毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

歴史ある香港ストリート(ふらり香港行ってみた;その4)

イメージ 1 ▲その名のとおりほとんど階段ばかりの「樓梯街(Ladder Street)」の標識。

 

 2018年6月18日、香港最古のストリート。

 

 ところで、文武廟の前の通りは「荷李活道(ハリウッド・ロード)」といいます。1841年にイギリス人が香港島に上陸するや、まずはビクトリアピーク(太平山)の麓一帯の開発から着手し、そのときにできた通りの一つなので、香港でも最も早い時期に通った道ということになります。当時はもちろん埋め立てなどされていないので、ハリウッド・ロードはかなり海べりの道だったそうですが、今やとてもそうだったとは思えないほど海岸線は遠くにあります。「ハリウッド」という名称は、アメリカのあのハリウッドからつけられたのではなく(アメリカのハリウッドが知られるようになるのは20世紀に入ってから。)、このあたりにヒイラギモチの木(hollywood)が多く植えられていたからだとされています。

 

イメージ 5 ▲文武廟の前を東西に走る通りは香港島で最も古い道のひとつ「荷李活道(ハリウッド・ロード)」の標識。

 

 そんな古い道に面して建つ文武廟ですが、そのハリウッド・ロードは、文武廟の西側で「樓梯街」と交わっています。「樓梯街」の英語名は「Ladder Street」、日本語なら「ハシゴ通り」となりましょうか。その名のとおり、下から上まで長い階段が続く心臓破りの階段道路です。

 

イメージ 2 ▲ハリウッド・ロードから「樓梯街」を見下ろす。

 

イメージ 3 ▲階段道路ですが人通りは多く、坂道なんて慣れてますって感じ。

 

 この「樓梯街」が造られたのは1841年から1850年にかけてで、いまでは「古物古蹟辦事處(Antiquities and Monuments Office)」によって「香港一級歷史建築(Grade I historic buildings in Hong Kong)」に指定されています。起点はハリウッド・ロードの1本下の「皇后大道中(Queen's Road Central)」で、終点は「堅道(Caine Road)」。全長350mで、階段は全部で316段あるとか。僕は香港にトータル6年住んだことがありますが、僕もよくこの階段を上り下りしたものです。

 

 ハリウッド・ロードから上の「樓梯街」は、階段の一段一段が高くなり、勾配が急になるような気がします。息を切らせながら上りきると、そこは「堅道」。「堅道」からの階段の下り口には、妙にアーティスティックな落書きに埋もれて、ここから「樓梯街」が始まることを示す標識がかかっています。「樓梯街」は今も昔も、このへんの香港市民と観光客にとって欠かせない「幹線階段」です。

 

イメージ 4 ▲文武廟の西脇の「樓梯街」は、その先の「四方街」に入る車道が少しだけあり、階段にはなってません。

 

イメージ 6 ▲「堅道」から「樓梯街」への下り口には、落書きに混じって「樓梯街」の標識が。

 

イメージ 7 ▲「堅道」から見下ろした「樓梯街」。下半分よりもかなり勾配が急な感じです。

 

 「堅道」は、高級高層マンションも林立する住宅街ミッドレベル地区のどまんなかを東西に突っ切る幹線道路で、くねくねとカーブが続く狭い道を巨大な二階建ての路線バスが頻繁に走っています。僕も幾度となくこの道をバスで通ったものです。「樓梯街」を上って「堅道」に出るとすぐそばに「樓梯街」というバス停があるので、我々もここからバスに乗ってセントラルへ出て、電車で空港へ向かいます。

 

 2泊3日の短い香港滞在もこれで終わり、12時ちょうど発のCX332便で北京へ飛び、北京経由で瀋陽へ戻ります。この日のCX332便は、レジB-LAFをつけた旧塗装のままのA330-300。これに乗れば、北京着が15:25、そのあと18:05発のCZ6106便に乗り継いで、瀋陽に着くのは19:35です。スケジュールどおりに飛んでくれるといいのですが……

 

イメージ 8 ▲北京行きのCX332便は旧塗装のままのA330-300での運航。

 

イメージ 9 ▲遅れずに飛んで北京でちゃんと乗り継げれば、瀋陽には19:35に着けるはず。