寝台特急「日本海」の余韻(酷暑の夏休み帰省レポ・その42)
▲客車を後ろに残して走り去る牽引機EF81-107。
長々と中断していた2012年の夏の旅レポ、ようやく再開です(^^)。またいつ中断するかわかりませんが……(^_^ゞ。
2012年8月18日、盛アオ。
四国・九州・北陸ではあれだけ暑かったけれど、青森へ帰れば涼しいだろうと思っていたのは大きな間違いでした。既に午後になった青森駅のホームへ降りてみると、北陸と同じぐらい暑いのなんのって。真夏でも青森駅のホームに降りれば涼しい海風が吹き抜けていたものですが、今回はもわ~んとした熱風状態。今年の夏は北東北まで酷暑なのですね。
あまりの暑さにぼんやりしていたら、切り離されたEF81-107がゆっくりと海の方へと引き上げていきました。くぅ~っ、ひなたは焼け付くような日差しです。
▲海側へ引き上げていく後ろ姿にもトレインマークが。
ホームに残されたのは6両の寝台車と1両の電源車。機関車が去ってしまうと写真を撮っていたファンたちも散り、ホームは閑散としてしまいました。車中で向かいの寝台だった父子は次は新幹線へ乗り換えると言っていましたから、もう新青森駅へ移動したでしょうか。
それにしても、正午をとっくに周り午後1時近くなったこの時間に、青森駅のホームに青い車体が横たわっているというのは新鮮です。かつて「日本海3号」が走っていたときは青森の到着時間がお昼前でしたから、その頃以来ということになりましょうか。
▲機関車が走り去って顔を出した電源車。
▲16時間以上走り続けた車両はここ青森でやっと一休み。
寝台特急「日本海」の定期運行廃止は、ニーズが高く、それなりの乗車率を上げていただけに、とても残念ですが、せめて臨時列車としてでも残ってくれたのは本当にありがたい。ドア脇の行き先表示幕の「特急」「日本海」「青森」という文字が臨時とは言えまだ掲示される機会が残って、よかった。
使われている車両は「盛アオ」。JR西日本は「トワイライトエクスプレス」車両以外とっくに自社持ちの寝台客車を手放してしまいましたから、臨時「日本海」もJR東日本の車両で運行するしかないわけですが、「北斗星」は「東オク」ですから、現役列車で「盛アオ」が見られるのは臨時「日本海」と「あけぼの」だけということになるのではないでしょうか。青森駅には「盛アオ」がいちばん似合っています。
▲この「日本海」の文字がずっとなくなりませんように。
▲使われている車両の所属は青森車両センター。略号は「盛アオ」。
やっと帰ってきたふるさと青森、僕もそろそろ家へ帰ろうと5/6番線ホームを出口へと歩いていると、さっき海側へ引き上げていったEF81-107が6番線の外側の引き込み線をゆっくりと戻ってきました。反対側にもトレインマークを掲げ、前パンタを上げた形になっているので、直流区間を走る「日本海」であるかのように一瞬見えてしまいます。客車がホームに出入りし、機関車が機回しで側線を行ったり来たりするというのが客車全盛時代の駅の定番風景でしたが、今はそれも一日にほんの2回か3回見られるだけです。そういう風景が見られる青森駅が既に貴重な存在になりつつあるようです。
▲海側から戻ってきたEF81-107。このあと跨線橋下で停車し、しばらく待機します。