厳冬の中国最北端をゆく（その14；漠河でも氷祭り）

▲「神州北極」碑の近くでは氷祭りの準備中。次々とみごとな氷像が彫り上げられていきます。

　2007年1月7日、ランチ。

　今日は、黒龍江源流を見たあと、間をすっとばして翌日のことを書こうと思っていたのですが、昼食を食べに立ち寄った近くの集落のことを書いたからには次は昼食のメニューが登場するのではないかとのコメントをいただき、そんな写真あったっけな～と探してみたところ、一枚だけ発見されましたので、予定を変更して、この集落の様子をもう少しご紹介してみたいと思います(^_^ゝ。

　黒龍江省源流近くの集落の名は「洛古河村」。小さい集落ですが、商店もあれば食堂もあり、派出所もあれば村役場もちゃんとあります。村役場に当たるのはここでは「村民委員会」というのですが、三角屋根のちょっとかわいい建物がありました。その近くには計画出産を奨励する看板も。「法律に基づいて計画出産を行うことはあなたの義務です」なんて文字が書かれています。こんな北の外れまで計画出産という国家の方針と政策が浸透しているのです。

小さな村の村役場。

計画出産は義務である。

　前回も書きましたが、中国では農家の一戸建てでも木造家屋というのはあまり見かけません。しかしこのあたりは中国でも一二を争う森林地帯。家屋は木造のものばかりです。家を囲う塀も板塀で、屋根をしっかりつけた門が設けられています。ある一軒の家の門には赤い「双喜（「喜」という字を二つ合わせた図柄）」の飾り付けが貼ってありました。最近婚礼があったのですね。こんな小さな集落でも人々の様々な暮らしが息づいています。

木造の一軒家。

最近婚礼があってめでたい。

生活の匂いあふれる洛古河村。

　さて、お待ちかねのランチです。洛古河村にある商店を兼ねた食堂に立ち寄ってお昼を食べます。豪華なものはもちろんありませんが、黒龍江で捕れた魚を炒め煮にしたもの、キクラゲなどキノコ類の炒め物、ジャガイモの千切りを炒めたもの、そして白菜を発酵させたものの千切りと豚肉の炒め物、どれもいい味です。材料はみなこのあたりでとれたもので、キノコ類はこのあたりの特産です。寒い土地柄だけに味付けは濃いですが、黒龍江の上で体が凍り付いた我々にはありがたい味です。

▲地産地消じゃないですが、このあたりの特産ばかりで作ったおかずたち。

　ランチを終えたら出発です。もう漠河県を離れなければなりません。これから車に乗って、また5時間ほど揺られなければなりません。その前に、この日の午前中に見かけた氷祭りの準備の様子をもう少しご紹介しましょう。
　観光客の集まる「神州北極」の石碑の近くでは、これから迎える春節（旧正月）に合わせて開かれる氷祭りに向けて氷像の制作が進んでいました。目の前の黒龍江からいくらでも氷を切り出してきて、積み重ねては大型のノミなどを使って氷像を彫り上げていきます。この気温の低さでは絶対に溶けてしまう心配はありません。魚が何匹も泳いでいる姿を描いた氷像はほぼ完成です。「余裕」の「裕」と「魚」が同じ発音なので、魚は縁起物です。四角い氷を積み重ねているのは何ができるのでしょう。ふと見ると、前日から案内してくれているガイドさんの前髪が真っ白になっています。顔に巻いたマフラーにも霜が降りたようになっています。吐く息がすぐに凍って樹氷のようになっているのですね。おーさむさむ(x_x)。

氷像作りの真っ最中。

▲ずっと案内してくれた優しいガイドさん。前髪が樹氷状態になってます(^^)。