毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

北陸トンネルを抜けて。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225944.jpg ▲客車から切り離されて走り去る「日本海」の牽引機EF81-106。敦賀駅にて。

 2010年2月22日、「日本海」の夜が明けて。

 夢うつつにホームに流れる「かなざわ~かなざわ~」という声を聞いたような気がしているうちに、おはよう放送が始まりました。4002レ寝台特急日本海」の夜は明けて、もうすぐ加賀温泉に着くようです。
 
 加賀温泉06:50着、そしてその次が福井に07:17着で車内販売も乗り込んできて、そろそろ起き出す人が増えてきた気配。僕もそろそろ起きるとしましょう。

 すぐにモーニングコーヒーがほしいところですが、車内販売はなかなか戻ってきません。そうこうしているうちに、車窓を今庄駅の駅名標が流れていきました。次は南今庄駅。このあたりは鉄道撮影地としてかなり有名なところですね。雪もけっこう降るようで、田畑は足跡のないきれいな雪布団に覆われていました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225955.jpg 今庄~南今庄間の雪景色。

 南今庄を一瞬で通過すると、すぐに北陸トンネルに突入です。1962年に開通した13,870mの長大トンネルです。轟音とともに北陸トンネルを走りきれば、いよいよ敦賀に到着します。北陸トンネルを抜けると、ほとんど雪はありません。南今庄から、北陸トンネルを抜ける間にかなり標高を下げたのでしょう。
一面の雪景色だったのが嘘のようです。

 1号車最前方のデッキからは、機関車の連結面が見えますが、気温が比較的一定している北陸トンネルを抜けると、仕切りドアのガラスが曇りました。その曇りが徐々にとれる頃、「日本海」は敦賀駅の5番線に、定刻08:02に到着しました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225910.jpg トンネルを出て曇った連結面。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225917.jpg 曇りがとれればHMが目の前に。

 さて、敦賀に到着した「日本海」は、ここで19分もの停車時間をもらいます。特急なのに朝の8時台というラッシュアワーに19分も停車するなんてあり得ません!でもいいんです。夜行列車の旅は急ぎません。のんびり行くのがいいんです。乗客たちもちらほらとホームに降りて、背伸びをしたり、自販機で飲み物を購入したり、タバコを一服したり、機関車の写真を撮ったり、思い思いにこの停車時間を過ごしています。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225926.jpg 敦賀駅5番線に定刻到着。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225950.jpg 青い客車も一休み。

 この停車時間中に、「日本海」は機関車を付け替えます。敦賀での機関車付け替えは上りだけのおまけです。青森からはるばる「日本海」を牽引してきたのはEF81-106。正面から見ると、ふだん青森でしか「日本海」を見ることのない僕にとっては、両方のパンタグラフが上がっているのが新鮮です。

 そのEF81-106がまず切り離され、すこし前方に動いて一旦停止します。連結面の1号車の顔が現れます。機関車のほうについているヘッドマークもかっこいいですが、客車のほうのヘッドマークも僕は気に入っています。「日本海」という文字が鮮やかなイエローに塗られているのが図柄全体を引き締めている感じがします。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225931.jpg EF81-106、切り離された。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225934.jpg 連結面にもHM付いてます。

 客車から少し離れて一旦停止したEF81-106は、すぐに新疋田方へとゆっくり走り去ります。敦賀駅構内には雪はまったくありませんが、EF81-106の走り去るその先には雪をかぶった山々が連なっているのが見えます。「日本海」がこれから向かうループ線のある衣掛山でしょうか、それともさらにその向こうの岩籠山でしょうか。

 ホームには「日本海」の青い車体だけが取り残されました。敦賀から先へ牽いていってくれる機関車は何号機なのでしょうね。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818225940.jpg敦賀から先を受け持つ機関車を待つ1号車。