ニッポンの秋を探して(その4;高岡駅の夜は更けて)
2011年11月4日、やっとごはんにありついた。
僕は指定席で、窓際は満席だったので通路側の席で過ごします。まあこの時間帯、外は真っ暗ですから窓際だって車窓の景色が楽しめるわけではない。
米原駅をまもなく発車。
というところで腹が減ってきました。停車駅ごとに下車客ばかりで乗車客はほとんどないので、車内にはだんだんと空席が目立ってきました。福井で前の列が空いたので前の列の窓際席に移り、ようやくゆとりがでました。そこに通りかかった車内販売を止め、お弁当を購入。やっと晩ごはんです。
福井を過ぎてやっと食事。
明治36年創業、敦賀の発展と共に歩んできた『食』の総合企業「塩荘」さんの「敦賀元祖鯛鮨鯛の舞」、であります。がっちりした木箱に入っていて、見るからに重厚な感じです。包装箱の裏には福井県のシルエットが描かれ、そこには「木箱に入った敦賀の想い出の味 三枚におろし薄塩でしめた小鯛とほのかにあまいすしのご飯。いつの時代も正直なまっすぐさが一番のおいしさです。」と書いてあります。木のフタを開けてみると、そこにはぎっしりと詰まった鯛鮨が。まさに正直でまっすぐ!という感じ。
重厚な木箱入り。
「塩荘」さんのHPによれば「こだわりの地元若狭湾で獲れる「小鯛」を使った塩荘を代表する味」だそうな。4×3の12切れの一口大に切ってあるので食べやすそう。別添のガリを載せ、しょうゆをかけて、いただきまーす。……ウンっ!ぎっしりと詰まったほんのり甘めの酢飯に美しく輝く小鯛の鮨、これはおいしい。敦賀というか福井県の駅弁(or空弁)と言えば焼き鯖寿司ぐらいしか知らなかったが、若狭湾の小鯛の鮨もかなりイケル。気に入った!
醤油かけてガリ載せて。
上品なお味でとてもおいしい。
高岡到着は23:39。午後2時過ぎの北京発からの長旅もこれでようやく終了です。「しらさぎ15号」の車内にも乗客はもうほんのわずかになってしまったようです。ていうか、1号車の中をのぞくと、シートの向きがほとんど後方を向いていたから、最初からグリーン車にはほとんど乗客はいなかったようですね。
夜も更けた高岡駅に到着。
富山行き最終の各停483M。
この日の宿は高岡駅を出てすぐのビジネスホテル。部屋の窓から高岡駅構内が見渡せるではないですか。午前1時半を過ぎてもホームには明かりが灯っています。高岡駅に到着する旅客列車の最終は23:59着の「サンダーバード45号」。その次は02:36発の上り急行「きたぐに」、05:05発の「サンダーバード2号」と続きますが、午前1時半のこの時間帯にはもう旅客列車はありません。その間隙を縫って貨物列車ががんがん行き交っているのかと思いきや、そうでもないようで、高岡駅構内は深閑とし、夜だけが更けていました。