九州上空へ(酷暑の夏休み帰省レポ・その22)
▲気持ちよすぎる青空が広がる松山空港を間もなく出発。
2012年8月16日、伊予灘。
さて、徒歩で機側までやってきて搭乗いたしましたのは、12:10発鹿児島行きJAC3686便です。8月の繁忙期は松山~鹿児島線は1日2便に倍増するんですが、その早いほうの便です。機材はスウェーデンのSaab社製造のSaab340Bで、1×2の3列アブレストが11列と、最後列が路線バスの最後尾列のように3列並びになっていて、全部で36席仕様です。A席が1人掛け席で、僕の今回の座席は10A席。着席すると、窓からは左側主翼とプロペラエンジンの排気口、その向こうには出発を待つ羽田行きANA590便のB777-200が見えます。
▲JAC3686便Saab340Bの機内。もうすぐドアクローズ。
僕が最後に乗り込んで、ドアクローズ。なんとか定刻出発には間に合い、JAC3686便はプロペラ音を轟かせながらRWY32を瀬戸内海へ向けて離陸しました。松山へは列車やフェリーで出入りすることが多く、松山空港は羽田発着便で3、4度利用したことがある程度。羽田以外へ向かうフライトで出発するのは今回が初めてです。
離陸して瀬戸内海伊予灘上空に出たJAC3686便は、左側に愛媛県の沿岸部を眺めながら西へと進路をとります。松山市内、伊予市内の平野部を過ぎるとすぐに、海岸線まで山地がせり出した山がちな地形が続くようになります。予讃線の絶景区間高野川~伊予上灘~下灘~串~伊予長浜もこのあたりを通っているはずです。
そんな険しい地形の中、比較的大きな川が伊予灘に注ぎ込んでいる箇所が見えてきました。伊予長浜駅がある長浜町中心部でしょう。以前は喜多郡長浜町でしたが、今は大洲市に編入されています。河口が見えているのは肱川。予讃線はこの肱川にぶつかって急カーブで川上へと方向転換し、伊予大洲方面へ向かいます。
▲険しい地形の中に比較的大きな漁港が見えてきた。
長浜港が左後方に去ると、左側の機窓の景色は佐田岬半島へと移ります。
佐田岬半島は愛媛県の西北の角から西へ細長ーくのびた半島で、先端部は豊後水道をはさんで大分県の佐賀関半島と向き合っています。両側から佐田岬半島と佐賀関半島がせり出しているので豊後水道は非常に狭く、海流が速いので、関サバとか関アジっていうウマイ魚が獲れるわけです。また、八幡浜と臼杵を結ぶフェリーはこの2つの半島のおかげで甲板からずっと陸が見えていて退屈しないので、僕はこの航路に乗るのがお気に入りです。最近しばらく乗ってないけど。
▲左側の帰巣に佐田岬半島が続きます。
そうこうしているうちにJAC3686便は豊後水道を越えて九州大分県上空へさしかかってきました。少々雲が出てきましたが、地上の景色が著しく遮られるほどではありません。
だいたい佐賀関半島の上空を飛んできていると思われるのですが、眼下に広がるのは、僕の大好きな街・臼杵やその隣町の津久見周辺の山地、そして海に浮かぶのは蔦島、黒島、津久見島などです。臼杵ではあと10日もして8月の最終土曜日になれば国宝臼杵大仏の火祭りが行われます。去年は臼杵の11月のお祭り「臼杵竹宵」を見に行き、佐賀関では地元のおかあちゃんたちが作る関アジの大きなにぎり寿司をたらふく食べました。何度でも訪れたいこのエリアを眼下に眺めながら、フライトは九州内陸部へと移っていくのでした。