒豚とんかつ御膳」を提供しているのは、出水市に本社を構える仕出し弁当の「松栄軒」さん。1929年(昭和4年)に鉄道省公認出水駅汽車辨當店として創業し、2019年には創業90年を迎えます。鹿児島県産黒豚を使った駅弁だけでも15種類も販売していて、製造販売している駅弁は全部で25種類。「松栄軒」さんの駅弁を食べ尽くすだけでもかなりかかりそうな数です。 
 
イメージ 6▲おやつ代わりに乗車前に購入した「松栄軒」さんの「黒豚とんかつ御膳」。
 
イメージ 8▲意外に肉厚の大きなとんかつが入っていてかなり満足。
 
 さて掛け紙をとって開いてみると、おお!表面積がごはんよりも大きなとんかつが弁当全体のほぼ半分を占めて鎮座しています。箸休めには、ダイコンの漬物、ナムル、甘口が特徴のさつま醤油で炊いた煮物、そして玉子焼きにかまぼこに鶏の唐揚げが添えられ、おかずも豊富。とんかつの下には細切りのフライドポテトも隠れています。とんかつ弁当に入っているとんかつは肉なんだか衣なんだかわからないほど肉が薄いものも見かけますが、この駅弁に入っているとんかつは意外にもかなり厚く、食べ応え十分。とんかつソースと練りからしがついていてお好みでかけて食べます。サクサクの衣もいいですが、僕は揚げてから時間がたってしんなりした衣もソースがよく染みこんで好きなので、おいしくがっつりいただきました。強いて言えば、とんかつの下にはフライドポテトじゃなくてキャベツの千切りがいいかもね。
 
 食後は車内販売のホットコーヒーでまったり。「つばめ」マークのカップが九州新幹線らしい。この車内販売も、2019年3月15日をもって廃止になってしまいました。食後の熱いコーヒーまで乗車前に買っておけというのでしょうか。乗客側に原因があるかのような理由をつけて車内サービスを悪びれもせずに低下させている最近のJRのやり方は本当に嘆かわしいです。 
 
イメージ 9▲食後は車内販売の熱いコーヒーを一杯。この車販も今はもう廃止されてしまいましたが。
 
イメージ 10▲熊本以南はトンネルが多いですが、たまに見える空はまさに夏空といった風情。熊本到着6分前。