毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

アジサイの咲く頃に(青森帰省レポその31;満員で走る「あけぼの」)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819002935.jpg ▲上段のカーテンも閉まった満員状態の下り「あけぼの」の車内。

 ちょっとレポートが中断しちゃいましたが2011年6月26日の下り「あけぼの」車内です。

 上野発車時点ですでにほぼ満員の乗客を乗せた下り寝台特急「あけぼの」は、定刻の21:15、静かに上野駅13番線ホームを離れました。

 鶯谷駅にかかるあたりで車窓が開け、日曜日の夜の都心の夜景を眺めながら、列車は北上を始めます。大宮を出てしまえば、この日の乗客はほぼ全部収まったと言ってよいでしょう。確かに、ほとんどの寝台が埋まり、下段も上段も早くもカーテンが閉まっているのが見られます。

 僕は下り「あけぼの」に乗るときは、だいたい水上を過ぎるぐらいまで車内でゆっくり酒を飲みますが、今回はすでにたっぷり飲んで食べてきたので、すぐに寝支度をして、高崎に着くのも待たずにおやすみなさいです。

 ふと目が覚めてブラインドをちょっと上げて窓の外を見ると、どこかの駅に停車中。ホームはけっこう明るい。03:19着の村上駅のようです。窓外に新潟色の115系が見えたから間違いあるまい。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819002947.jpg 村上駅を発車した。

 さて、あとはいつもどおり、弘前到着直前まで寝台の中でうだうだします。弘前に着いてから起き出すのが僕の慣例(^^)。弘前駅では、右側に2/3番線ホーム、その向こうに出番待ちの701系電車、そしてその向こうには弘南鉄道黒石線のホームが見えています。

 弘前を発車すると、やがて左側には津軽平野の青々とした水田の向こうに津軽富士岩木山が見えてきます。この日の津軽地方は薄曇りでしたが、岩木山はその全貌をしっかりと見せてくれていました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819002951.jpg 弘前駅停車中。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819002956.jpg 津軽平野と岩木山。

 上野、大宮と首都圏を走っていた頃はほぼ満員だった車内も、あと新青森と終点青森を残すだけとなった頃には、だいぶ乗客も減りました。上段のカーテンも開いています。確か東能代までと言っていましたから、きっと今頃は五能線の列車の中でしょう。車内は、降り支度を済ませた乗客で、夜行列車特有のけだるく心地よい空気が流れています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819003005.jpg 使用済みの上段寝台。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819003000.jpg 夜行列車で迎える朝。

 09:48、新青森駅到着です。新幹線が新青森駅まで伸びてから、すべての優等列車が停車するようになりました。新幹線が来るまでは普通列車しか停まらない1面1線の無人駅だったのに……

 この日の「あけぼの」は寝台車8両+電源荷物車1両+牽引機関車の全部で10両の標準編成ですが、新青森駅の延長工事をして延ばした在来線ホームだと端から端までめいっぱい停まるように感じます。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819003014.jpg 新青森駅に停車。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819003010.jpg ホームいっぱいに。

 新青森駅を発車すると、7分で終点青森です。

 僕は2号車だったので、青森到着後素早く先頭へ写真を撮りに行けるように、青森駅に着く前に先頭8号車へ移動しようとしたのですが、ヒルネ区間として開放されている3号車は、寝台を利用して青森まで乗り通す乗客がまだたくさん乗っている上に、ヒルネ区間の乗客もどんどん乗り込んでくるので、通路もデッキも立ち客でふさがっていて、全然通り抜けられません。すごい混みようです。こんなに激混みの「あけぼの」、初めてです。「あけぼの」がこんなに混むなんて、なんかうれしい。しかし、これでは寝台利用客もヒルネ利用客もなんとなく居づらいので、いっそのことヒルネ利用には寝具のない「ゴロンとシート」車両を開放したらどうでしょう?

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190819/20190819002940.jpg 新幹線駅舎をくぐって。

 「あけぼの」は最後の大きな左カーブを曲がりきり、旧東北本線、現青い森鉄道と合流し、いくつもポイントを乗り換えて、間もなく終点青森駅の5番線に到着します。

 僕は、しかたがないので3号車のデッキに立って到着を待ちます。デッキの様子は、昔と少しも変わっていません。折り戸式で、ステップがついて段差があるドアを目の前にして、ポイントを乗り換えるたびに身体が左右に振られ、連結器と連結幌ががちゃんがちゃん、ぎしぎしと音をたてるのを聞いていると、ずっと以前から、何度となくこんな列車に乗ってふるさとへ帰ってきたことが、思い出すともなく思い出されてくるのでした。

イメージ 7
            ▲折り戸式ドアが妙になつかしい。