毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

ビルの谷間の香港文武廟(ふらり香港行ってみた;その2)

イメージ 1 ▲香港島ハリウッド・ロードにある香港最古の道教寺院「文武廟」。

 2018年6月18日、私廟だったとは。

 今回の香港滞在中、用事のない時間を利用してもう1カ所、定番の観光スポットに行ってみましょうか。

 中環(セントラル)から上環(ションワン)にかけての坂道ストリートをぶらぶら散策しつつたどり着いたのは、「文武廟(Man Mo Temple)」。ガイドブックには必ず載っているので、ご存じの方、行ったことのある方も多いことでしょう。アマノジャクな僕は、いつでも行けるからいいやと行かずにいると本当に行かなくなるもので、僕が文武廟を訪れるのはたぶん30年弱ぶりぐらいだと思います!

 ガイドブックでは、このあたりにはアンティークショップや怪しげなグッズのお店などが並ぶ中に古い建物が残る一帯として紹介されることが多いエリアですが、このあたりからビクトリアピークの麓にかけての上のほうは「ミッドレベル(半山区)」と呼ばれる高層マンションが無数に建ち並ぶ高級住宅街エリアでもあり、文武廟も林立する高層マンションの深い谷間に取り残されたようにぽつんと存在しています。

イメージ 2 ▲文武廟の屋根越しに上を見上げると圧倒されてしまいそう。

イメージ 4 ▲屋根には、主棟や下り棟に細かい彫刻が施されてますが、バックがごちゃごちゃしててよく見えん。

 高層マンションの深い谷間にある文武廟ですが、すぐ真後ろの建物は「東華三院梅艷芳長者日間護理中心」というデイケア・センターで、向かって左は「東華三院李西疇紀念小學」という小学校。ただしこちらの小学校は、1959年創立なるも、2005年に「東華三院鶴山學校」と合併して移転してしまったようなので、この校舎は今は使われていないようです。

 なんだか文武廟は「東華三院」なるものに囲まれているような感じですが、それもそのはず、「東華三院(Tung Wah Group of Hospitals)」は、1870年創立の「東華醫院(Tung Wah Hospital)」を起源に1931年に設立された、香港で最も歴史があり規模が大きい慈善団体ですが、1908年に当時の香港政府が「文武廟条例」を制定し、文武廟の管理権を正式に「東華三院」に与えているんですね。「文武廟」は、「列聖宮」と「公所」の三棟から成り、1847年から1862年にかけて、華人の豪商が建てたのが始まりとされ、昔も今も「私廟」として管理されてきたのでして、「東華三院」では今も毎年文武廟で秋祭りを開くなどしているそうです。

イメージ 5 ▲三棟連なりの建物のうち、いちばん左が「文武廟」。

イメージ 3 ▲真ん中は「列聖宮」。諸々の神々や聖人が祀られているらしい。