田植え直前!新緑の青森へ(その26;ヒルネ)
▲東能代駅に定刻でやってきた下り「あけぼの」。
2012年5月25日、残雪の津軽富士。
朝7時台に東能代駅ホームをうろうろしている僕はいかにも怪しげですが(笑)、だいじょうぶ、もうすぐ僕が次に乗る列車がやってきます。
▲「あけぼの」と表示された東能代駅2番線ホームの列車案内表示板。
「あけぼの」にも久しく乗っていないので、そろそろ乗りたかったのですが、たった4泊5日の帰省なので、あれこれ考えた結果、夜行列車として乗るのは急行「はまなす」にし、「あけぼの」は全区間は乗れないけれどもせめて寝台特急の雰囲気だけでもと、東能代から青森までのヒルネ区間に乗車することにしたのです。
秋田から青森までは寝台特急「日本海」や「あけぼの」のヒルネ扱いがなければ優等列車は「つがる1号」まで待たねばならないので、早朝の移動にはなくてはならない交通手段であり、利用率も高いのですが、「日本海」の廃止に伴い、今や全国でヒルネ区間設定があるのは「あけぼの」だけとなり、ますますそのニーズは高まっているはず。
下り「あけぼの」でヒルネに開放されるのは3、4号車で、区間は羽後本荘から青森まで。東能代から乗り込んで3、4号車の各区画を見て回りますが、どの区画にも必ず何人か座っていて、まったく空いている区画は一つもありませんでした!僕はパソコンでぱちぱち仕事をしているビジネスマンが一人座っているだけの区画に席を占めることにしました。
▲田園地帯を走ったり、
▲緑豊かな林の中を抜けていったり、車窓の景色は変化に富んでます。
東能代を出発した「あけぼの」は二ッ井、鷹ノ巣と停車し、その次の大館到着は08:32。ここでビジネスマンが降りてしまい、僕の区画は他に誰もいなくなってしまいました。ああ、誰もいないなら横になって寝たい!だけどこれから先、停車駅も多いし、横になるわけにはいかない!けっこう乗客が乗ってきているようですが、なぜか僕の区画には誰も来ず(僕の風体が近寄りがたかったせいだとしたらちょっとショック。)、車内はしーんと静まりかえって、否が応にも睡魔が降臨します。
▲誰もいなくなった区画でまったりヒルネの旅。
▲この写真は弘前停車中かな。
「あけぼの」に上野から乗ったときは、弘前を発車するのが僕のwake upのサイン(笑)。おはよう放送が入ろうが何がどうなろうが弘前まではひたすら寝ているのが僕の常。で、弘前を発車したのを合図に起き出してくると、川部を通過したあたりで左側に岩木山が広がり、青森へ帰ってきたことを実感するのです。
この日も、川部を出て少しすると、薄曇りながら、残雪まだ多い岩木山が見えてきました。
▲川部を出て少し行くと見えてきた岩木山。手前の田んぼは田植えが済んだ。
この日の岩木山、頂上までくっきりと見えて、気持ちのいいことこの上ありません。まだまだ上のほう三分の一ぐらいには残雪が白く映え、しかし麓のほうに目を転ずれば、耕し終えた畑の瑞々しい土や代掻きの済んだ水田が広がり、中にはちょうど田植えが終わったばかりという田んぼもあり、みちのくの遅き春の訪れを感じることができます。上野、大宮から「あけぼの」に乗ってひと夜を明かしてきた県外の観光客のみなさんが、朝の車窓の風景にこの津軽富士・岩木山を見て、いい旅の始まりだと感じてくれたらうれしいですね(^^)。
▲スーパーカブで農作業に来たんかな?
▲もうちょっとで岩木山の水鏡だったんだけどなー。