毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

奥の細道湯けむりライン(謹賀新年!暖冬東北ぶらり旅;その22)

イメージ 1 ▲陸羽東線を走っていくと、雪原の向こうにたなびく霞。なんかいかにも「湯けむり」って感じ。

 2017年1月2日、温泉に浸かりたい。

 臨時快速「クルージング湯けむり号」は、奥羽本線から分かれて陸羽東線の山合いに分け入っていきます。長沢駅、東長沢駅を通過すると、左に標高594mの亀割山、右に715mの大焼黒山にはさまれた山中を走り、やがて並行する小国川の川幅が広がると、対岸に瀬見温泉街が見えてきて、15:18、瀬見温泉駅到着。小国川の向こうに見える赤い屋根の古い建物は江戸安政年間創業の「喜至楼」、その前には去年リニューアルオープンしたばかりの「共同浴場せみの湯」も見えています。

イメージ 2 ▲赤いトタン屋根の古い建物が「喜至楼」。その手前右に「共同浴場せみの湯」も見える。

 今年全線開通100周年を迎える陸羽東線、愛称を「奥の細道湯けむりライン」というだけあって、新庄から古川までの間に、温泉絡みの駅名がついた駅が6駅もありますが、瀬見温泉駅はそのいちばん新庄寄りにある駅です。

 次の停車駅は、最上。最上郡最上町の中心駅で、側線も数本あり沿線では比較的大きな駅です。

 最上駅で停車していると、反対側からやってきたのは鳴子温泉発新庄行き普通列車731D。ドア脇に「Yukemuri Line」の文字とイラストが入ったキハ111/112形気動車の2両編成です。

イメージ 3 ▲最上町の中心駅・最上駅に到着。駅名標に「山形日和」という文字が入っています。

イメージ 4 ▲最上駅では鳴子温泉発新庄行き普通列車731Dと交換。

 4735Dの到着を待って15:31に最上を発車した「クルージング湯けむり号」は、赤倉温泉、中山平温泉と「温泉」のつく駅に停車し、その次が鳴子温泉。16:00ちょうどの到着です。鳴子温泉駅では2分停車。

 鳴子温泉駅は、沿線に広がる鳴子温泉郷の中心駅。承和4年(837年)に温泉が発見されたという千年を超える歴史を持つ鳴子温泉、松尾芭蕉が鳴子から尿前を通る出羽街道中山越えをしたことから「奥の細道」の史跡も残り、さまざまな楽しみかたのできる温泉郷です。僕はまだ一度も訪れたことはありませんが。

イメージ 5 ▲16時ちょうど、鳴子温泉駅到着。

イメージ 6 ▲ホームには、鳴子温泉郷の四季を伝えるポスターが。

 16:02に鳴子温泉駅を発車すると、次の停車駅は鳴子御殿湯。東鳴子温泉の窓口駅で、江戸時代に仙台藩藩主専用の風呂である御殿湯が置かれていたことから、元の東鳴子駅から改称して今は鳴子御殿湯駅となっています。

 16時を過ぎて早や空には茜色がうすく差しはじめてきました。次の停車駅は川渡温泉、16:11到着。川渡温泉は鳴子温泉郷の東の玄関口。湯沢川沿いの桜と菜の花畑が有名らしく、ホームの駅名標にも菜の花畑の写真が大きく使われています。

イメージ 7 ▲鳴子御殿湯駅を出発したあたり。空には早や茜色が。

イメージ 8 ▲川渡温泉駅到着。駅名標には菜の花畑の写真。

イメージ 9 ▲駅名標の下には「笑顔咲くたび伊達な旅」の文字。そう、ここはもう宮城県なのであった。