岩木山が見えたら降り支度(ニッポンの秋を探して・その38)
2011年11月8日、秋の岩木山。
青森行きの寝台列車に乗ると毎度のことですが、僕は弘前に着くまで寝台を起き出しません。特に理由があるわけではないのですが、せっかくの寝台を離れるのがもったいないというか、ただだらだらと横になっているのがいいというか…… 以前、朝の車内販売があった頃はもっと早く起き出してモーニングコーヒーを飲みながら、けだるい朝の車内を楽しんだものですが……
弘前を発車すると、次の停車駅は新青森。川部を過ぎると左手に津軽富士岩木山が見えてきます。天気は良好、青空が広がっていますが、岩木山の山頂のところにだけちょこっと雲がかかっていてちょっと残念。でも長く美しくのびる山すそはくっきりと見えています。
▲天気は上々ですが、残念ながら山頂には雲が。
▲山肌もくっきり見える秋らしい一日。初冠雪はまだだったかな?
前夜富山から乗車したときは下段のほとんどの寝台のカーテンが閉ざされていた我が9号車も、弘前を発車して起き出してみると、ほとんどがもぬけの殻に。寝台特急「日本海」の主たる輸送対象が秋田県内であることがわかります。旅行客も、東能代で降りて五能線へ乗り継ぐケースが多いですね。
車窓左側には岩木山が見えますが、右側には八甲田連峰が連なっているのが見えます。岩木山のように平野の真ん中にそびえる単独峰ではなく目立たないので、知らない人は気がつかないかもしれません。このあたりの田んぼは既に稲刈りが全部終わり、冬の訪れを待ち受けているようです。もう11月8日、いつ初雪が降ってもおかしくない季節になってきました。
▲寝台の主が次々と降りてほとんどからっぽになった9号車の車内。
▲車窓右側の田んぼは田植えが済んで冬支度。はるか向こうは八甲田連峰。
もうひと山越えれば津軽平野を離れて青森市内へというところの大釈迦駅ではいつものとおり運転停車。青森からの弘前行き普通列車642Mと交換です。701系電車と行き違って大釈迦駅を出ると、大釈迦~鶴ヶ坂間の、青森~弘前間では最も山深く険しい大釈迦峠越えです。ここを越えれば青森平野に突入し、終点青森はもうすぐです。