毎日ヶ原新聞

日本全国、時々中国、たまにもっと遠くへ、忘れちゃもったいないから、旅の記録。

厳冬の中国最北端をゆく(その11;神州北極)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130752.jpg ▲「神州北極」の碑。向こうはロシア。

 2007年1月7日、中国最北端の碑。

 中国最北端の宿で朝を迎え、身支度を調えて出発です。

 宿のすぐ前は黒龍江ですが、この黒龍江沿いの道に沿って集落の中心のほうへ少し戻ると、ここに「神州北極」の石碑が建っています。「神州」とは中国を指す古くからの美称です。『史記』によれば、戦国時代に「赤県神州」という表現が見られ、後に中国の代名詞として「神州」が使われるようになったとのことです。したがって、「神州北極」とは「中国の北の極点」という意味になるでしょうか。

 僕ら行ったときには石碑には先客がたくさんいました。台湾か韓国からの団体ツアー客のようです。特に台湾など南国からの旅行客には厳寒の雪景色は喜ばれることでしょう。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130800.jpg 団体観光客が来てました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130807.jpg みなさん完全防寒です。

 黒龍江の南岸にある「神州北極」の碑を正面にして立つと、碑の後ろはすぐ黒龍江です。全面凍結しているので雪原にしか見えませんが、氷が溶ければ、その名のとおり黒々とした流れが姿を現すはず。川幅はそんなに広くはなく、対岸が間近に望まれますが、この対岸はロシアです。ただ、このあたりにはロシアの集落はないので、対岸にはゆるやかな丘と森林が広がるばかりです。川が凍結しているのでいとも簡単に向こう側に行って戻ってくることができますが、それでは不法出入国になってしまいます。川の中間には竹の棒が差してあり、ガイドさんからもその竹の棒から先に行ってはいけないと注意を受けました。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130756.jpg 雪原の向こうがロシア。

 「神州北極」碑を参観したあとは、車で少し下ってこの北極村の中心地へ立ち寄ってみます。小さい村ですが、中心地へ行くと郵便局や商店もあり、道路も広めです。食堂なんかもありそうです。とても静かな、のんびりとした雰囲気の繁華街です。郵便局では中国最北端の地がデザインされた記念切手や絵はがきなどおみやげになるものも売られていました。商店には、今や入手困難となっているホーローびきのマグカップなどがまだまだ健在でうれしくなりました。こんなレトログッズも併せて集客していけば、もっと観光客は来るようになるんじゃないかな。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mainichigaharu/20190818/20190818130804.jpg ▲北極村の繁華街。右の建物に郵便局などが入っています。